第43章 食べ下手感想文の相談(その2)
またまたかなり間が空いてしまいました。それでもポツリポツリと目を通してくださる方がいらっしゃるので感謝です。
結局、読書感想文を書く段になって村上に相談に行くのですが、どうもイレギュラーな課題図書・書き方もイレギュラーとなるよう。でも、キーワードは見つかったみたいですね。
第43章 食べ下手感想文の相談(その2)
「『陰陽師』も『人はパンのみにて生くるものにあらず』から脱線したんですよ。本来は『食』ですから。ちょっと整理してみませんか。」
「まず一番の目的は生きることだよね。」
「そのためにはカロリーや栄養となるものを食べるってこと。」
「そしておいしく食べるってこと。」
「でも『おいしい』と『おいしく』は違うんだってこと。あ、それと、食の一番の目的って生きること、つまり生命維持のため?生物としてはそうだろうけど、人間、特に豊かになった人間としてはどうなんだろう。幸せを感じること?幸せを感じたくて食べる。結果、カロリーも栄養もとれる・・・。どうかな?」
「確かに。美食を求めてっていうのはあるよね。」
(『孤高のグルメ』とか晩酌やお酒を取り上げているものの『晩酌の流儀』とか『わかこ酒』とはやっぱりグルメだよね。美食家の世界的な団体『ラ・シェーヌ・デ・ロティスール』は日本支部もある。こちらは前者と違い、一人で楽しむのではなく、仲間と楽しく情報交換しながらワイワイとやるのがモットーみたいだけど。最近では『ガストロノミーツーリズム』といって美食旅行も流行っている。富裕層が来日して世界遺産の和食を楽しんでいるんなんてニュースもあった。)
「そうだね。『食』を楽しむっていうことも外せない。」
「でもさ、村上ちゃん。『食』で苦しんでいる人たちもいるよ。」
「そうだね。『食べ下手』はそこだったよね。」
「コッペくんと貧困。人間の歴史はずっと貧困の歴史だったって話を聞いたことがある。時の権力者は別として多くの人がまともな食を享受できるようになったってつい最近のことだって。でも、貧困の問題が終わったわけじゃない。パレスチナのガザ地区は食料の供給が停止され、世界中がなんとかしなければと思っているし、内戦が続いていた、あるいは今も続いている世界各地の紛争地域やアフリカの多くは危機を抱えている。」
「ユニセフも宣伝していて、寄付を募っている。二人ともテレビCMでも見たことあるだろう。」
「はい。」
「コッペくんの場合、そういう貧困じゃないんだけど、兄弟が多いのにお父さんが働けないんだよね。」
「働きたいんだけど働けないという人たち、働けるんだけど働きたくないという人たち、正規の雇用の波に乗れずずっと非正規雇用で不安定で賃金も低い人たち・・・。また、これだけ共働きが増えている、つまりは多少ゆとりをもって家族を養うのに一人では十分な収入が得られない社会構造となったのに一人で家族を支えなければならなくなった人たちも増えている。」
「シングルマザーとかね?」
「もちろんファーザーもいる。姥貝校長先生や新崎校長が小学生の頃、そういうご家庭はほとんどなかったと聞く。お父さんが交通事故とかで亡くなられたってご家庭はあったけど、いわゆる『片親』っていうご家庭はほとんどなかったようだって言ってらっしゃった。ちなみに『片親』は差別的な含みをもつ言葉だから使わないように。今はこのような一人親家庭を指すときに『母子家庭』とか『父子家庭』という言葉を使う。その『母子家庭』とか『父子家庭』だけど、今はほとんどどのクラスにもある。特にお子さんが小さいほど働くことへ力を注ぐのは難しいだろう。」
ゆ「死別でなく、離婚ってことですか?なんか3組に1組は離婚するっていう話を聞いたことがあるんですけど。なんかそこまで多いって、違うと思うんですけど。それが本当だったらクラスの三分の一は一人親家庭のはずですけど。違いますよね。」
