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第24章 わたしは食べるのが下手(3)~良い子を演じる?~

「良い子を演じる」ことは悪いことではないし、誰でも経験していることなんだけど、それは演じていることであって、実際はどうなのかが大切・・・。

適度な長さでないと読む方も疲れてしまうかもしれない。途中で切りました!

スバルのニンジンCMはyoutubeで残っているようですね。これ好き! 


第24章 わたしは食べるのが下手(3)~良い子を演じる?~



週明け、二人は図書室に再び集合。今週集まれるのはこれが最初で最後。通子もスイミングスクールの大会が近づいているらしく、忙しくなってきたらしい。


「この前の続きね。咲子って『カワイソ』・・・だと思う。なんか家族がバラバラでジャンケンの三すくみみたいな感じがするんだけど。振り向いて欲しい人に振り向いてもらえないみたいな。特にオヤジが良くない!」

「おっと、興奮したらまた話がこじれる。落ち着いて通子!」

「このママって、けなげというか・・・。このくそオヤジにこれほど。」

「『でも、ママは、綺麗だけど、賢くない』って咲子さん言ってるじゃない?『綺麗にしていることが唯一、パパとつながっていられるから一生懸命になっているんだと思うし、その姿を賢くない』って咲子さんは表現しているような気がする。なんか、通子も言ってたけど、こうもっと自分も見てよ・・・いうか。そんなそっけないパパよりも自分のことを見たほうが利口なんだって。でも、そういうママも、そのママをそっとしておく自分を『カワイソ』って言ってるのかも。」

「由美子得意のこんがらがった言い回し。でもね、結局、咲子も『よい子を演じている』ってことで自分も葵と同じくカワイソって思ってんだよね、きっと。」

「でもきっと意識してるってわけじゃない。深層心理の中にあっても顕在化してないんじゃない。だからもやもやして、あのつっぱった振る舞い、ある意味自暴自棄じぼうじきな面が出てくるんだと思う。」

二人とも目を落とし、ちょっと沈黙。



「ところでさ、給食の残量調査、そのクラス単位の発表。競争で物事が全て解決すると思っている大人のアホさの代表的な取り組みだよね。」

「通子ってそう言う発言、過激だよ。確かにそう思うところはある。残量調査、前近代的というか・・・。でもね、SDGsとか叫ばれるようになってますますだから、それは仕方ないのかも。」

「でも個を埋没させて集団的な競争に駆り立てるなんて、まるで戦争のやり方と同じじゃん!」

「う~ん、そこと重ねてきたか、通子。確かに否定できないけど、まだよくあるパターンで、運動会はその代表だと思うんだけど。運動会は否定しないよね?」

「集団で力を合わせ、一致団結する心地よさは確かに否定できないよなぁ。私たちはそれこそ運動は得意だし、恥も外聞もなく応援にもリキが入るし。勝っても負けても達成感を感じるし。」

「あれ、通子ってそんな応援にリキ入れる方だったっけ。」

「いいの!村上ちゃんに出会ってからなんかもう自分が変わったのが分かる。冷めてちゃあいけないんだって。そういう意味じゃ、葵みたいだった自分から『よい子』を脱ぎ捨てちゃった。」

「葵さんみたいって?いや、前から言うことは言ってたよ。ただし、ぼそっとつぶやくだけだったけど。」

「また、由美子ったらナチュラルにディスるし!みんなにどう思われようが、大きな声で言うってことが『よい子』から変わったあかしなの!」

「でも通子って『よい子』だと思う。よい子の『意味』が違うけど。『よい子』のなんていうか、の良さと言ったらいいのか、演じなくても本当のよさが出来てきたと思う。」

「由美子ってド~ンと落としておいて持ち上げるし。」

「別に持ち上げているわけじゃない。前の通子も好きだったけど、今の通子が心地よいって伝えてるの。今の通子がいいよ。ステキ!」

「もう。ホントに。由美子ったら。顔赤くなっちゃった。」


「でもね、すっごく太っている子も4年生にいるじゃない。身体を左右に揺らしながらやっと走っている。徒競走は3年生までいつも最後になってた。いっつも最後になるって分かっているのに走るって、どんな気持ちなんだろう。」

「痩せりゃーいいじゃん!って思うけど、そんな単純じゃないんだよね。私、水泳やってるし、一日に何キロも泳ぐから。がっつり食べてもそれなり消費してしまうみたいでこのナイスバディだけど。体質的に太りやすい人もいて、太っているから運動が苦手、だからまた太るっていう悪循環におちいる人もいる。」

「そうじゃなくても、去年のお楽しみ会のドッジボールの時みたいに、怪我しててやりたくても出来ない人もいる。いろいろな条件の人がいるからそれらを配慮していこうとしているし、それはそれで良いことだと思う。」


「その言い方、なんか引っかかってるものがあるね?」

「まぁ。この前のドッジボールはそれぞれに合わせルールを見直し、それはそれで楽しかったからいいけど、もしそれがかなわないで、ひとりは悲しい思いをしないで済むかもしれないど、31人が楽しめなかったらそれもそれで嫌なの。」


「そういうことってあり得る・・・。由美子はそれを天秤てんびんにかけたいわけ?」

「そもそも個の重さがそれぞれ違うのに数で天秤にかけるのは確かにおかしい。でも、そればっかりだったら、いつも満足から少し浮いている人たちに不満はまっていかないのかなって不安がある。そしたら、嫉妬しっととか分断の感情ってかないのかな?」

