表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

マリィちゃんの冒険Ⅰ

お日さまを追いかけていたら大きな壁が見えてきた。

どうしよう。

よじ登っている内にお日さまには逃げられてしまうだろう。

あやつの逃げ足はお姉ちゃん以上だ。


仕方なく壁にそって歩いていくと人の行列があった。

とりあえず並んでみる。


「次い!ってお嬢ちゃん、一人かい?パパかママは」


行列の先にはおっきな扉があって並んでいた人が次々と中に入っていった。


「えっとパパとママは(いっぱい走って来て)遠くにいるから居ないの」


「そ、そうか」


私がそう答えると門の前にいた騎士の人は眉間を手で抑え上を向いた。

鼻血かな?


「ズズ・・・・えっと、身分証、って言っても分からないよな。ギルドに行けばなんとかなるか?でも、手が離せないしな。お嬢ちゃん、ちょっと待ってろ」


「うん!」


そう言うと騎士の人は紙に何かを書いている。

お姉ちゃんと比べると随分汚ない。


「よし。お嬢ちゃん。ここが門で、ここがギルドという所だ。先ずはここに行きなさい。一人で行けるかな?」


「うん!」


「よし!いい子だ」


そう言って騎士の人は私の頭に手を伸ばしてくる。

あ、こうゆうときは、


「ひぃ!ロリコン!!」


男の人が触ろうとしたら怯えた表情でこう言いなさなさい、とお姉ちゃんは言っていた。

騎士の人は手を伸ばした時の表情のまま氷のように固まってしまった。

流石、お姉ちゃん。

今のは氷魔法だったようだ。

私は氷ってしまった騎士の人の脇を通りすぎると、言われた『ギルド』という場所に向かった。





◆◇◆◇◆






紙に書いてある通りに進んでいくとおっきな建物があった。

【ギルド:カシチオール 冒険者達の拠り所。困った際は是非此方で依頼を】

冒険者。

確か旅をする人の殆どがなるお仕事だ。

ご本にそう書いてあった。

よし。

冒険者になろう。


建物にはいるといろんな人で溢れていた。

凄いいっぱい。

お祭りみたいだ。


あれが受け付けだよね。

カウンターの奥に綺麗なお姉さんが座っていた。

あ、目があった。


「こんにちは!」


「こんにちは、えっと、どうしたの?」


「冒険者に成りにきました!」


挨拶は肝心。

元気よく返事を返した。

すると、辺りのざわめきがピタリと止んだ。

どうしたのかな?


「ハッハ。お嬢ちゃん。ここはガキの遊び場じゃねぇんだ。帰んな」


「ふえっ?」


大きな男は私に近づいてくると、服の襟をつかんで持ち上げた。


「おい、オッサン。その汚ない手を放せよ」


「何だと?クソガキィ!」


「息クセエよ」


「ゴフゥ」


大きな男は私を床に捨てると、大きな腕を振り上げた。

シロウトじゃないんだからあんなに溜めを作ったらスキだらけ。

予想通り無防備なお腹にお兄ちゃんの蹴りを一発貰って大きな男は沈んでいった。


「お前も、冒険者ってのは遊びじゃねぇ。これに懲りたら帰れ」


「ううん、大丈夫なの。ありがとう、お兄ちゃん」


「あぁ?」


お兄ちゃんは振り返って私をみると、大きな男と同じ事を言う。

そんなに、危ないのかな?