「離婚率はホントだよ。2023年の特殊離婚率は39%だから三分の一を超えている。」
「えーっ!」
「まあ、最近は熟年離婚も多いからね。小学校に子どもが通っているお家の統計ではないから。まあ、1990年が21.8%だから確実に増えていると思うけどね。」
「先生、『特殊』ってことは『普通』っていう離婚率の統計もあるんですよね?」
「そう。『特殊』があるってことは『普通』も普通はある。」
「村上ちゃん、それギャグ?」
「いや。『特殊離婚率』というのは、その年に結婚したカップルの数で同じくその年に離婚したカップルの数を割ったものだ。対して『普通離婚率』はその年の人口1000人あたりの離婚件数で表される。2023年で1.52件。1990年が1.28件だ。全体的に見てどちらの統計も増えていることは確かなようだな。共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回ったのは1996年と言われている。女性も働くようになったことで経済的に自立でき、今までのように我慢しなくてよくなったのも離婚が増えた原因かもしれない。DV男でなくても男性優位な中から自立出来る女性が増えたことは望ましいと思う。」
「なんかまた脱線してたんだけど、一周して元にもどった感じ。咲子ん家なんかまさにそうじゃん!まあ経済的には逆に苦しくなったはずだけど。」
「咲子さんて『孤食』だったじゃないですか?とても寂しくてその心に空いたぽっかりと空いた穴を埋めるため、過食嘔吐を繰り返していたでしょ。でも先生が思い出していた『孤高グルメ』って主人公が一人で食べる場面を描いたドラマ?でしょ。どう違うんでしょうね。」
(ぶーーーーーーーっ!)
「ゆ、由美子、お前、人の心の中がのぞけんのか!?」
「いえ。別に。・・・それ。」
由美子が指さしたところには紙切れに落書きが。村上には手持ち無沙汰の時には無意識に手元の反故紙にいろいろな落書きをするクセがある。紙には確かに『孤高のグルメ』とか『晩しゃくの流儀』とかの落書きが・・・。ついでに井之頭五郎を演じた松重豊氏の似顔絵が。その紙を見た村上の目がグググっと一回り大きくなった。確かに書いてある。
(ヤバい。おいおい、心の中をさらけ出していたのは、俺か)
「そ、それは、求めているものの違いというか、咲子は本当は母親の愛情に包まれていっしょに食事をしたかったわけだろ。でも、この主人公、松重豊氏が演じた井之頭五郎はじっくりと目の前のものに集中して食事したかったわけだろ。まわりの余計な雑音をシャットアウトして。あ、ちなみに原作はマンガだけど。」
「あ、村上ちゃん、一生懸命そうな時にアタシ、通子が肩越しに声をかけると『いま、うるさい!』て手で振りほどくあれね。」
通子がイジワルそうに村上を覗き込む。
「かわいい生徒にそんなことして、イイノかなぁ~。」
「いや、お前は生徒じゃない。児童だ。」
「あ、また始まった。やめた。」
「咲子みたいに、心に穴の空いた者も増えているような気がする。それらはやっぱり食の問題として現れているんだろうな。食はお前たちの言うとおり、人と人との関係をつなぐ大切な役割があるのだろう。実は『孤高のグルメ』の主人公、井之頭五郎が孤独に食事を味わう背景にも様々な人と人とのつながりがあるんだよな。」
「すみません。そのドラマとかマンガとか分からないもので。」
「・・・。」
「どうした?通子。」
「ラマワティちゃんも『食』に関して困っている一人だったよね。『食』って『文化』でもあるんだ。当たり前だけど。」
「何が言いたい?」
「よく分かんない。でも、国によって、いや国内でも地方によっていろいろな違いがあるよね。そんな中でお互いに歩み寄るのがいいのか、それともお互いの違いを認めるのがいいのか?きっと両方とも大切なのは分かっているけど、なんかすっきりしないんだなあ。」
