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第17章 全国青少年読書感想文コンクール開始!

他に執筆中の章があったのですが、いよいよ課題図書が発表され、コンクールの火蓋が切られました。

ちょっと緊急的に短い17章を設けました。

今回は2つの図書館から本をお借りしました。しかし、最後のドラゴンはどちらの図書館にも購入されいなかったので、リクエストをあげました。今回は、課題図書のご紹介のみ・・・。

(ぼくの色は一読しましたけど)

第17章 全国青少年読書感想文コンクール開始!




由美子と通子と担任の村上は図書室の入り口に張り出された『全国青少年読書感想文コンクール』のポスターを眺めていた。

「ついに始まったな。」

「課題図書も発表されたましたね。」

「私たちは小学校高学年だからこの4冊ね!」

1)

『ぼくの色、見つけた!』

志津栄子 作  末山りん 絵  講談社  1,650円

2)

『森に帰らなかったカラス』

ジーン・ウィリス 作  山﨑美紀 訳  徳間書店  1,760円

3)

『マナティーがいた夏』

エヴァン・グリフィス 作  多賀谷正子 訳  ほるぷ出版  1,760円

4)

『とびたて!みんなのドラゴン:難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』

オザワ部長 著  岩崎書店  1,650円


「みどころを読むとフィクション、伝記、海外文学、ノンフィクションという分野かな?」

「本の表紙が写真なのは実話ってのは分かる。『とびたて!みんなのドラゴン』はそうよね。」

「他にも面白そうな本があるね。中学年だけど『たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害』とか、中学校の『わたしは食べるのが下手』も。摂食障害は聞いたことがあるけど、『会食恐怖症』って?私たちは給食ってすごく楽しみだけど、クラスメートの中には確かに食べることを我慢している人たちもいる。これも読みたい。あっ、高校の『夜の日記』も。これも読みたい!【みどころ】にはこう書いてあるね。・・・ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。安全を求め旅に出た家族。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。『アンネの日記』をほうふつとさせる傑作・・・。」

「ねえ由美子、村上ちゃん。中学年の部の『ねえねえ、なに見てる?』って【みどころ】をみると・・・同じ場にいても、見ているもの、その見え方は全く違う。食卓を囲む家族の異なる世界を描く、多様性と共感について知るユニークな絵本・・・ってあるけど、これって、この前村上ちゃんと話した『認知心理学』の世界みたい。やっぱり『多様性』が私たちの住む世界の本質みたいだね。」

「で、どうする?通子は自由読書で『スティーブン・スピルバーグ』を書くんじゃなかったっけ?」

「また、自然を装ってしっかりボケようとしている。『スティーブ・ジョブズ』だからね!もう!」

「いやさっきの給食の時間、お昼の放送で『未知との遭遇』や『E・T』の曲が流れていたから。」

「先生、音楽だめだったんじゃない?」

「でも、映画はめちゃくちゃ好きだから、有名な映画音楽はけっこう知っていると思う。」

右手をあごに当てながら腕組みしている由美子を見ながら

「で、結局一周して、どうする?」

「とりあえず学級文庫に課題図書が配られるから読んでみます。」

「私もいっしょに読んでみようかな。その後、村上ちゃんを交えてこの前みたいに・・・。」

「今度は変なことしないだろうな。」

「(謝ったじゃん!)時と場合によるね。」

茶目っ気たっぷりに通子がウィンクする。

「おい。」

「さて何から読む?由美子ぉ。」

「『ぼくの色、見つけた!』かな。王道って感じの作品だし、外国の文学ってちょっと日本の文化と違うから読むのに『リキ』が必要。だから後回しにしたい。それから実話ってそれなりに好きなんだけど、感情移入が激しくなりそうで。しかもALSって難病でしょ。いっしょに読むにはちょっとボロボロの自分をさらけ出すことになりそうで。」

「よし。じゃ『ぼくの色、見つけた!』にしよう。」


県の読書感想文コンクールも廃止された。国語で扱う文学作品は年に3作品程度になっている。学校教育において確かに今まで日本人の短所とされてきた表現に力を入れるのはいいのだけど、文学作品は情操を育むには欠かせないと思うんだがなぁ。『情操』って感情をあやつるって書くんだけど、最近の子がすぐにキレたりするのはそういう作品に触れる機会が少なくなったからかな?




次の日、図書委員会から連絡があり、各学級の図書係が新しい本を受け取りに行った。真新しい本。ブッカー(本の表紙を保護するラミネート)でがっちり補強された表紙。真新しい本のインク?の匂い。そして、ページを開こうとすると開かれることに抵抗を示す前小口。処女だ。何度も読み込むうちにだんだん花切れにあたる部分が柔らかくなって読みやすくなる。それまでは閉じてあんたなんかに読ませるものかとまるで信用してくれないていで押さえていないと閉じてしまうじゃじゃ馬だ。けれど、由美子はあまりそんな経験がない。新品で本を買ってもらえることはあまりない。自分のお小遣いで買うこともあるけど、安い中古の本が多い。図書館という膨大な迷宮では時折、そんな本に出会うこともある。人気ないのかも知れないが、由美子には新鮮でまた楽しい。新大陸を発見するような喜び?なのかもしれない。


早速図書カードに記入して本を借りることにした。通子は別の本を押さえる。感想文を書く子は少ないが、課題図書にハズレはないから、みんなには結構人気なのだ。


お昼休み、教室の外では運動会の応援歌の練習が響いている。『ぼくの色、見つけた!』を手に取った由美子と通子が図書室に向かう。筆記用具と反故紙を束ねて綴じたメモ用紙を持って・・・。

出来れば1作品毎に1章を割いて読書会を開きたいと思っています。お借りした期限は2週間。厳しいですが、頑張ります。延長可能かな。

そのほか、小学校に殴り込みをかけた事件と不登校のミチヒトくんをつなげて書いている章などもありますが、GW前後、とても多忙で執筆出来ていませんでした。ちょっとがんばりたいと思います。

課題図書、みんな読んでみたいのですが・・・時間が。

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