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双子奏愛!

作者: pinocchio

「初めての作品がこんなんで大丈夫か?」

「大丈夫じゃない、問題だ。」


~日依side~


あたし、月島日依(つきしまひより)には双子の弟がいる。


名前は月島日景(つきしまひかげ)


長いまつ毛に大きな瞳、薄く色づいた頬に薄い唇。

日焼けという文字を知らなさそうなほど雪のごとく透き通った肌。

女のあたしよりも女らしいのではないかと思うほど細い身体。


そして、子鳥のさえずりのように澄んだ声から繰り出される、相手の心を的確にえぐる皮肉、暴言の数々。それがあたしの弟、月島日景を説明するにおいて欠かせないワードだ。


そう我が麗しの弟はとんでもなく口が悪いのだ。


二年ほど前の話だ、ある日街に出かけていた日景は見た目に騙された軽薄そうなナンパ男に絡まれたことがあった。日景はそれを追い払おうとはせず、むしろナンパされたのをいいことにここぞとばかりに自分の見た目を利用し、男の財布、銀行、ATMの中に入っていた全額を引き出させて、様々な店で男に奢らせ、ついには全額使い果たした男に対し、


「もう限界かな?

まぁ結構あった方だね……。

あれ、まだいたの?ボクは最初から君のことは財布としてしか見てなかったんだよ。

金の入ってない財布なんて邪魔なだけだよ?

早く消えなよ、ロリコンさん」


と、愛らしい口に冷酷な笑みを浮かべて言い放ったそうだ。


まぁ今の一つだけに限らず様々な武勇伝とも呼べる逸話がある日景だが、高校二年の今、周囲から避けられたり嫌われたりなどは一切しておらず、むしろ他学年や教師陣、一部特殊な性癖を持つ紳士たちをも巻き込んだファンクラブがあるほど人気らしい。


ちなみに同じ見た目であるのにあたしのファンクラブがあるといった話は聞いたことがない。

……べ、別に負けたなんて思ったりしてないぞ?

悔しくなんてないんだからな?


と、とにかく話を続けると、そんな可憐で毒舌で超美少女な弟は現在、一着しかないあたしの制服を着て平然と授業を受けている最中だ。


ちなみにあたしの方はというと弟の制服に身を包んでいる。

もちろん、身体が入れ替わるなんて漫画みたいなことが起こったわけじゃない。

朝起きたらあたしの部屋に掛けてあった制服がなくなってて、かわりに日景の普段着ている男子用の制服がかけてあったのだ。

すぐに家の中を探し回ったけど、あたしの制服も、日景も、全く見つからなかった。

学校を休むわけにもいかないから仕方なく弟の制服を着てくるしかなかった、ということだ。


確かに顔はほとんど同じで見分けがつかない、とは良く言われるがここまで大胆なことをしてるとバレるんじゃないかとさっきから冷や汗が止まらない。

授業に至っては集中して勉強などできるはずもないのでほとんど聞き流している。


とにかく今は早く学校から帰りたい、それしか頭にない。

早く!早く家に帰して!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~日景side~


ボクは今、自分の失敗を猛烈に悔やんでいる……。


どうして、どうしてボクは……スカートの下に短パンを履くなどの風対策をしなかったんだっ!

スカートの防御力の低さを甘く見ていた……。


あ、どーも、月島日景です。

女の子の服ってなんでこんなにスースーするの?

特にスカートなんかただの筒って何かの漫画で言ってたけどまさしくその通りだと思うよ。


やっぱ女の子の服は遠くから眺める方がいいかな。

まぁ別に女装が嫌いなわけじゃない、むしろ好きかな。

休日にファッション雑誌に載ってた服装を丸パクリして街に出かければ見事にバカな男とかが引っかかって色々買ってくれるからね。

さすがに多少の罪悪感は残るけど。


でも、日依姉の服を着てきたのは今回が初めてだ。

意外とバレないもんなんだね、こういうのって。

というか先から胸の辺りになんか圧迫感があるんだけど、ひょっとして日依姉は男のボクよりも胸が小さいのかな?

