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2 不要な王女を守る盾

 フレデリカは、リエルタ王国の第一王女で、現国王の第一子でもある。

 にも関わらず、王城内での彼女の立場は低かった。

 彼女は、側妃の子なのだ。

 国王と妃のあいだになかなか子ができず、側妃をとった。

 側妃は早くに懐妊し、王女であるフレデリカが誕生。

 第一子の誕生は大いに歓迎されたが、直後に正妃が子を宿し、男の子を生んでから雲行きが変わった。

 数年後には、正妃からもう一人。そちらも男児であった。


 この国では、王になれるのは男児のみ。

 フレデリカはこの国の第一王女であるが、王位継承権はなく、正妃の子でもない。

 国王と正妃のあいだに二人の男児が誕生してからは、フレデリカの立場は危ういものとなった。


 側妃もその娘も必要なかったのではないか。

 権力争いにならないのだから、男の子じゃなかっただけいい。

 フレデリカ様には、別の国に嫁いでもらえばいい。


 表立っては言わないが、貴族も国民も、側妃から生まれた第一王女について、そんな風に話していた。

 当然、その手の話は国王や妃たちの耳にも入っており、彼らは頭を悩ませた。

 複雑な立ち位置ではあるが、フレデリカは家族に愛された姫君だったのだ。


 このままでは、フレデリカは不要な王女として、蔑ろにされてしまう。

 政略結婚の道具とされて、争いの種になる可能性も高い。

 そこで、まだ幼いフレデリカを守るための婚約話が浮上した。

 力のある者と早くに婚約させてしまえば、フレデリカの身に降りかかる危険を、少しでも減らすことができると考えたのだ。


 フレデリカを守る盾として白羽の矢が立ったのは、王家に次ぐ力を持つ公爵家の嫡男、シュトラウス・ストレザン。

 年はフレデリカより7つ上だが、事情を考えればいくらか年上の方が都合もよかった。

 すぐに話がまとまり、二人は正式に婚約者となった。

 以降、フレデリカへの風当たりはずいぶんマシなものになり、シュトラウスもフレデリカを可愛がってくれたものだから、王と妃たちは安心したものだった。


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