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日村赫音の零回転生  作者: 白鳥 焼鳥
1/1

序章 転生 1話 「つまらない人生」


「ーーー会える」

声が聞こえた

「ーーーまた会える」

誰だろう

寂寥感を含んだ悲しい声


「ーーーぁだ」

声が聞こえた

「ーーー嫌だよ...消えないで...」

誰だろう

哀願するどこか懐かしい銀鈴の声


「そんなに、悲しい顔で泣くなよ、君らしくない」


「...なんで、そん、なに、優しく笑うの...?」


「ーそれは...君がーー」


その先は聞こえなかった

何も聞こえなかった

何も聞けなかった



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「ドドドドドドド」

目覚まし時計のアラームである

騒がしい太鼓のような

変わったアラーム音だとつくづく思う

それなのに見た目は然も優等生が使っているような黒色の時計

だれだよこんなの作ったやつ

そんな腹立たしい疑問を抱えながら

日村赫音の1日は始まる


「ーーはぁ」

徐ろに部屋を見回す

至ってシンプルな部屋だ

白色の壁紙に肌色の床

4LDKのアパートに住んでいる

一人暮らしの18歳には広すぎるくらいだ

落ち着いた雰囲気のいい部屋


所々に配置された数々の輝かしい金色のトロフィーと

壁一面に貼られた派手派手しい賞状が無ければ


天才だった

天才すぎた


全国〜〜〜大会 優勝


〜〜賞 最優秀賞


これらの文言は飽きるほど見てきた


進学校に通い、常に成績はトップ

高校2年の時には既に大学生レベルの学力だった

そのため、高校中退し、高認を受け、楽に合格

外国の年齢不問という珍しい大学に入学

七ヶ月で卒業した

絵に書いた様な、空想のような優等生


スポーツ面でも他に追随を許さなかった

大概のスポーツは2週間もすればまわりで赫音に勝てる者はいなかった


様々な事に関心な両親の性格と相まって

赫音は様々な知識、技術に精通する人間になっていた


「つまんねぇ」

心の底から吐き出した独り言


傍から見たら最高の人生だろう

だが

赫音本人にしてみれば最高につまらない人生だった

なんせ自分と対等に接してくれる人がいなかったから

赫音の常軌を逸した経歴と能力を知れば当然だ

常にあらゆる人から一目置かれた存在なのだ

今も、これからも


それに今は学生でも無ければ働いてもいなかった

働く必要も無かった

金銭的な面に関しては両親がかなり高い額を生活費として渡してくれたし

それ抜きにしても大学生時代にしていた「アミノ酸発酵微生物」

についての研究資料が卒業時に研究者に買われた時の金がある


「TSUKSYAにでも行こうか」

レンタルビデオ店の名前を口にして

早速着替えて

今は9時40分、遅めの朝食は食パン1枚をなにも調理せずに口に突っ込んで済ませた

靴を履き、玄関を出る

「眩しいすぎる...」

9月上旬、まだまだ日照りの日が多い時期だ

文明の利器、スマートフォンが日照りのせいで画面が全く見えないことに苛立ちながら足を進める

午前中、18歳の青年が財布片手に歩く姿は不登校児と思われてもおかしくない、おまけに今日は平日、バリバリの木曜日である

「あれっ?俺ってNEETだっけ?」

自分でも自身が自宅警備員という人種に属しているかもしれないと

疑問に思ってしまった

「早く着かないかな...」

人目を気にして少し早足で目的地を目指す

幸い家から2キロもしない位近い位置にある店だ

恐らくこのペースだと十分するかしないかだろう


しばらくすると見慣れた看板が見えてきた

夜は黄色と青色と緑色という奇抜な配色が

これでもかと言わんばかりに派手派手しく輝く看板が

まだ明るい、どころか闇の方が少ない午前中には

ただの看板に見えてしまう


「......?」

見慣れた店の入口に黒色のレインコートを着た

男?だろうか、かなり身長が高い

こんなに日照りの日になぜレインコートを来ていた?

予報ではこの後、雨天になるなんて書いていなかった


クスッ


今、笑ったのだろうか...?


(なんだアレ)

内心、不気味に思った

店に入るか迷ったが、そこまで長居することもないと店内に入った


(あまり人がいない...まあ午前中だからなぁ)


赫音がレンタルするものを選び終わるのに5分かからなかった

適当に表紙と題名をみて適当に選んだ


(暇つぶしにはなる...かも)


赫音がレジに行こうと足の向きを変えた瞬間


「おらァ!死にたくなかったらよォ!これにあるだけ金詰め込めや!」


帽子を被った中年の男性が店員に向かって果物ナイフのような

小さな刃物を振り回し

強盗の決まり文句をセリフに怒鳴っていた


(なんだ..あいつ..俺がやれば..刃物を奪って押さえつけれるか.?)


