私の1ページ_17
「あー、寝不足だ。寝ても寝ても寝たりない。」
起きてきた夫が開口一番に言う。そして食卓に座り、私が用意していた珈琲を飲んだ。私は、おはようと声をかけようと思って開いた口を固く閉じて台所へと再び向かう。
夫は最近帰ってくるのが遅い。仕事が忙しいのだろう。
比較できるようなものではないのだろうけど、私は朝、洗濯機を回して子供のお弁当を作って朝食の準備をして洗濯物を干していた。
夫に労いの言葉をかけるのが良い妻なのかもしれないけれど、このモヤモヤをそのままぶつけないだけ良しとしてほしい。
言葉とともにため息も飲み込む。
あともう少し。
子供達が大学入学で家を出るときに私も一緒に家を出よう。