でも、強くなる為なんだから仕方がない。


「お姉さん、冒険者になります」


「あのね、冒険者と言うのは本当に危険なの。お嬢ちゃんじゃ・・・」


「ううん。大丈夫なの」


「でも」


「何だ、騒がしいな」


「マスター!」


カウンターの奥の扉からなんか凄い人が出てきた。

よくわからないけど、凄いというのはわかる。

その、マスターと呼ばれた凄い人は私の方に向くと、じぃーーと舐めまわすような視線で私を見た。


「マスター、実はこの娘が冒険者に成りたいと・・・」


「いいんじゃねぇか?」


「でも、まだ子どもですし」


「冒険者に成るのに大人も子どもも関係無い」


「ですが・・・」


「いいな?」


「はぃ」


良かった。

冒険者に成れるみたいだ。

お姉さんは奥に戻っていくマスターの背中を見ながら溜め息をつくと渋々というように、私に向き直った。


「本当に危険なんだからね」


「はい!」


「分かってるのかしら?じゃあこの紙に、文字は書ける」


「うん!お姉ちゃんに教えてもらったから」


「(お姉ちゃん・・・冒険者は危険だってなんで教えなかったのよぉ)そう、じゃあお名前を書いてね。特技や得意な武器いわゆるプロフィールね。それも一緒にお願い」


「うん!」


【マリィ 特技:ぱんち 武器:うで】


「・・・・・・・・・・・・・・・うん。ありがと。冒険者カード作るから待っててね」


そう元気なく言い残し、お姉さんはなんだか疲れた様子で奥に行った。


「結局成っちまったな」


振り返るとお兄ちゃんが立っていた。

まだ居たんだ。


「まぁ、成った者は仕方ないな。今から仲間だ」


そう言ってお兄ちゃんは私の頭に手を伸ばした。

あ、


「ひぃ!ロリコン!!」


そう言うと、お兄ちゃんは固まった。


お姉ちゃん。

凄いね、これ。





◆◇◆◇◆【視点変更 マリィちゃん→記憶喪失者A】

(話結合 2014/2/26)





瞳を開く。

広がるばかりの赤い空。

ここはどこだ。

というか、記憶が無い。無い。私は誰?

私?俺?僕?アイイッヒジュイオジョエゥヤーウォ?

分からない。解らない。判らない。

何処かに記憶を落としたか?

自分はドジっ子だったのか?

…ま、いっか。

自分の記憶あっても無くても、どちらにしろやる事は変わらない気がする。


グォオルルグァアアァァァアァァアァ!!


目の前の巨体。

自分の十数倍の体積を持つそれは自分に焦点を合わせると咆哮を上げる。

危険。

記憶の無い、自身でもそれくらいの事は分かる。

な、何か打開策は!

ん?こ、これは政権イプスカイリパー!

そう思い、傍に落ちていた木の枝を拾うと、大きく振りかぶり思いっきり殴りつけた。

折れる枝。

巨体は微動だにしない。


「…何やってんだろ。馬鹿なの?死ぬの?」


言ってる場合ではない。

逃げないと。

始まって早々終わりなんて冗談じゃない。


後ろの化け物は木々を薙ぎ倒しながら追い掛けてくる。

あの巨体でこのスピード。

重力完全無視である。


「っと、ゲフッ!!」


ズサァァーと勢いよくヘッドスライディングしていく。

ヤバい、木の根っこにつまづいた。

もう終わりなのか。


身体を反転させるが、化け物は目とはなの先。

顔だけで自分位はある。


あぁ、痛い。超痛い。

身体中ヒリヒリする。

何で?

ギャグパートじゃなかったのだろうか。


ゴァアァアアァ!


化け物は息を大きく吸う。

あぁ、分かる。わかるよ。

ミディアムがいいんだよね。

おなか、壊しちゃうもんね。

自分は覚悟を決める。

さらば、愛しのゲイリー・ムーア。

…誰だ。


「・・・火加減誤ると焦げちまうぜ。気を付けな」


最早、カラ元気というモノだ。

自暴自棄に言葉を放って静かに目を瞑る。


ドフ!ドオォォオオォン!!!


鈍い肉のめり込む音に、巨大な質量の落ちる音。

自分の死の音ではない。

おそるおそる目を開ける。

そこには、息絶え崩れ落ちる巨体と、


「私はマリィ!!旅人です」


無い胸を誇らしげにはる幼女がいた。


「大丈夫だった?…ウサギさん」


そう言って幼女、マリィちゃんは手を伸ばす。

無意識に心臓が高鳴る。

その自信に満ちた表情は自分の不安を吹き飛ばすのに充分だった。


・・・・・・・・・・・・逆じゃね?





