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リディ視点

 「ふわぁ〜ぁ」

何処か調子の狂う間延びした声で欠伸をする。はて、何か忘れているような……今日ってなんかあったけ?


「ん、リディ起きたんだ。おはよう」


ぼやけた頭の中でリアを見る。彼女は昨日と違う、制服姿で立っていた。それがなんとも神々しくて、(まぁ陽の光が当たっていたのもあるけど)思わず天使か女神が迎えに来たのかと思ってしまった。


 「…わ、女神かな……?」


「何を言っているの……?」


キョトンとしながら意味がわからないとでも言うような顔をしていた。こんな時も可愛いのか、美人め。


 「ていうかそれって、制服よね?すご、めっちゃ似合ってるわ!可愛い〜!!!」


「ちょ、え、ありがとぅ……」


褒め言葉が恥ずかしかったのか、顔を赤くして縮こまったリアはなんというか、庇護欲が湧いてくるような……そんな感覚に陥りかけた。


「リディも早く着替えましょう、メイクをするならもう時間がないわよ?」


 「え、無理無理無理メイク無しは無理よ!」


慌てて制服に着替え始める。もっと早く起きたかったところである。





 「ふぅ、よし準備完璧!あとは行くだけね!」


リアと入学式の会場に行こうかな、私会場わかんないし。ふと、リアを見てみると手には頭に付けるであろう緑色のブローチが着いた大きなリボンを持っていた。


 「…付けないの?それ」


聞いてみるとリアは気まずそうな顔をした


「…あー、えと、ちょっと悩んでて……私が付けても、本当に似合うのかなって」


その顔で何を言うのだ、と心の中で抗議しかけたが口には出さないようにしておく。


 「絶対似合うわよ!私が保証するわ。自分で付けずらいなら、私がつけようか?」


「本当に…?ありがとう、リディ!」


少し戸惑いながら後ろを向いてもらう。ハーフアップの結び目にリボンを付ける。黒色のリボンには、金色の刺繍がしてある。


 「…そういえば、リアはなんでこのリボンを着けようとしたの?」


リボンをつけるとなれば、普通は自分の瞳の色に合わせるのが主流である。ましてや黒など、同年代の令嬢たちはまず使わないだろう。


「このリボン、婚約者からの贈り物なの。きっと儀式的なものだと思うのだけれど…つけないと悪いかなって」


 「ふーん、そっかぁ〜……」

いや、それはないだろう。きっと色から見て黒髪緑眼、それか緑髪黒眼が婚約者の特徴だ。こんな分かりやすく自分色の物を送っている時点で相当リアのことが好きなのだろう。


(リア……鈍感すぎるわよ)

婚約者殿が可哀想である。この感じだとリアは何も理解していないのだろうな。

あぁ、もどかしいったらないわ!

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