ダークウルフの残し物
以前ダークウルフの残した、骨と牙を観察する。
魔物の骨は魔力を通す事で特殊な能力を発揮したり、単に順に魔力の相性がいいので魔力で強化しやすい特性がある。
最初は魔力を通して特性を調べる必要があるだろう。
大腿骨の部分、1m無いくらいのサイズの骨を手に取り魔力を流す。
骨全体が少し黒く成りそれ以外の変化は見当たらない。
多分黒くなるのは、影を操るダークウルフの特性がもとだろう。
次に牙に対しても魔力を通す。
牙には分かりやすい、変化があった。
握っていた手の皮を切ったのだ
慌てて手を離し、牙が床に落ちる。
「まさしく、触れれば切れる程の切れ味か」
床の牙の上に垂れた一滴の血を牙が取り込んだように感じた。
もう一度も見たかったが傷はもう治った、そんな事のために痛い思いをするつもりは無い。
「お前はまだ、戦いたかったのか」
骨は何も答えない。
感傷だなこれは。
次は外に出てもう一度骨を試す
魔力を込め木を思っきり骨の先で殴り付ける。
ドン。
凄い音がして木の幹がは弾けた。
「攻撃力上昇と、強度上昇か想像以上の上げ幅だな」
レッサーバンパイの魔力がダークウルフより強いからか。
はたまた死ぬときの思いが何かしらの形で残って強化されるなんて話も聞いたことがある
「プラスで行こう、強くなって悪い事はないしね」
木も大部分は残っているこのままだと勿体無い、倒れた木の枝打ちをして。
木の幹の中身をくり抜いてバケツにする。
残りの部分は先程の牙で削る。
牙は魔力量を間違えなければ皮を切るくらいなので多少の傷は気にせず使って木のスコップにした。
スコップにしたのはやりたいことがあったからなのだが太陽が登ってきので今日はここまでにしよう。
ダンジョンに戻るとゴブリンが水を飲むのに苦労していたので木のバケツを渡す。
現在ゴブリンに出している命令は3つ。
僕に敵対しないこと。
許可なくダンジョンから出ないこと。
ダンジョン内の生物は食べてもいいが食べすぎないこと
これだけだ。
さて今日はこのくらいにして部屋に戻るか。
実は最初に作った部屋を気に入って自室にしている。
伸びをすると関節がポッキとなった
働きすぎないこのくらいの日々がいいなそう思い部屋に入った