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「リア、入学パーティーって行く?」
「えぇ、まぁ行くわよ」
と言うより、行かない生徒の方が少ないのだ。学園での数少ない社交。そこで未来の伴侶を選ぶなんてこともあるのに、行かない生徒などまず居ない。例に漏れずフレイヤも行くつもりだった。
「んね、リアはさドレスで行くの?」
「うーん、私は制服かしらね。ちょっと窮屈じゃない?」
フレイヤが微笑むとリディは安心したような顔をしていた。
「だよね!よかったぁ〜、私だけだったらちょっと心が折れちゃうところだった……」
「ふふ。あそうだリディ、この髪飾りつけて欲しいんだけど……どうしても付けづらくって」
「ん、いいよぉ〜!てかこの髪飾り……今つけてるブレスレットと同じ感じのデザインだね?」
私が今つけているブレスレットは金の縁に小さめの緑の宝石が散りばめられている。宝石が小さいから付けやすくいつも使えるからとカーリック様がくれたのだ。
髪飾りもこのブレスレットと同じようなデザインだが、こっちは宝石が大きく、正直なところ値段がとんでもなさそうなので申し訳ない。
「あぁ、うん。婚約者様が送ってくれたの。今日用のドレスは要らないって言ったら、代わりにって。大袈裟よね」
「ふ〜ん……愛されてますなぁ」
「リディ?今何か言った?」
「いや何も?」
(何か言ってた気がするんだけど……)
そう考えているうちにもう支度は終わり、私達は会場に向かう。本当はカーリック様とも行きたかったけれど、生徒会のお仕事があるそうなのでしょうがない。
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「わぁ〜!すっごく豪華ね!あそこのお肉も魚もすっごく美味しそうだわ!!」
「ふふ、リディ楽しそうね」
「もちろんよ!こんな豪華なパーティーそうそうないわよ!!ちょっと私はご飯取ってくるわ!!」
「え、あ、ちょっとまってリディ……!ってもう居ないわ……」
それより、この会場はとても広い。人が多いというのもあるけれど、下手に動いたらすぐに迷子になってしまうだろう。
(リディの後を追うにも難しいわ……)
というか、さっきから色んな人の視線を浴びている気がする。ずっと社交界に出ていなかったから当然だけれど、少し怖い。
(別の場所に行こうかしら……)
出来るだけ壁際に行こう。そう思い歩き出したリアは、そそくさとその場を離れるのだった。リアが離れたあと、その場にいた者たちは語り出す。
「なぁ、さっきの令嬢見たことあるか?」
「いやぁ、ないね。というかだいぶ美しかったな……」
「わかる、一瞬見蕩れて動けなかった」
「一体あの令嬢は誰なんだろうな……」
その会話がリアの耳に届くことはなかった。




