第十章:兄の想い、未来への決意
俺たちは、人目を忍ぶ愛の生活を始めた。
昼間は叔父と姪として振る舞い、夜になると、二人は、誰にも知られてはいけない、秘密の恋人となる。この二重生活は、俺たちに、激しい幸福感と、深い罪悪感をもたらした。
罪悪感は、夜が深まるほど、官能的な熱へと変わった。
その夜も、真美は俺の部屋に来ていた。
「おじさん……、仕事はもういいよ」
真美は、俺の膝の上に乗り、俺の首に腕を回した。
その瞳は、俺のすべての理性を奪う、愛と誘惑の光を帯びていた。
「真美、待て……」
俺の言葉は、意味をなさなかった。
俺の体は、すでに彼女の熱を求めていた。
俺たちは、言葉を交わす代わりに、激しく唇を重ねた。
ソファの上で、真美の薄いルームウェアが引き剥がされる。
その白い肌に触れるたびに、俺の心臓は、禁断の快楽に打ち震えた。
「もっと、強く……!」
真美が、俺の耳元で、甘く、切実な声を上げた。
その声に、俺は狂ったように応えた。
俺たちは、もはや、叔父と姪ではなかった。
孤独と欠落を抱えた二つの魂が、互いの存在を確かめ合う、愛と激情の塊だった。
真美の体は、15歳とは思えないほどの、熱と柔軟性で俺を受け入れ、俺の激しい求めに、激しく応じた。
行為の最中、真美の瞳から、一筋の涙が流れた。
それは、快感か、それとも罪悪感か。
「おじさんの、全部が、欲しいの……」
真美の切実な声に、俺は、この愛が、一時的なものではなく、永遠に続く運命なのだと悟った。
行為の後、俺の腕の中で眠る真美を見て、ふと、俺は深い罪の意識に襲われた。
(俺は、兄さんを裏切っている……。兄さんが俺に託した、真美の清らかな人生を、俺が汚している)
翌朝、俺は、自責の念に駆られ、真美の部屋を掃除していると、棚の奥から、兄、健太の遺品である一冊の手帳を見つけた。
それは、兄が事故の数ヶ月前まで書き綴っていたものだった。
俺は、手が震えるのを抑えながら、その手帳を開いた。
兄の文字で、理恵さんへの愛、真美の成長への喜びが綴られていた。
そして、最終ページに近いところに、俺の名前が出てきた。
「康之は、いい男になった。真美とも仲が良い。理恵と再婚した時、康之には『真美は連れ子で、血の繋がりはない』と伝えた。あの時、康之の顔が一瞬固まったのを、俺は見逃さなかった。
血縁のない真美を、ただの姪としてではなく、一人の女性として見てしまう可能性があることを、俺は薄々感じていた。それは、血が繋がっていないからこそ、康之の中に生まれる自然な感情だ。
康之なら、真美のすべてを受け止めてくれる。それは叔父として、ではなく、一人の男として、愛してくれることかもしれない。それで真美が幸せになれるなら、俺は、二人を許そうと思う。」
俺は、手帳を読み終え、床に崩れ落ちた。
兄は、すべてを知っていた。
俺の、真美に対する潜在的な欲望を、見抜いていた。
そして、兄は、俺たちの禁断の愛を、赦していた。
涙が止まらなかった。
これは、兄の深い愛情と、真美の幸せを願う親としての覚悟が記された、祝福のメッセージだった。
俺は、もう、罪悪感に苛まれる必要はない。
もちろん、社会的な倫理は存在するが、俺たちの愛は、死者の許しを得た、純粋な愛となったのだ。