「ほう。」
バシッ!ハリセンがサイドスローで村上の額をいきなり直撃した。
「また、『ほう』で済ます!」
村上は額を押さえながら通子を恨めしそうに見る。
「またかよ・・・。もう終わったんじゃないかと思った!最初に『ほう』っていただけじゃないか。これから話が続くんだよ!もう。」
「じゃ、続けて。」
「もう!でもな、『郷に入れば郷に従え』っていう諺もあるし、その国とか地方に行けば、そこの風習や習慣、文化、きまりに従うのは当たり前だと思う。俺ん国は車は右側通行だからこっちの車も右側を走れ・・・てのは無謀だよな。でも、日本のレストランでも洋食をいただくときにナイフとフォークじゃなくて箸を頼んで食べる人もいるしね。そういう自由はあると思う。」
「確かにそう思います。その国や地方の習慣とかきまりに合わせないと確かに大きな混乱が起こる場合もありますよね。でも、ラマワティさんも『私たちがぶた肉を食べるのは、日本人が犬の肉を食べるみたいなものだ』って言ってました。給食でブタ肉が出るから嫌でも食べろっていうのは違うと思います。ラマワティさんはちゃんと代わりにお弁当を用意しているわけですし。そういう部分は寛容であっていいんじゃないでしょうか。単なる好き嫌いで言ってるわけじゃないし、野菜嫌いで食べないっていうのと違い、栄養価とかも問題ないので。」
「村上ちゃんや由美子の言う通りだと思う。でも、その線引きって何なんだろう。」
「『リアルな国境線』ってところかな?」
「はぁ?また、変な例えする。」
「実際にはないんだけど、みんなで決めて引いた線というか、だから橘川先生は話し合いを大事にしたんじゃないかな。それはみんなで決めようって。」
「なるほど。すっきりしないもんだっていうことがすっきりした。」
「『多様性』の復権だな。多様なものを一つにしようとしていた時代は終わった。本当はそれぞれが違うものなのに、それを型にはめて同じ物を大量生産しようとしていた。グローバル化が進み、通信手段も発達し、いろいろな情報が大量に流れ込んできた今、第二の黒船が日本の眠りを再び醒まそうとしているんだ。」
「村上ちゃん、それちょっと大袈裟じゃない?」
「そうでもないと思う。この『食べ下手』みたいに給食とかの話ってきっと昔じゃ物語にならなかったんじゃないかと思う。それが堂々と問題提起出来るようになったってことは、やっぱり時代が大きく動いているんだと思う。(抵抗勢力は未だ大きいけど・・・)」
「先生、『大きく動いている』のはいいのですが、良い方向ばかりでもないような気がします。例えば、『拒食症』の問題とか。」
「『拒食症』なんかはクローズアップされてきた問題だと思う。なかなか表面に出てこない問題だったけど、海外ではモデルやおもちゃ業界にも意識変革を及ぼしている。今までのパラダイムって『やせているイコール美しい』だった。でも、お前たちも江崎先生から学んだように、骨と皮になってもまだ太っていて美しくないと言って死ぬまでやせようとする人たちがいること。これらの観念は小さいときからモデルや人形によって創り上げられたものも多いということで、欧米では一定以上やせている者はモデルとして使えないとか、バービーなどの有名な人形の体形も基準が設けられるなどの例もある。そこは『健康的な美』をめざそうと意識が大きく変わってきてい・・・、いや、変えようとしてきている。ま、さすがにロコ・ソラーレ(※カーリング女子チーム)の藤澤五月さんの筋肉モリモリには驚いたけど。」
「?『もぐもぐタイム』の人でしょ。先生がよくマネをする。」
「ドキッ。藤澤五月さんってめちゃ優しそうでカーリングを投げるときの真剣な表情ってとてもしびれるんだけど、ボディメイクコンテストに出てね、今から2年か3年前だったと思うけど、ムキムキの全身を披露したんだ。」
バシッ!
