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人生で一番ついてない日
「ついてない」。
天気がいいから、町の外で散策してて、珍しい花を見つけそしたら、珍しい蝶が来て、それを追いかけたら美味しい野草が有ったからご馳走だとて夢中になって取っていたら、森のなか。
「どこだよここ」。
木々の隙間から見える太陽は高い遠くには来てないはずだけど、見覚えがない。
地震がおきた。
「こんな時に、本当についてない」。
そして僕の意志は闇に包まれた。
この世界にはダンジョンがある。
地脈の集まる場所で、たまに発生する自然現象。
その中はこの世で有りながら異界。
ダンジョンを制圧して、そこを拠点に国を興した王もいる。
余りに力が強すぎて自分の周りが勝手にダンジョンになる、何て化け物もいるらしい。
そして僕の目の前には宙に浮く光る球が有った。
「凄く綺麗だ」
宙に浮く光る球は、これまで見た何よりも綺麗で、神々しかった。
無意識に手で触れると自分に吸いこまれた。
僕の中に今の状況と光る球の正体の情報が流れ込んできた。
「何てこった、今日は人生で一番ついてない」