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9 ※カーリック視点(1)

長くなったので続きます

正直、俺の人生はリア以外全てどうでもよかった。


俺の母親は俺を産んですぐに死んだ。あいにく俺の父親は母を喰らって出てきたような俺に対して冷遇をするような人間ではなかった。確かに父は俺を冷遇はしなかったが、俺を愛することもなかった。

仕方がない、だって彼奴の世界の中心は母親で、それ以外はどうでもよかったのだから。たまたま母親に似て産まれたのが幸運だったのだろう、そうでもなければ俺はもう居ないかもしれない。そこだけは、神とやらに感謝している。


リアと会ったのは俺が7歳の頃だった。子供というのはやはり親の愛が欲しいもので、どうにかして愛を貰おうと色々な事に励んだ。完璧な聖人であろうとした。周囲の人間は俺を褒めたたえたが、やはり愛することはない。当然だった、だって俺は母親の腹を食い破って生まれたようなものだから。


その日はラズリー家との家同士の交流があった。だいたいは俺とリアの歳が近かったのと、政治的な関わりがあったのが理由だろう。


「は、初めまして、フレイヤ・ラズリーと申しましゅ」


初めて会った時、リアはとても恥ずかしそうに挨拶をした。顔を赤らめて、舌を噛んで、傍から見れば微笑ましく可愛らしいものなのだろう。だがその頃の俺は正直言って全ての人間がどうでもよかったし、ただ将来の伴侶になるかもしれない人間としかフレイヤに対して思っていなかった。


話は逸れるが俺は多分、いやほぼ確実に端正な顔をしていると思う。それに気づいたのは2回目のお茶会だった。確か俺が4歳ぐらいだろうか、顔を合わせた令嬢が全員頬を赤らめてそっぽを向くので1回目はとても驚いた。そんな反応をされると、自分の顔が酷いのかと思ってしまう。まぁ逆だったが。


フレイヤのそれも、最初は俺の顔と出生からそんな顔をしたのだと思っていた。別に哀れみなどもう散々聞いたし、つまらない子だな。程度にしか思わなかった。


そんな俺がフレイヤの事を好きになったのは確か4回目の交流だっただろうか。その日はラズリー家に行くはずだったのだが、俺は生まれて初めての高熱が出て、ベッドから起き上がれなくなっていた。当然ラズリー家のと交流は中止となったのだが、その日の昼だったかリアが公爵家まで来たのだ。


俺が高熱を出しても、公爵家の人間は心配の素振りを見せなかったし、部屋に来て看病などもってのほかで来るとしても薬と粥を出しに来る時だけだった。だから、リアが来てくれた時、本当に、ものすごく嬉しかった。初めて人の優しさに触れた気がした。


(今思えば、熱で気が滅入っていたのもあるが)


あの日のリアは凄かった。急に来たかと思えば、部屋にいても聞こえるくらいの大きな足音をたてて、もう淑女とかそういうのを無くして猛スピードで俺の部屋に入ってきたのだ。その手に、()()()()()()()大量のアザレアの花を持って。


「カーリック様っ!体調は、大丈夫ですか?!あっ、大声はダメよね、ごめんなさい…」


ボサボサになった銀の髪は日光に照らされて、シルクのように光り輝いていた。走っていたからだろう、頬は赤くなり、息も絶え絶えだった。それは絶対に、確実に淑女とは程遠かったが、俺の目には、初めて見る…()()()()()()()()()

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