「このスケベ教師!」
「通子!人をはたくなっ!もう!」
「だって、ヌードを見たんでしょ!」
「いや、みんなが水着、女性はビキニだけど、服着てたら鍛え上げた筋肉を見せられないだろ!それが正式なユニフォームなのっ!」
「しかたない。許す。」
「もう。ホントしんどい。でね、要は健康的な美ってことに言及したかったってこと!」
「でも先生、痩せるのも過ぎれば問題ですけど、太るのも過ぎれば問題ですよね。」
「肥満ってことか?」
「はい。『食べ下手』には出てこなかった問題ですが、肥満て食生活の影響がとても大きいですよね。」
「もちろん、体質もあるんだが、その通りだと思う。それこそ人間が狩りや農耕を主体としていた時代、そんな高カロリーな食事にはめったにありつけなかったろうし、むしろ餓死のほうが問題だったはず。それで体内に栄養を蓄えようと高カロリーな食事はおいしく感じるんだろう。で、どんどん食べてしまう。結果肥満。適度な太り方は体温の保持も出来るし、いざ食べられなくなった時に自分自身を消化して生き延びられるように重要なんだけど。しかし、肥満が進むと体重も増加し、骨や関節に負担がかかるばかりでなく、心肺機能にも負荷がかかる。また、余計な脂肪分は分解され血管内を汚していく。高血圧や糖尿病、血栓が脳や心臓に悪さをすれば即、命の危険となる。」
「アタシも習い事の帰り、かなり遅くなってコンビニに寄ったことがあるんだけど、そういえば、ドワッと太った若いお母さんが保育園くらいの子を連れて何やらお菓子みたいのを大量に買ってた。確かにコンビニってヘルシーなもののいっぱいおいてあるんだけど、甘いものとか油っぽいものに手が出るよね。そんなんばっかりだったら、太って当然だゎ。咲子は吐いてたから、肥満にはならなかったんだ。」
「欧米、いや中東もアジアも料理に油を大量に使うよね。特にファストフードはそういうものが多い。肥満が問題になっている国は多いんだ。ヘルシーなのにおいしい和食が世界遺産になるのもうなずける。日本には塩味のお菓子があるけど、甘くないお菓子はオカシイっていう国が普通なんだろうな。」
「まだ、ダジャレ。村上ちゃんもだんだんオヤジになってきたね。」
「議論してみると『食』の世界って問題だらけのような気がしてきました。なんでこんなに問題があるんだろう。原因ってなんだと思いますか?」
「う~ん、何だろう。由美子や通子はどう思う?」
「お、お得意の逆質問。」
「難しいです。」
「『食の合理化』かな・・・。」
「通子、難しい言葉だね。」
「『食』って本当は手間暇かかるものじゃない。お肉ってスーパーでパック詰めになって買ってきてすぐ調理出来るけど、狩猟やってるおじさんが言ってた。まず、山の中をずっと歩き回って獲物を探す。空振りの時が多いんだそうだけど、運良く捕まえてもおいしい肉にするためにはすぐ血抜きの作業をして、皮をはいだり筋肉の部位毎に切り分けたりして、それをまた山ん中から運び出して・・・食べるまでには大変な苦労があるんだって。でも、それじゃあ、みんなが大変だから牛やブタや鳥を効率よく育てて、専門の人がそれをさばき、スーパーでパック詰めにして。または、お店で料理して出す・・・。分業することで職業が生まれ、お金をもらい、もっとお金をもらうためにたくさん育てて売り・・・確かに便利になったけど。きっとそれらは『食べ物』というよりは『商品』になってしまったんじゃないかなぁ。」
「『商品』かぁ。通子、面白い。」
「咲子ん家だって、お金をポンとおいて、食べ物っていう『商品』と交換して・・・。狩猟やってるおじさんはともかく、獲物をとった人はお腹をすかして待っている家族のことを思いながら持てるだけの肉をもって帰りを急いだんだと思うぅ。」
「それを家族みんなで有り難くいただいたわけね。さすが、通子。核心をついてるような気がする。それは商品じゃなくて食べ物だね。」
「なんか最近、こういう場面って通子が由美子に見えてくる。」
「おい!村上ちゃん、それどーいぅ意味じゃぁ!」
「まあまあ、通子、落ち着いて。それってもしかして『ビタミンI』のこと。」
「由美子も通俗的なこと言うんだ。」
「まあ。家も通子んちもビタミン”愛”は十分にとれてる感じだし。食事を通してそれらは私たちに十分伝わっているんだと思う。咲子さんがお母さんと食べたインスタントラーメンは他の栄養素は足りなくてもビタミン愛はたっぷりあったようだし。」
「『食の合理化』『食の商品化』は確かに現代社会では必要なことだと思うけど、それでもって大事なことをそぎ落としてしまっては元も子もないよね。」