「おう、由美子みたいないい子ちゃんでもそんなこと言うんだ。」

「ブームみたいにそこからはみ出す者が悪者になってしまうのも違うんじゃないかって。ふたをされたようでそれも息がつまるの。アメリカでLGBTQに意を唱えたトゥランプさんが大統領に選ばれたのは、その息のつまった人たちが反乱を起こしたんじゃないかと思う時もある。」

「アメリカ国民がみんなで『いい子を演じてきた』し、演じることに疲れたんじゃないかって・・・こと?」

「だから、もう一度しっかりと確認しなくちゃいけないんだってと思うの。『いい子を演じる』んじゃなくて『本当にいい子』になろうとすることに目を向ける、盲目的もうしんてきな態度を改め、原点に立ち返って冷静に考えてみる必要があるんじゃないかってこと。」


「結局何が言いたい?運動会はどうなった?」

「運動会に限らず、そういう場が残っているのはもしかしたらバランスを自然にとろうとしているのかも。ただしそれでいいと言っているわけではなく、常に見直しながらも窮屈きゅうくつになりすぎないように工夫していく努力を続けなければいけないって。」

み「確かに『言い子を演じる』ことからの脱皮はこの『食べ下手』物語のテーマのひとつかもしれない。でもね、『言い子を演じる』舞台って『家庭が基本』だよね。やっぱ、このふたりの家庭ってなんかゆがんでない?」

「そうだね。コッペこと久野浩平くんちってごちゃごちゃしてて貧乏だけど、なんか二人の家庭と違ってぬくもり(?)がある?浩平くんていつもお腹すかしているのに。可愛そうなんだけど、可愛そうな気がしない。なんか充実してる。」

「んだびょ~ん!とくにコッペが食事作ったりするんでしょ。子だくさんのお母さん(妊娠中)を支え、お父さんも支え、倹約し、貧しいのに、豪華シャンデリアの豪邸とは真逆の狭くてごちゃごちゃしてて・・・なんか違う。生活感があふれまくりなんだけど、その違いってなんだろ?」


「そうだね・・・。うちの母がね、けっこう厳しくて、よくダメ出しをしてくるの。その時の口癖が『子育て四訓。ひとつ乳児の時は、肌身離さず。ふたつ幼児の時は、肌を離して手を離さず。みっつ少年の時は、手を離して目を離さず。よっつ青年の時は、目を離して心を離さず』ということわざでね、由美子はまだ小学生だから目は離せません!だから自分の部屋(個室)は無しって。」

「何が言いたい?」

「葵さんところって、なんか未だ肌身離さずだし、咲子さんのところは小さい頃から野放しだし、なんか違うなって。浩平くんのところって家族の距離感が違うような気がする。お互いが正論で暮らしていないというか・・、お互いを認めて助け合っているのは間違いない。」

「そう言えば、ちょっと違うかもしれないけど、わたし小さい頃ニンジンがめっちゃ苦手でね、特にあの火を通したニンジンのなんともいえない草っぽさはダメだった。ところがある日スバルのCMを見てた父が次の日曜日に共同農園に連れていってね、野菜の種をまいたり苗を植え付けてきたの。それからほぼ毎週その農園に連れて行かれてね、野菜のお世話をしたの。まだ小学校に入る前のことかな。(おかげで2年生の生活科はすごく得意だった)」

「なるほど、お父さんの意図は読めた。そのCM、兄が好きだったから覚えてる!」

「そう。収穫した中に自分で育てたニンジンもあってね、やっぱり食べたいと思った。」

「おいしかったの?」

「まあ、それからも火を通したニンジンとはあまり友好関係は結べなかったけど、隣人くらいにはなった。」

「あは、それ通子のボケ?ニンジンが隣人りんじんかぁ~い、てか?通子的な突っ込みね。」

「(珍しく無視)取れたてのニンジンをスティック状に切ってコップに入れ、氷水で冷やしてね、マヨネーズとケチャップを混ぜたドレッシングで食べたの。それが、これニンジン!?て思うくらいおいしかったの。それ以来、生ニンジンのスティックサラダは大好物になっちゃった。我慢して食べているうちに食べられるようになるなんて絶対あり得ない。葵のママがやってることって『おいしく作ったからおいしいでしょ』ってだけ、『おいしく』食べることとは違う。食事がおいしいって感じるのはむしろ『おいしい』よりも『おいしく』の方が勝っているんだと思う。」



二人の話は続く。

「で、戻るけどクラス対抗の残量調査って始まるんだ。でも、葵って会食恐怖症なんでしょ。会食恐怖症の定義をみて『私、まさにそれだ!』って葵が納得してた。」


つづく・・・

尻切れトンボ感が拭えないのですが、続きではコッペもラマワティちゃんも陰陽師も登場します。その後では再び女村上こと江崎先生も再登場して摂食障害について語る・・・はずです。

ちなみに本日図書館に購入していただいた「とびたて!みんなのドラゴンから難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険~」(オザワ部長著 岩崎書店)をお借りできました。一度学校の図書館でさっと目を通す機会に恵まれたのですが、読みやすい本です・・・でも、感想を書くとなると読み込みが必要。時間がにゃい!

もしお時間があれば、感想をお寄せください。mugiLEOchan@gmail.comです!

(最初、第25章ってあせってボケちゃいました。しれっと直しました。ごめんなさい)

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