不眠症と過眠症(2)
「泊まって行こうかな…今日金曜日だし。」
夕飯の片付けまで終えて私はお風呂に入ろうとしていた時だった。今までテレビに夢中だったのにいきなりこちらを振り返ったと思ったらこれだ。じゆうきまますぎるだろ。お前は猫か!
「いんじゃないかなーお風呂どうする?あ、一緒に入る?」
と笑うと笑顔でそうしようかなとかいい始めるから驚き。
「ジョークだよ。とりあえずはやく風呂入ってこいよ」
わかったとだけ告げてお風呂に入る。
お風呂ってなんでこんなに幸せなのだろう。思わず歌い出す。
決まって歌うのは恋愛ソング。とくに意味はないけど、こういう歌は歌いやすい。
るんるんで歌いながらお風呂からでる。髪と身体を拭きいつものようにタオル巻く。ドライヤーでみじかい髪を乾かして脱衣所を後にする。
「出たよー」
呑気にリビングにいる奏ちゃんに声をかける。寝ていたのだろう。寝ぼけたこえでうんとだけつぶやく。
「奏くん、いつも言ってるけどさ。」
「タオルだけででてくんな、でしょ?別にいいじゃん。私の家何だから。」
「はいはい。後なんでいつも恋愛ソング歌うの?」
「歌いやすいからだよ。服用いしておくからさっさと入ってきな。」
ん。とだけつぶやき脱衣所に消える姿を見送る。自室に戻り自分の寝間着用ジャージに着替える。
ウォークインクローゼットの隅にある奏ちゃん用の箱を開け、下着とTシャツを取り出す。
いたずら心でロンTでズボンなし。もともとこのロングTシャツは私のものだったので、奏ちゃんには大きく。これは萌えるシュチュエーション期待ですね!
洋服を脱衣所に持っていく。
「服ここに置くからねー」
いつも顔を真っ赤にして出てくるのに今日はそうでなかった。
少し長い髪をガシガシとタオルで拭きながら出てきた。
「お前、いつもいつも…。」
「面白くなーい。ま、いいや。部屋行こー」
見ていたテレビを消して部屋へ向かう。私の後ろをため息をつきながら奏ちゃんがついてくる。
部屋に入るとすぐにクローゼットを開ける奏ちゃん。割と広いクローゼットから私は折りたたみ式ベットを取り出した。
そのあいだにズボンを履き、人のベットに腰をかけてるやつがいた。
「手伝ってよ。」
「え、やだよ。こんなにか弱そうなやつにやらせないでしょ。」
「どこがよ。女子にやらせるのもどうかと思うんだけど?」
はぁとまたため息をつきながら手伝い始める。お前が使うんだからお前がやれよな。
「もうねるー疲れたーおやすみー」
出し終わったばかりのベットにダイブ。そのまま頭まで布団を1度被ってから顔を出す。
「はい、おやすみ。」
それから数分後スースーと寝息が聞こえてきた。いくら寝てもねむい奏ちゃんは寝るのがすごくはやい。
時計を見るとまだ9時少し前。
カバンをあさり英語のノートと教科書を出す。予習しておこうと思った。あ、数学宿題ある気がする。
数時間後。宿題、予習、復習をいつものように終わらせ、そろそろ寝ないとと思い始めた。
「もう、12時…」
机から折りたたみベッドに移動し、奏ちゃんを踏まないように腰をおろした。
「寝顔、やっぱり可愛い。」
ニヤついてしまうのは仕方ないと思う。このモチモチほっぺ。長いまつ毛。ほんとに綺麗な顔。
いくら触っても起きないなんて、どんだけ爆睡してるんだか。
「さ、寝るか。」
電気を消して机とは折りたたみベッドを挟んで反対側にある自分のベッドに向かう。踏まないようにゆっくりと。
布団に潜り寝ようとするが寝られない。
いつものことだ。しょうがない。
目をつぶり何か眠くなるような事を考える。でもいくら考えてもそんなものは浮かばず。出てくるのは奏ちゃん。
自分、どんだけ好きなんだよ。
そのうちうとうとしはじめ、気がついたら朝が来ていた。