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西郷さんがツンを連れてひたすらレベル上げをするようです

 キングサーモンが獲れたら、アラクネさんにあげて糸をもらう。

 神官に霊力を込めて織ってもらい、防具の下張りにする。

 庶民に手の届く防具としては、ボタンエビ、サワガニ、アラクネ布の三層複合装甲は最高らしい。


 水竜の篭手はあきらめた。騎士団レベルの戦闘力がないと倒せないのだ。組合長が教えたのは、藍カマキリを獲って来て欲しいからだった。悪いハゲだった。

 騙すつもりではなく、俺なら獲って来るんじゃないかと思ったらしい。

 黒ジャガもそれを期待して、水竜の本当の強さを黙っていた。


 半年後に王太子の15の誕生日が来る。それまでに手に入れたい。

 オオミズカマキリの変種だから、いくら権力者がダダをこねても、いないものはいない。

 王太子の分くらい取って置けば良さそうなものだが、誕生日の1年以内に獲れるかどうかで運試しも兼ねていた。それ以前にあると判っていると使ってしまう物らしい。


 現在の国王は17代目で、過去に成人式に藍カマが手に入ったのは8人。水竜が来たのは3回だけ。

 宝くじ買えば10億円当るなんてのより酷い。宝くじは本当に必ず誰かには当るのだから。


 オケラで漁が出来れば猟師型冒険者としてはもう上がりで、後はただ金儲けて楽に生きるしかないらしい。

 つまらなくなって人がやらなかった事をやって、死んだり行方不明になるのが定番だったりもする。

 俺には当面、そしてその先にもやる事はある。

 まずはハンドキャノンと対物ライフルを熟練度10にする。そのまま10倍消費技になるか、別の技になるか。別のになれば更にその熟練度を上げられるし、上げなければならない。


 ハンドキャノンは意識的に無駄弾をばらまいたので、早目に10になった。


「リヴォルヴァーカノン!」


 50の霊力を五分割して撃ってみる。さすがにファニングは出来ない。速射砲レベルだが、この威力で五連射の技も魔法もない。

 会員証を確認すると、リヴォルヴァーカノンになっていた。

 これなら、対物ライフルは対戦車砲になる。


 4人がリヴォルヴァーカノンを習得するのに合わせたように、地竜が飛竜を撃つための対空砲「ハードロックロア」の魄が手に入り、アリアドナさんの攻撃力も強化された。


「じゃあ、リスを撃ちに行こうか」


 少しだけ前に進む。そのつもりだったが、飛び回るヒグマはリヴォルヴァーカノンの乱射の前にあっけなく散った。

 ダンジョン入ってボスがどこにいるか判らなくてひたすら雑魚を虐殺して、やっと見つけたボスは瞬殺だった、みたいな。

 危険性を減らすために、しばらくリス狩りをする。リスが減れば餌のニワトリが増える。ニワトリは七面鳥より弱いので、リスさえいなければ、西の森は荒地の奥より近くていい猟場だ。

 リスは大型なのでそれ程数はいない。全部狩っても普通のリスが魔獣化するが、一時的に安全にはなる。


 孤児院の出身者にハンドキャノンと対物ライフルの使い手が出てきて、ニワトリが神殿の定食と孤児院の夕食のメニューに加わった。


 リスが片付いたら、対戦車砲習得のために、ひたすらオケラの洞窟で対物ライフルをぶっぱなす。

 全員がアイテムバッグを持っているので、入れ物には困らない。

 アラクネさんが棲家に泊めてくれるようになっていた。宿泊料はキングサーモン、ボタンエビ、カモのどれか1匹なんだけど。もうナマズは欲しがらない。


 漁港に行くと、コンチータが若いラース族を連れて来る。

 何とかして自分達の知り合いを俺の愛人にしようとするのだが、邪険にも出来ないし、可愛いことは可愛い。


 毎日同じように騒いでいる内に、リタとロレナが15歳になった。

 キングサーモンとボタンエビとカモで祝う。リタは両親に畑を買った。

 娘に小遣いを貰うのは気が引けるが、買ってもらった土地を耕すのは嬉しいようだ。働いていないといられない性分、はここの農民にも少なくない。


 対戦車砲を習得してから、仮想敵を撃つ。角ウサギは二種類いる。荒地奥の草原のジャッカロープの他に西の森の奥の一角のアルミラージだ。

 両方の剥製を領主の館で見せてもらったが、アルミラージはスーパーヘビー級のカンガルーに角をつけて尻尾を丸めた奴だった。

 ジャッカロープは、尻尾の丸い尻のでかいヘラジカ。尻尾が丸けりゃなんでもウサギか。

 比較的弱いアルミラージでも、レベル50以上のパーティーでなければ狩れないが、角の刺突や斬撃の遠距離攻撃を避けながら、直接攻撃するのが一般的だった。魔導師は敏捷性に付いて行けない。


 俺達のレベルは40台前半だが、攻撃力は50以上のはずだ。まず、アルミラージに挑む。

 それまで入ったことのない森の奥は、恐竜時代のようで、巨木の間を巨大なシダが埋めていた。

 木々の間隔が空いているので歩きやすい。それは敏捷性が高く跳躍力のあるアルミラージに、有利なはずだ。アルミラージは巨木を蹴って跳び、上から襲って来る。


 射程ぎりぎりに距離を取り、リヴォルヴァーカノンの斉射でパニックに落とし、ツンとルシアナが木に登って牽制、他の者が対戦車砲で仕留める。その計画だった。

 ツンが見つけ、射程まで忍び寄る。一斉にロードした気配に気付かれた。肉食獣の正面を向いた眼がこちらを睨み付ける。


「撃て!」


 兎も角撃つ。角の刺突の射程は30メートルしかない。しかし、跳躍力を考えると、その程度は一瞬で詰められてしまう。そんなことを考えながらリロードしようとしたら風が吹いた。

 もしかして、レベル上げ過ぎたか?

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