#1・・・異端者
「いってらっしゃいです。お兄さん。」
「おう、いってくるよ。」
妹に笑顔で送られ、家を出る。
俺の名前は八十神エビス。
家で武術をやっていること以外は、フツーの高校生だ。
・・・まぁ、そのおかげで学校ではのけ者なのだが。
「今日もいつも通り、つまらん日が始まっちまったのかぁ・・・。」
大体、学校なんか行って何になるんだ?先生の話を聞いて、ノートとかプリントとかに文字を書くだけだろ?そんなところに行ってもつまんねぇだけだ。
「はーぁ、なんか面白いことねぇかなー?」
「その願い、叶えてやろう・・・。」
ガッ
「!?」
いきなり足を何かに掴まれた。
「クソッ!」
はなそうと思っても取れそうにない。
「う、うわぁぁ!」
そのまま、水の中に入っていくように、俺の体は道路の中へ引きずり込まれていった・・・。
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『少年ヨ・・・』
『ウヌガ目ヲ覚マストキ、ウヌノ望ム世界ガ広ガッテイルダロウ・・・』
『心スルガヨイ・・・』
『ウヌガ入ル世界ハ毒サレテイル・・・』
『ソノ毒コソ、ウヌガ探シ求メルモノ・・・。ウヌノ旅ハ、今、始マルノダ・・・。』
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・・・?ここは?
「ゴブガバッ!?」
水の中だ!速く浮き上がらなければ!
「プハッ!」
水から上がり、辺りを見わたす。
真ん中に遺跡のような建物があり、それを取り巻くように柱が立っていた。
海上遺跡・・・?
それに、今の声はなんだ・・・?
探し求めるもの・・・
そんなことを考えていると・・・
『グォォォォォォォォォッ!!!!!』
後ろから、巨大な魚が口をあけて突進をしてきた。
「うわぁぁぁっ!」
まずい!
速く遺跡の中へ!
必死に遺跡の入り口へ泳ぐ。
「うぉぉぉぉ!」
何とか、遺跡の入り口に到達する。
と、同時に魚が突っ込んできて、俺を遺跡の奥へ吹っ飛ばした。