ジョルノ・ブラウン伯爵とは
どうやらこのジョルノ・ブラウン伯爵は、中々の大怪我をしながら、この社交パーティーに来ていたらしい。
治癒術師によると、服の下は包帯でぐるぐる巻きだったとか。血は止まりかけだけど。
騎士であるジョルノ・ブラウン伯爵のことだから、
魔獣討伐による怪我ではないかとのこと…。
なんで、こんな状態でお見合い社交パーティーに来てるのこの人!?!?
そんなに、伴侶を見つけたかったのかな?
意外と恋愛脳とか?
私には分からないわ〜。
ただ、この黒髪、今は見えない黒目は懐かしい…。
少し、肩の強張りがゆるんでいくのを自分でも感じる。
緊張してたものね、私。
「うう…。」
お!
やっと起きたのね。件の伯爵は。
「ここは?」
「救護室よ。ブラウン伯爵、記憶の方は…?」
「まだ、くらくらしてなんとも…。」
「ああ。鼻血を出されて倒れたので、貧血かもしれませんね。」
そういえば、服の下も怪我の出血があるんだから、そりゃそうよね。
貧血の症状が出るかもね。
「鼻血か…。格好つかんな…。」
私の顔から、視線を天井に向ける伯爵。
「魔獣にやられたのならまだしも…。」
はぁ。と、ため息一つも漏れる伯爵。
血といい、ため息で逃げるといわれる幸せといい、足りないものばかりの方ね、この人。大丈夫かしら。
「それで、あなたは?」
「私はユキノ・ホワイティア。
誰かと言い争いして、鼻血を出して、ぶっ倒れたあなたを、救護室に運んで、えーと、治癒術師に状況説明して、今あなたに説明をすることになったものです。ははっ長いわね。」
長ったらしい説明に面白くなってきちゃった。
「それで、ブラウン伯爵。改めて、今のお加減は?」
大丈夫ですか?と問いかけてみると、
何故か目を大きく見張っている伯爵。
少し慌てた様子で、何かを誤魔化すように、
「あ、ああ、大丈夫だと思うが、もう少し横になってから帰るとするよ。」と一言。
確かに、こんな状態じゃね。
他人事でも心配なので、是非そうしてもらおう。うん。
「それで、ブラウン伯爵。一つ聞いてもよろしいですか?」
「なんだ?」
「何故、そのような体調不良の状況で、今回このパーティーに参加されたのですか?」
「…上司命令に何も言えなくてな…。」
苦労してるなー!と白田雪乃(27歳)、ブラック企業勤務の感情と感想が真っ先に飛び出た。
それと、
「もっと、ご自身の事を大切になさって下さい。」