◆◇◆◇◆【視点変更 THE lost memory→マリィ】





冒険者カードを貰った後受付のお姉さんから簡単な説明を

うけた。


「クエストを受けるなら、あっちのボードの中から、受けたいクエストの紙を取って、書いてある依頼を行って下さい。

紙を取った瞬間、契約が成立したことに成るから気を付けてね。

クエスト終わって依頼人がいるならサインを、

ギルド依頼の、例えば討伐クエストなら証拠部位を持ってここまできてね。

それがないと報酬あげられないから」


「うん、わかった!」


そう言って私は早速ボードの前に走った。

あ、ドラゴン!

これにしよ。

パッと見たとき一番に目に飛び込んできたドラゴンという文字に私は紙を引きちぎった。

『生き急ぎなさい。どの道、人生は短い byアリサお姉ちゃん』

私は紙を握りしめとびたした。


「あ、それと、クエストのボートによってランク、難易度が設定されてるの。マリィちゃんならDランクのクエストからかな。

ってマスター、マリィちゃんは?」


「あそこから紙を引きちぎって出ていった」


「・・・Bランクよね」


「アースドラゴン討伐って書いてあったな」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





◆◇◆◇◆





「よう、お嬢ちゃん。大丈夫だったか?」


「あ、ロリコンのおじさん。うん、大丈夫だったよ(何が大丈夫なのかわからないけど)」


門に近付くと入った時に話したおじさんが声をかけてきた。

私が返事をすると辺りがざわめいた。

「ロリコン?」「そういえばそんな顔をしている気が・・・」「大丈夫か、あの子」「嫌ね、これからあの門、通るのに…。遠回りして西門から入ろうかしら」「あのおじちゃんろりこんなのー?」「し!見ちゃいけません」


「じゃあまたね、ロリコンのおじさん」


「ま、まて、俺はロリコンじゃ・・・」


後ろでおじさんが何か言っていたがよく聞こえなかった。

どうでもいい。


目的地はここから西。

西はお日様の落ちる方だよね。

あっちか・・・。

逆の門から出ちゃったけどいいや。

兎に角走ろう。




◆◇◆◇◆





目的地に到着。

ココに違いない。間違いない。

薄暗く、じめじめとした空気に心が踊る。

そんなとき、森の奥から何かの叫び声が聞こえた。

ドラゴンだろうか?

そうだったら運が良い。


逃げられる前に急いで声の元に向かう。


「・・・」


そこに、いたのは確かにドラゴンだった。

ウサギさんをおいかけているドラゴン。

正確にはウサギさん(?)の耳を付けた人間を追い掛けている。

自分を餌に扮して追い掛けられる斬新な遊びだろうか?

余り楽しそうではない。


顔は中世的で髪は肩くらい。


「あ、転んだ」


逃げていたウサギさんが転ぶ。

ドラゴンはウサギさんを見下ろすと大きく息を吸う。

チャンスだ。

生き物は獲物を仕留める時無防備になる。

今がその時だ。

私は一足でドラゴンの懐に潜り込み大地を踏み締めた。

勢いは殺さず全て相手に。


ドゴオォオォオオォ!


見た目は無傷だけど内蔵はグチャグチャのハズだ。


呆けたように私を見上げるウサギさん。

取り合えず自己紹介しないと。


「私はマリィ。旅人です」


地面にへたりこんだウサギさんに手を伸ばす。


「大丈夫だった?ウサギさん」


「ん、あぁ。ありがとう、えっとマリィさん」


マリィさん・・・。

生まれて初めて、さん付けで呼ばれた。

何となく、この人は存在的に私の下っぽい。

そう、私の直感が告げた。


「何でウサギさんはドラゴンに追いかけられてたの?」


「…ウサギさん?」


「あたまのとこ」


「あぁ…。ほんとだ。…ん?取れぬ?」


取れない?

飾りじゃないのだろうか?

