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第3話 働け使用人

そんな訳で第3話。悠君が働きます?

「はぁ」

 俺はため息と共に天井を見上げる。ここはフィオの屋敷。そこに用意してもらった自室のベッドの上だ。彼女に拾ってもらって早数週間、俺は言われた通りにそこで使用人として働くはず。だったのだが、


「と、言うわけでこの文字の読み方は...ハルカ、聞いてます?」

「え、あ、ごめん聞いてなかったかも」

「全くもう!勉強したいって言ったのはハルカなんですよ?」

「う、悪い。でもなフィオ、休憩無し3時間は中々...」

「さぁ、続きをやりますよ!」

「あれフィオさん!?」


 待っていたのはまさかの勉強であった。いや、申し出たのは俺なのだが、まさか仕事をほとんど割り振られることも無くひたすら勉強付けになるとは思わなんだ。なるほど彼女は熱中すると周りが見えなくなるタイプらしい。


「疲れた...とにかく疲れた...」


 その後課せられた課題を全て終わらせた俺は自室で1人ボヤいている。という訳だ。


「でもまぁ、あの頃と比べたら何倍も楽しかったかな」


 それでも俺の胸を満たしていたのは確かな満足と充実感。それは向こうの世界にいた頃には到底味わえなかったもの。


「こういうのも悪くないかもな」

「いやでもやっぱり休憩無しでぶっ通すのはキッついよな」


 それはそうと苦笑いが漏れる。とはいえ、そのお陰でわかったこともある。その際たるものがこの世界の文字。みっちり絞られたお陰もあってか簡単な読み書き程度はできるようになった俺であったが、疲れた頭を休ませるように、その日はゆっくりと眠りにつくのだった。


 翌日、今日の勉強はこの世界の仕事について。異世界の仕事について興味があったの俺は色々と教えてもらうことにしたのだ。


「まさか騎士だの冒険者だのという職業があるとは、いよいよ持ってファンタジーだな」


 俺が最初に見た騎士団は本当にそのまま騎士団だったらしく、どうもこの世界における警察組織に近いものらしい。そして、


「冒険者って何するんです?」

「冒険者ですか?ギルドに所属して、依頼を受けて魔物討伐や遺跡探掘等を行うお仕事です」

「なるほどなぁ」

「ハルカの故郷にはいなかったのですか?騎士団も冒険者も知らないなんて、一体どこから来たんですか?」


 遂に来てしまった出身を問う質問。まさか馬鹿正直に違う世界から来ました等と答えられる訳もない。何と答えたものか。


「俺はここからすごく遠い国から来たんだ。それはもうとても遠い所から」

「遠い...所...」


 ひとまず曖昧な言葉で誤魔化す。その時フィオの目が輝き出した。失言したかと思ったが、時すでに遅し。


「ぜひ、ぜひ聞かせてください!ハルカの事を!」

「お、おう、フィオ、わかった。わかったから。」


 その後、好奇心を爆発させたフィオに質問責めにされた俺は、彼女の熱意に圧倒されれながら自分の半生を語る羽目になるのだった。


 この時、悠自身すら気づいていなかった事だが、2人の顔はとても楽しそうで、幸せそうであった。

最後の1文のみ悠視点では無くなっています。

オマケ キャラプロフィール 近衛悠

年齢 22歳

身長178cm

体重 70kg

性格 身内には優しいが他人には冷淡

容姿 黒髪のミディアムヘア 目付きが悪いが世間的にはイケメン

好きな物 美味しい料理

嫌いな物 口だけのやつ 偉そうなやつ 過去の自分

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