……だとしたらなんかごめんね、日依姉。


ちなみに、なんで入れ替わり(こんなこと)をやったかというと、別に深い理由なんかない。

あえて言うなら前から一回やってみたかったからかな。


(キーンコーンカーンコーン)

よし、授業終わったし、図書室にでも行こ


「日か、日依姉さん!ちょっとこ、来てくれないかな?」


おっと、噂をすれば日依姉だ。

日依姉は演技はあまり上手くないみたいだね。

休みの日にでも演劇部仕込みのボクの演技を教えてあげるとしよう。


「あら、どうしたの日景?あたしに何か用?」

「うん、大事な用だから!早く来て!」


そう言いながら足早に教室から出る日依姉。

とりあえず、ボクも日依姉の後をついていく。


「で?一体どこまで行くのかしら?」

「屋上、あとあたしの真似するのもうやめろ!無駄に上手くて腹が立つ!」

「あら、上手いだなんて照れるじゃない?」

「褒めてない!ドッペルゲンガー見てる気分よ!」


そうこう言っているうちに屋上に出てきた。

それと同時に日依姉からの尋問。


「それで、なんであんたはあたしの制服を着てるのかしら、日景?」

「う、うわー、今気づいたー、これは一体どういうことだー」

「猿芝居はいいから、理由と謝罪!」

「そこに姉の制服があったから」

「登山家か!」

「反省はしていないけど後悔はしている」

「あんた謝る気ないわよね!?」

「だってまだ誰も気づいてないでしょ?バレたらその時に謝るよ」

「そのときってバレてからじゃ遅いんだけど」

「それよりも日依姉、聞きたいことあるんだけど」

「……それよりもって、あんたねぇ…」

「ダメ?」

「…まぁいいわ、何よ?」


そこでボクは先からずっと感じていることについて尋ねてみた。


「日依姉ってさ、ボクよりも胸小さいんだね?」

「喧嘩なら買うわよ」

「違うよ、だってなんか胸のとこがキツいんだもん」


今だってまだ息苦しいしね、圧迫されて。


「なんで男なのに胸がキツくなるの!?」

「そりゃもちろん日依姉がAAAの超貧乳だからでしょ、ボクはAAくらいあるみたいだけど」

「もうちょっとあるわよ!……それにしても」


ため息をつきながら何かを諦めたように日依姉がこちらを見てくる。


「本当になんでそう口も性格も悪いのかしら、あんたって……」

「今さらだね。姉さんの胸が絶壁なのも、ボクの口が悪いのも、呼吸をしないと死ぬくらい当然のことじゃない?」

「はぁ…もういいわ、口ではあんたに勝てそうもないわね」

「まぁ、ボクに口喧嘩で勝つなんて姉さんの胸がBカップを超えるくらい難しいことだから仕方ないよ」


実際、小学校2年生くらいから今まで口喧嘩で負けたことなんかないし。


「なぜ降参したのにあたしは追い討ちをかけられてるのかしら?」


半分涙目でこちらを睨む日依姉さん。

……かわいいな。


「ああ、ごめんつい癖で」

「癖でトドメを刺さないで欲しいんだけど……」

「これからは気をつけるよ」

「ぜひ、そうして」


ふう、ちょっと冷え込んできたな。

もう秋も終わりだし風邪引かないようにしないといけないな。


「日依姉、もうそろそろ戻らない?」

「そうね、寒くなってきたしそうしましょうか」

「かわいい弟が風邪をひかないうちにね」

「実際に見た目はかわいいから言い返せないのが悔しいわね」

「日依姉もかわいいよ、僕の次に」

「……」

「どうしたの?そんな微妙な顔して」

「…何でもないわ、早く戻りましょう、かわいい弟が風邪をひくといけないわ」

「あはは、ありがとう日依姉」

……………

………

……

そんな他愛もない会話をしながら教室へとボクたちは戻った。



すさまじく中途半端なオチです、ごめんなさい(泣)

しかし、これ以上伸ばすと際限なくやっちゃいそうで連載した方がいい長さになってしまうと思ったので第1部、完ッ!とさせて頂きます。

m(__)mすみません


感想、批評等お待ちしております。

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