ということは、魔属さんかな。

私は、ウサギさんの頭についているウサギ耳をつかむと思いっきり引っ張る。


「イタ!イタタタタタ!!」


涙目で頭を押さえる、ウサギさん。

ちょっと間抜けっぽくてゾクゾクして背筋が震えた。

よくわからないけど、嫌がるお姉ちゃんの口に無理やりお薬を詰めた時の感じに似ている。


「えっと、ウサギさんの名前は何ですか?」


「あぁ、うーん。忘れちゃった」


てへ、と笑いながら首を傾ける。

私でも忘れたことが無いのに。


「あはは。ウサギさんマヌケなんだね!」


「はは、そうかも」


「じゃあ、私が付けてあげるね。えっと…ダイダロス!」


「え…。何となく分不相応な気が…」


「だめ?」


「いや、別にいいんだけど…」


「じゃあダイダロスね!宜しく、ダイダロス!!じゃあダイダロスは私の部下ね」


「え、部下?」


「え?ヤダ?」


「んゃ、いいけど」


「じゃあ、はいコレ!」


「え?」


私は背中にかけていた袋からお姉ちゃんに貰ったカチューシャを渡した。

これが、あれば耳の飾りに見える。

ダイダロスは悪い魔族には見えないけど、お姉ちゃんは人間と魔族が今喧嘩中って言ってた。

だから、バレたらきっと苛められちゃうと思う。

それは可哀想だ。

私の部下なんだから私が守るのだ。


「団員の証!付けないと"ちょうしんちゅう"ね」


「ちょうしんちゅう?」


「お姉ちゃんに教わった必殺技。ドラゴン倒したやつ」


「・・・それは、やだな」


そう言ってダイダロスは笑うとカチューシャを付けた。





◆◇◆◇◆【視点変更 マリィ→受付嬢】





「ただいまー」


「マリィちゃん!!」


マリィちゃんが出ていってから日が落ちて朝になり今は夕刻(ユウコク)

約一日が経過していた。


その、元気な声と可愛らしい姿が見えたとき安心感から立場を忘れて駆け寄ってしまった。

しかし、仕方ない。

本当に心配したのだ。


「大丈夫だった?怪我はない?」


「うん、大丈夫だよ」


私はその言葉に抱き締めようとしたがマリィちゃんの後からついてくるように入ってきた人物に気付き寸でのところで止めた。

身長は160cm位か。

ダボダボの膝まで届くようなシャツに隠れるようなズボン。

特徴的なのはウサギ耳のついたカチューシャか。

似合って無くはないと思う。


驚くべきなのは、その人物が引きずっている台車だ。

その上には、確かマリィちゃんが持っていった討伐依頼モンスター、『アースドラゴン』の頭部が乗っていた。

傷が無いところを見ると短い時間で仕留めたのだろう。

常識的に考えてマリィちゃんがアースドラゴンと戦えるハズがない。

ならば、この人が単独で討伐したのだろうか。


「マリィちゃん、この人は?」


「ん、えっとね。ダイダロス(笑)!」


ダイダロス(ウサ耳)…。

勇ましい名前なのに外見からは全く勇ましさを感じない。

どちらかと言ったらコニーリョって感じだ。


「ドラゴン探してたら森に居たの」


「このドラゴンは二人で倒したの?」


「そうだよ!(ダイダロス囮にして倒したから)二人で倒したの!」


二人で倒した。

他にいなかったということは、実質ダイダロスさんがマリィちゃんを守りながら討伐したのだろう。

可愛らしい外見に似合わずダイダロスなのだろうか?