「まったくだ。通子って、真面目になるとえらい良いこと言うよな。俺の指導がいいから・・(バシッ!!!)」
今まで一番強く、大きな音でハリセンが村上の顔面の中心を直撃した。(いちおう空手の有段者でそれなりという自覚はあると思うんだが、微妙でも身体が反応する前に完璧な不意打ちを食らっている)
「アタシからのビタミン愛よっ!自然にディスろうとした報い!!」
「いや、ほめたつもり・・・なのに・・。」
「『食の合理化』『食の商品化』か。作るって行為が省かれちゃって、与えるだけになってしまうと『思い』をこめる時間も無くなってしまう。たとえみんなで食べたとしてもありがたみとか、感じられるのかな。」
「陰陽師のおにぎりもみんなで食べてはいるけど、作っているところを見ているわけではない。でも、陰陽師は食べる人のことを考えて作ってるんだよね。」
「メーカーやスーパーで作られている食品って、それを作られている人たちも少なからず食べる人のことを考えていらっしゃるんだと思うんだ。でも『食の商品化』によって単に美味しいか美味しくないか以外の要素は脱落していってしまうことが多いんじゃないかな。だって今、すっごい簡単だもの。一人一人の時間が大切にされるようになって、確かにそれは間違いなく良いことなんだと思う。でも、人間って自分だけのために時間を割いて生きてきたわけじゃなくて、家族も含めて自分以外の人との関わりを大事に生きてきたわけじゃない。その中心に食があった。その中心がどんどん萎んでいく中で他との関わりが薄くなってしまった。それでいろいろな問題が発生してきた原因のひとつなんじゃないかな。」
「『食の国際化』はどう?」
「『食の国際化』は問題ってことか、通子?」
「う~ん。『食の合理化』『食の商品化』とは違う問題というか、問題じゃないような気がする。アタシ的は。」
「同意見だな。日本は古来より外国の文化を取り入れることに非常に柔軟だったというか、今はラマワティちゃんたちのムスリムなんかの文化との融合を図ろうとしている段階なんだと思う。」
「後醍醐天皇の話を思い出しました。」
「チーズか?醍醐味っていうときの醍醐か?あれって、乳製品の一種でチーズとかヨーグルトみたいなやつじゃないかって言われてたもの。醍醐天皇が最初に食べたってことじゃなくて、醍醐寺っていう寺からお名前をいただいたらしいけど。醍醐って奈良時代から平安時代には高貴な人の間で食べられていたから平安時代の醍醐天皇は食べていたかも知れないし、ずっと後の鎌倉時代から南北朝時代の後醍醐天皇も食べていたかも知れない。」
「村上ちゃん、すぐ脱線!」
「あ、悪い。まあ醍醐も中国からのものらしいし、中華料理には日本でもすっかり定着し、日本で変化したものもある。例えはギョウザ。本場では水餃子なんだが、日本では焼き餃子が主流だね。もともと中国の北の方で食べられていたらしいんだけど、戦後満州から帰国した日本人から広まり、今は餃子と言えば焼き餃子が主流だしね。また、ラーメンはもう本場から完全に独立しちゃったしね。カレーもインド発祥ではあるんだが、インドを植民支配していたイギリスから入ってきたから洋食なんだよ。でカレー粉やカレールウを使った様々な料理に広がり、カレーうどんとかカレーそば、カレーラーメン、カレーパン・・・バリエーションがどんどん広がっている。ハラールもきっと上手に日本に溶け込んでいくんだろうね。」
「それ、感想文にいただき!」
「そうだ!感想文にするんだよな。いったいどうやってまとめる気だ。」
「それは、対談形式がいいかなってところまでしか。どういうテーマで対談するか、この相談の中から見つけられればいいなって。通子、どう?」
「『食の合理化』『食の商品化』『食の国際化』ってキーワードが生まれたと思う。字数が極端に限られているから、『食の合理化』『食の商品化』というような話題でいけたらいいと思う。どう、村上ちゃん?」
「どうもこうも、規定外だと思うんだけど。それでもいいんだな。」
「モチッ!」
「もちろん!」
どうやら村上と相談(いや、雑談でしょ!)していく中で『食の合理化』『食の商品化』『食の国際化』というキーワードが見つかったようです。
中学生の課題図書を自由課題として選び、書き方は二人の対談形式にするというんですが。実際にどうなるやら。原稿用紙3枚の作品にするか、迷っています。
※今回も台詞の前に人物のイニシャルをつけたままでしたが、削除しました。




