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初めて書きます。
拙い文章にはなりますが頑張りますのでよろしくおねがいします。
あ、死んだ。
目の前の大きな爪が、今まさに私の顔目掛けて振り落とされようとしている。人狼の息遣いもコンマ数秒の感覚で段々とはっきり聞こえてきた。
黒く光った爪が私を睨んで、目が離せない。
どう考えても逃げた方がいいのは頭で分かっている。それでもこの目の前の恐怖を誤魔化すように爪をじっと見つめてしまっていた。
人狼の爪って思ったよりも大きいんだなぁ……
走馬灯よりもそんな間抜けな感想が頭をよぎったその時だった。
「ボケッとしてねぇでさっさと走れ!」
ガッと鈍い音が鳴り、目の前の恐怖が私に届くよりも先に人狼が吹き飛ばされていた。鈍器で殴ったような音が鳴り、眼前の対象は爪から脚に変わる。
私を助けてくれたのは綺麗な回し蹴りをした青空の髪色を持った女の子だった。
「わ、わぁ!」
情けない声が出てしまったけれど彼女の言うように逃げるため、足が縺れながらも必死に動かす。
幸いここは一本道の住宅街、彼女を背に走ればその向こう側にいる人狼とも距離が取れる。
夜更けの所為で薄暗がりになった道を懸命に走った。
私生きてる!ギリギリのところで助けられた!
でも初任務からこんなに危険なんて聞いてないよ〜!!