「そうですか。あのダイダロスさん」


キョロキョロとギルド内を見渡していた(何か珍しいのだろうか)ダイダロスさんに声をかける。


「んぇ?なんです?」


「ダイダロスさんは身分を証明するモノはお持ちですか?」


「あぁ、身分証明書があったか。持ってるかな?・・・・・・え~と、ないみたい。ごめんね」


ごそごそとシャツを捲りズボンのポケットをまさぐる。

なんかエッチぃ。

どうでも良いですか。

そんな事よりも、


「いえ、謝る必用はありませんが。"ないみたい"とはどうゆうことでしょう?」


「あぁ、自分、記憶がないんだ」


「え、ですがダイダロスと」


「それはね、マリィさんに付けて貰ったんだ。ちょっと気後れするけするんだけどね」


コレはマリィちゃんが付けたのか。

マリィちゃんのセンスって・・・。


「なるほど。言葉が通じるということはサンマーリンの人なのかしら?」


「サンマーリン?」


「この国の名前よ」


「う~ん?そうかも知れないし違うかも知れない。言葉はマリィさんに合わせたんだ」


「え、どういう事ですか?」


「えっと例えば・・・"Хороша Маша, да не наша."。今何言ったかわかります?」


マーシャくらいしかわからなかった。

私は素直に首をふる。


「でしょう?自分の中に色んな言葉があるから、どれが自分の国の言葉なのかわからないんだよ」


「なるほど。因みに今の言葉を訳すと?」


「素敵なマーシャ。けど他人」


マーシャって誰だ。


「・・・どういう意味ですか?」


「さあ。適当に言っただけだから」


「・・・なるほど。

ところでダイダロスさんは今後どうなさるおつもりです?特に目的が無いのでしたら、冒険者登録をなさるのはどうでしょう?

身分証明の代わりに成りますし今後役に立つと思います。記憶がないと大変でしょうがダイダロスさんなら大丈夫だと思いますよ」


何がなるほどなのか私自信もさっぱりだが、話を一気に捲し立てる。

単独で子供を守りながらドラゴンを討伐するような人間だ。

こんな人材、逃したくはない。

それに軍にだけは取られたくない。

そんな思惑とは露知らずダイダロスさんは「あ、じゃ、おねがいします」と答えた。


「あ!ダイダロス、冒険者になるの?じゃあ、お姉ちゃん、私とパーティの登録もおねがいします!」


話を聞いていたマリィちゃんが声を上げる。


「よろしいのですか?」


子供の面倒を見ながら冒険者として活動するのは大変だ。

確かに私としてはマリィちゃんの側に強い方がいて面倒を見てくれるなら安心出来るのだが。


「うん!ダイダロスは私の部下だから、私がめんどう見てあげるの!」


マリィちゃんが答えるのか!

さすが、子供だ。

なんでも自分の部下にしてしまう。

恐いもの知らずとはこの事。


「部下、ですか?」


「あぁ、うん。確か森で部下にしてくれたんだよね?」


「そうだよ!ダイダロスは1号なの!」


1号とは・・・。

何人部下をつくるつもりなのか。

マリィちゃんは留まる事を知らない。


それにしてもダイダロスさんは・・・。

怒るどころか、柔らかく笑いながらマリィちゃんに付き合っている。

いい人なんだな。

もしかしたら、いいコンビかもしれない。

それなら、マリィちゃんをダイダロスさんに任せてもいいかも。


「では、アースドラゴンの報酬の受け渡しと一緒にダイダロスさんの冒険者登録とパーティの登録をするので少々お待ちください。あ、パーティ名はありますか?」


「う~ん。じゃあ、アリサお姉ちゃん団で」


「・・・アリサお姉ちゃん団ですか。ちょっと語呂が悪いですね」


パーティにいない人の名前を入れるのか。

マリィちゃん、センス。


「えー!?じゃあアリサゴッド団!」


お姉ちゃんは終に神に成ったか。

顔も知らないけどちょっと同情してしまう。


頼みのダイダロスさんはギルドの水晶でリフティングをしている。

何やってンだ!あの人!!


「何やっているんですか!!」


そう言って、ダイダロスさんが水晶を蹴りあげて空中に浮かんでいるところを奪い取った。


「えっと、なんかコレを見てたら蹴りたくなっちゃって。多分記憶が無くなる前はコレを蹴る仕事をしてたんだと思う」


どんな仕事だ。

確かに器用ですが。

この人、良くも悪くもマイペースだ。


「・・・そんな仕事ありませんから。アリサ団で登録してきますので、じっとしていて下さいね?」


「「ハーイ」」


並んでいる姿は親子・・・いや、姉妹みたいだ。






マリィちゃんは称号:紳士氷結(ジェントルマングラシエータ)を得た。

カシチオール【意味:ともしび】


※2014/2/3題名変更【Ⅱ→Ⅰ】

※2014/2/26話結合

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