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第18章 ぼくの色、見つけた!・・・

『ぼくの色、見つけた!』・・・さすが!!いい作品です!さわやかなホロっがあり、この余韻がたまらないんですよね。

由美子と通子は光の周波数とかというとんでもない方向にいってしまいますが・・・。

第18章 ぼくの色、見つけた!・・・




「ジェンダーのお話かと思ったら、色覚障がい?のお話だね。いずれにしろ、『差別』に関わるお話かな。」

図書室で肩を並べて座り、一冊の本に真剣に目を通している由美子と通子。

「教科書で扱われている作品て短いから、主題がはっきりしているものが多いけど、一冊の本の主題って結構広いと思うんだ。いろいろなテーマが盛り込まれているから、認知心理学の世界じゃ無いけど、読む人によってその作品の主題って決まっていくような気がする。」

「それじゃ、読み終わった時に私と由美子じゃ感想が違うって事だね、ふつうに。」

「だから読書感想文コンクールや読書会って面白いんじゃない?」

「なるほど、複数の視点ね。」

「複数の視点って、何か聞いたことある。」

「由美子にしては意外だね。ピカソだよ。画家の。一枚の絵を複数の視点からみて描くからあんなシュールな絵になるらしいんだけど、私にゃ、分かんないわ。でも、この作品に出てくるゴッホの作品はいくつか分かるし、好き。」

「私もゴッホは知ってる。目に焼き付くというか、印象に残る絵だよね。私も好きだなあ。」

「でもね、由美子、ゴッホの作品って何億円もするみたい。すごいよね。」

「ゴッホのことも調べておく必要があるね。それから薬草とかハーブ。」

「ハーブティー、飲んでみよう。そんな楽しみも読書のひとつだ!」

「もう通子ったら。でも、それ良いアイディアだと思う。」

「保健室の先生にも『色覚障がい』について聞いてみよう。」

「そして、図工の先生にも『色』って聞いてみたい。」

「そうだね。それ大事!」

「・・・。」

「どうした?」

「色って光だよね。」

「はあ?」

「私の父って工学系でしょ。無線工学の勉強をしたっていう中で光の話も出てきたの。」

「いや、無線って電波でしょ。」

「うん。でも、電波も光も仲間なんだって。電磁波っていう区切りの中で、波長が違うものを分けてそう呼ぶって言ってた。」

「電磁波?なんかのロボットアニメみたい。で、波長?もしかして『あの人とは波長が合う』なんてときの?」

「『馬が合う』なんてきっと同じ意味だと思うけど。まあ、『波長』って波の長さで、上がって下がって元の高さに戻るまでに進む長さのことね。ほら、グラフで書くとこう。」

「なるほど。ゆったりのやつもぎゅっと縮まったやつもあるのか。」

「これを定量的に表す時に1秒間に何回繰り返すのかっていうのを使うの。周波数っていうんだけどね。」

「おうぉぅ!周波数って聞いたことがあるよ!CPUの処理速度だね。これは1秒間に何回計算できるかってやつ。同じだぁ!(まぁ正確には違うけど。)」

「へんなところで興奮。」

「いいでしょ。あんたは読書オタク、私はPCオタクなんだから。」

「で、3テラヘルツ(Hz)以上の電磁波を光というの。人が見えるのは405~790テラHzと言われている。」

「?・・・よし!早速図鑑だぁ!図書室で読書会する意味はこれね!すぐ近くに資料があるもん!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なるほど・・・と言いつつ、さっぱり分かんないけど、『周波数による電磁波の分類』っていう図をみると、光ってこれだけ?」

「そう!この幅だね。」

「これだけ?」

「昆虫や動物によっても違うから。」

み「あーーーっ。そうだ!狩猟やってるパパのおじさん、派っ手なオレンジ色の迷彩服着てて、『これ、イノシシとか鹿は分かんないから。ヤツら、白黒の世界に見えるんだから』って言ってたぁ!それだぁ!!!」

「(いや、それってそこまで興奮する事じゃないでしょ)ミツバチとかもね、私たち人間が見えない色を見ているみたいよ。」

「納得!『虹は5色』でもいいんだ!」

「まあ、そこに書いてあるとおり、虹の見え方って世界では違うみたいだから。」

「由美子の言うとおり、光が単に周波数の違いの一部だったら、それもアナログ的な連続でしょ。『赤』とか『緑』とか、そんな単純な世界じゃなくて、『連続的な世界』じゃん!」

「そう。だから『ぼく』にはいろいろな『緑』が見えていたのね。」

「昔むかし、パソコンは256色しか扱えなかった。でも、それがいつのまにか6万色になり、17万色、そして、今や1677万色!」

「さすがPCオタクね。確かに。『ぼく』についても大雑把に見るか、詳細に見るかって違いなのかも知れないけど、大局からみればすごく些細なことなのかも知れない!」

「なるほどね。」

二人の間にぬっと影を落としたのは村上だった。

「先生!いつの間に!それ、ストーカー行為ですよ。」

「いや、普段から『それ』のお前(通子)に言われたくない。」

「で、先生。何か?」

「そういう面から切り込むと『読書感想文コンクール』の意図に合わないというか・・・。」

「ストーカーの通子ですけど、一途がとりえなんですけど。そのどこがが悪いって言うんですか?」

「いや、悪いとは言わない。でもコンクールだから、もう少し・・・。」

「それって、先生の普段の教えと真逆じゃないですか!」

「通子に素直に賛成!」

「・・・・・・・・。ごめん。悪気はない。ただ、コンクールに。」

「それって『結果』のことでしょ!結果に迎合するなんて先生らしくない!結果ってついてくるものでしょ。私たちは『結果』じゃなくて・・・えっ、何だっけ?」

「ワクワク、ドキドキよね。そして、ジーンって時も。打ちのめされて明日大丈夫かなって時もある。」

「そう!由美子といっしょだとなんか世界が広がるというか、醍醐味だって知らされたの!」

「それは分かる。俺も言われればそう教えてきたような気がする。意図的ではないんだがな。でも、現実問題として『波長』の話じゃないだろ。友行との友情、父と母から愛情、、そして夢の追求と現実、祖父母の生き方、・・・劣等感との戦い。最後のは『人より優れた面』っていうのがちょっと、だけど。」

「先生は、もう目を通したんですか?」

「わりいな。教師の特権だ。」

「ズルっ!」

「でも先生。読み終えた時の爽やかな感じとか、幸福感、このまま蒲団に入っていつまでも味わっていたいとか・・・、こんな感じを表現したいんですよね。」

「そうなんだ。この先、お母さんもお父さんも夢をつかんでいくのかなっていう、期待感・・・いや、『継続感』というか、それを感じさせる作品の味というか・・・、それが作品の中のどこなのか、読み解きたい・・・。」

「『説明文』の学習もしつこいけど、『文学作品』の異様な執着って村上ちゃん、独特だもんね。変態教師だよ。」

「それって、最近、最高の褒め言葉のような気がする。それぞれの観点でもっとアドバイスしたいけど、光の周波数が出てくる時点で俺は身を引くしかないと思った。後はお前達次第だな。頑張れ。」

(み:何!邪魔しにきただけぇ!もう♥)

読書はそれなりに。でも感想文は絶滅危惧種になりかけているような気がします。

(少なくとも、皆さんは違いますよね。情を操ることのできる人!)

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