そう考えて男に駆け寄ろうと利き足を踏み込もうとした瞬間


「早くしろやァ!モタモタしてっとぶち殺すッ!」



「ッッッ!!!」

驚いた

強盗に?

いや、全然違う

気付いたから

その強盗の後ろで

さっき店の入口にいた

黒いレインコートの男が立っていたから

これまでのやり取りがどうでも良くなるくらいの

濃密な殺気を放ちながら


「ハハッ!」

笑った


次の瞬間


レインコートの男が動いた

速い


辛うじて見えた

見てしまった

そいつの手に握られていたものが

刺身包丁によく似た、長い刃物

包丁に似ていたが、違かった

用途が、

それは人を殺すために作られたものだ


男が狙ったのは強盗だった


やつの標的が分かったのは

やつが強盗に刃物を突きつけた後だった


血が滴る

さっきまで大声で叫んでいた一つの命の入れ物から


「ハハハッ!」


次の標的は店員だった

近くにいたからすぐに分かった


殺人鬼が明らかな殺意を振り下ろした瞬間


「......ってえな...」


赫音がその刃物を素手で握りしめていた


「...馬鹿だろぉ...お前さァッ!」


「づぁ!」


握りしめていた刃物を思い切り引き抜かれる

当然、手から鮮血が飛び出す

突然の痛みに思わず声が零れる

そして

次は赫音に向けて純粋な殺意が振り下ろされる

速い


普通なら避けられない


赫音は...


避けない

避けられないのではなく

避けなかった


「馬鹿はお前だろ、銃刀法学び直してこい」


次の瞬間

殺人鬼の体が思い切り、とてつもない音を立てて

床に叩きつけられていた


赫音は刃物を振り下ろされる時の力をそのまま自分の力を乗せて

床向けて流動させた


合気道と呼ばれる武術だ


殺人鬼はピクリとも動かない


「手、切れたじゃねえか、ふざけろ、絆創膏買ってくれない?」

そう吐き捨て

倒れた強盗の首筋に指を当てる


「脈は...無い...か」

心臓を一突き、それで絶命していたようだった


「大丈夫...?ですか?」

店員に安否の確認を求める


店員は口をパクパク動かして何かに怯えてるようだった


多分、一度に色々な事が起きたことからのパニック状態だろう


「ぁぁ...う...うし...しろ...」


うまく聞き取れない


「え?」


「後ろっ!」


ざくっ


何か冷たいものが腹部に入り込んだような違和感


入り込んだ?


口から何か熱いものが零れ落ちる


「ぁふ...ぶぁ」


思考が停止する

なにが起こった...


自分の腹部を見てみた


刃物が自分の腹に突き刺さっていた


「はぁ...んぐ...ふぅ...はぁ」


吐息を零すことが精一杯だった


「カスがァ!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」


さっきの殺人鬼の声だ


床に倒れ込む

動けない

立ち上がれない

痛みさえ感じない


死ぬのか…


(なんか...ベタな最期だな)

そんなくだらないことを思う


(それにしても...あの声は...何だったのか?)

最期に思いついた疑問はそれだった

今朝、頭の中に響いたあの声


(なんで俺に聞こえたんだろう)


知りたい、死ねない、死にたくない

そう思った


だから


思いっきり後ろの人物を殴った


人中

そう呼ばれる人体の急所だ

そこをありったけの、最期の力で

殴った


「ぉまえ...まだ...そんな」


それだけ言い残して殺人鬼は倒れた


死にたくないと、生きたいと思って

やった行為だったが

その先は何もなかった


視界が真っ白になる


真っ白になる


視界が消える


そして


何も見えなくなって


「つまん...なかった...なあ」







「そっかー...じゃあさ...次は楽しいといいね」



何も無い

意識があるのかどうかもわからない世界に

一つの声が

聞こえた


そして






「ゃん」


「ーーちゃん」


「にいちゃん?」


は?


「は?」


死んだはずの意識が

消えたはずの視界が

最初に捉えたのは


二足歩行の人言葉を使うトカゲと


一面の青空と


見た事もない洋風のレンガの城だった









「もう一度、初めて見ない?」


そう


頭に響いた


あの声が































はい!皆様!おはようございます!こんにちは!こんばんは! 白鳥 焼鳥です!

こんなポット出作家の小説を読んで頂き誠にありがとうございます!

ここまで見ていただいただけでもう感激です!

もう焼くなり!焼くなり!どうぞ!と言いたいきもちです!

はい!この「日村赫音の零回転生」の第1話は主人公が異世界に転生したところで終わっているんですが、出来ればこの先の展開も見てくれるとありがたいです!とりあえず三週間に1話はだそうかな?とは思っているんですが、投稿日はあまりきめないでゆったりとやって行きたいと思います!

どうかこの先もよろしくお願い致します!


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