来訪者
魔力を限界まで注ぎ込んだ僕はひと休みする 。
自分で有りながらダンジョンコアでも有るため自分で自分に魔力を注ぎつづけるという、不思議な感覚だった。
夜に成るのを待ち外に出る。
やはり太陽の出ていない夜なら大丈夫なようだ。
それどころか少し心地いい。
「夜の眷属てことか」。
目的は何でもいい生き物を連れて帰って洞窟で生きさせるとこ。死体でもいい。ダンジョンに吸収させれば無いよりましだ。
結果収穫は上々だった。
レッサーとはいえバンパイアの目は夜でも問題なく見通し、
多数の獣、それと魔獣の狼五匹確保できた。
これが大きかった。
魔獣はやはり魔力量が違うため確保できる力が全然違う。
ただ全て生け捕りにするのは諦めた。
ただの一本道の洞窟だ。生け捕りにする方が無理があったのだ。
「生け捕りは無理だったけどこの調子なら何とか成るかもしれない」
ダンジョンとダンジョンマスターは一心同体だ。僕も自分で思ってたよりも、焦っていたのかもしれない。
安心した、自分がいた。
一週間が過ぎた頃僕は焦っていた。
取れる獲物の数が少なくなってきたのだ。
今ではバンパイアの特性でコウモリに成って、
探索範囲を広げている。
「今日の獲物はこれだけか。蛇が二匹、猪一匹」。
探索範囲を広げたおかげで獲物は無しには成らないが、
明らかに効率が落ちてる。このままでは後一月位しか持たない。
そんな時に来訪者が来た。コウモリだ。
僕のコウモリの姿を見ていたのか、天敵が減ったのが原因かわからないが、
コウモリの数は日に日に増えていった。
コウモリ達の生命のおかげで何とか一月持ちこたえたが、コウモリ程度の生命力などたかが知れている。
そこで新たな来訪者が来た。コウモリの糞の中に虫がすみ始めたのだ。
そしてその虫を狙ってネズミ等の小型の動物が来始めた。
やっと少し光が見え始めた。
小さな生命力でも数は力だ。
ここでの生活にやっと希望がもて始めた。
まぁ今の難点は糞にまみれないように、コウモリに成って天井にぶら下がってないと行けない所だ。