姫と王子
自分で言うのもなんだが、私はモテる。女子に。
その辺の男よりはモテる。私自体女の子は割と好きなほうだし悪い話ではない。
「あ、奏くん!おはよう。」
「おはよう。朝から君に会えるなんて運命感じるよ。」
えへへと照れる女の子。そんな女の子を見て私は幸せになる。
そんなことを考えながら教室に入る。すると私を見つけるなり1人の男子が手招きする
「小泉!俺今日数学当たるんだよ!!教えてくれない!?」
なんだ、と思い教科書を見る。
「この式をココに当てはめてから計算する。するとこうなるでしょ?」
ノートの端に計算式を説明しながら書いていく。
「お、わかった!ありがとな!」
そう!このように男子にも嫌われない。
人生うまくやっていってる。
「奏ちゃんおはよー」
奏ちゃんとは同じクラスの子。同じ名前なんだが性別が違う。
私より女らしい男子。奏ちゃんは男子にモテるタイプ。
女子にも人気がある。
「奏ちゃん、部活の助っ人頼んでもいい?サッカーなんだけどね。」
「俺でよければいいよ!」
明るくニコッと笑うその顔は女の子みたいだ。
声は周りの男子よりは高く、女子よりは低い。でもどっちかって言うと男声より。
逆に私の声は、男子よりは高く、周りの女子よりは低い。でも女声よりだ。
そんな私と奏ちゃんは学年で姫と王子なんて言われている。
仲はいい方だし、よく一緒にはいるからわからなくはない。
でも、性別逆転しているようなのが気になる。
それでもいつも、まぁいいかで流している。
これはそんなわたし達の日常話。