エピソード6 告白 <NaoTo Part>
僕は少なくとも3つの 早急に解決しなければならない課題を抱えていた。
まず一つ目、
どうやら僕は6畳一間のアパートで幽霊と同居しているらしい。
妹(正確には従妹)には幽霊を見る能力があるらしい。
直子の話によれば、この部屋には少なくとも3人の幽霊がたむろしているらしい。
更に直子によれば、幽霊なんて何時でも何処にでも居るから今更意識したって仕方無いらしい。
特段幽霊たちが何か僕に悪さを仕掛けてくる訳では無いのだが、気持ち悪い事に変わりは無い。
二つ目、
どうやら、妹(正確には従妹)には僕の匂いだか、エキスだか が必要らしい。
僕には何にもしない幽霊達だが、霊能力を持った直子には色々と嫌がらせをしてくるらしい。
直子は幽霊に触れられると身体が痺れて動けなくなったり、酷い時には幽体離脱して昏睡状態に陥ってしまうらしい。
しかし直子によれば、僕自身や僕の匂いが染み付いたモノに触れていれば、幽霊は直子に干渉できなくなるらしい。
だから定期的に僕の匂いを直子にマーキングしなければならないのだが、問題はどうやってそれを実行するかという事だ。
そして三つ目、
どうやら、というか初めて出会った時から僕は妹(正確には従妹)が欲しくて堪らないらしい。
何時でも直子の事を抱きしめたい、キスしたい、更にもっと隅々の奥深くまで五感全てで感じ合いたいと思っている…らしい。
しかし、これ迄 真面目に恋愛に取り組んでこなかったものだから、この気持ちが単に性欲なのか 純粋な愛情なのかが分からない…らしい。
にもかかわらず、直子は無防備に僕に接触密着し、無警戒に僕の匂いやらエキスやらの供給を要求する。
僕が自分を抑え切れなくなって妹を傷つけてしまうのは、もはや時間の問題と思われた。
木曜日の朝
直子は当たり前の様に僕の布団に潜り込み、冬眠中の齧歯動物のごとく丸まっている。
僕はなんとか自分の昂ぶりを鎮めようとするのだが、六畳一間では逃げ場も無く、トイレには若布頭の幽霊が居るらしいから、落ち着いて何を何する気分にもなれない。
僕はこれほど血液のやり場に四苦八苦したのは初めてだった。 …幻聴が聞こえはじめている。
僕、これまで良く頑張ったよね、…もう、仕方ないよね、
喉の奥から、何かが出てきたくてウズウズしている。
僕は、そーっと直子のパジャマの襟元を手繰り寄せてみる。
未だ慎ましやかな膨らみの 健気な谷間から、甘くて美味しそうな匂いが立ち込めてくる。
僕は生唾を飲み込む…
…気が付くと、直子が怖い顔で睨んでいる。 何故? 何時の間に目を覚ます??
直子:「お兄ちゃん、何処見てるの、というか何処に手を入れようとしてたの?」
直子:「兄妹でエッチなんて有り得ないんだからね!」
直人:「あうぅ…」
いや、有り得ないのはお前の方だって、こんな状況下で何もしないでいろという方が自然の摂理に反している。
直子:「お兄ちゃんには、お仕置きが必要な様ね、」
そういうと、直子は僕のパジャマの下に手を差し込んで直接地肌の脇の下に触れる。
直人:「くすぐったいよ、それに何で僕は駄目で、お前は良いんだよ。」
直子:「これは罰なんだから、…我慢しなさい。」
直子:「こちょこちょこちょ」
それ程くすぐったい訳ではないが、何だか苛められてる様な 情け無い気分になってくる。
直人:「はぁ~~」
直子「こちょこちょ」
直人:「こら! やめ!!、 こら、駄目…止めてぇ、 …こらあぁ!!!」
直子が、僕の乳首をじかに摘む…
僕は、泣く…
直人:「絶対今晩やり返す、それか一緒に寝てやんない。」
直子:「ああー、お兄ちゃんの嘘つき、 いつでも一緒に居てくれるって言ったじゃない、」
直人:「じゃあ、やり返す。」
直子:「妹の乳首摘んで嬉しいの? お兄ちゃんって思ってた以上に鬼畜ね。」
その台詞 そっくりそのまま返してやる!
僕はそそくさと制服に着替える。
もう、イチイチ 冷血妹の視線など気にしていられない。
直人:「先 学校行って来る。」
直子:「ご飯食べて行かないの?」
直人:「良い、要らない、」
直子:「ちょっと待って、」
直子、照れてる
直子:「今日の午前中の分、頂戴?」
直人:「頂戴…って、もしかしてパンツ?」
直子:「パンツもう良い、何か汚い気がするから…」
酷い言われようだ…
直人:「じゃあ、もしかして、毛?」
直子:「要らない、そんなものどうやって持ち歩けって言うの? お兄ちゃん変態?」
いや、誰も好き好んで言ってる訳じゃない。
直人:「…じゃあ、どうするのさ。」
直子:「キスして、というか、唾液頂戴。」
誰が聞いても、お前の方が変態だぞ…
…口の中がこそばゆくなる。
直子:「昨日、お兄ちゃんにキスしてもらって分かったの、お兄ちゃんの唾液って、毛よりもパンツよりも もっと強烈な退魔効果が有るのよ! 何だかこう 体中がパーって温かくなって光に包まれてるみたい。」
直子:「しかもキスするだけだから充填が簡単でしょ。」
赤面、でもまあ、仕方ないか。
そう、これは仕方の無い行為なのだ…
僕は、妹の背中に手を回す。
直子:「まって待って! まずは 歯を磨いてきてよ。 欲しいのは唾液であって、歯垢はいらないから…。」
何だか、納得が行かない気がするが、仕方なく僕は神妙に歯を磨く。
この風呂場に幽霊が居るのか… そう考えるとちょっと背筋が寒くなる。
…これからシャンプーする時、どうすりゃいいって言うんだよ。
それで、玄関でディープキス。
直子が僕の背中に腕を回す。柔らかな直子の身体が密着する。舌と舌が絡み合って擦れ合う。
当然、僕のもやもやは一気に臨界点を突破する。
直子:「もっと、唾出してよぉ。」
直人:「緊張して口の中カラカラなんだよ。」
うっとりと潤んだ瞳で直子が要求する。
ぼーっとした目で僕は妹を見つめる。
二人とも息が荒い、
今日は、学校休もうかな…それで…
直子:「お兄ちゃん! お尻触ってる、 もう、本当にエッチなんだから…」
一度こいつの頭の中を見てみたい衝動に駆られる。
こんなに濃厚なキスをしたら、むらむらシタッテしょうがないじゃないか!
まあ、こいつにとって僕は 恋愛とかセックスの対象ではなくて、退魔エキスの供給源くらいにしか考えていないのだろう。
溜息…
直人:「はあ、 …じゃあ、行って来る。」
直子:「後で、お弁当届けてあげる。」
僕が街中で犯罪を犯したら、直子の所為だからな…
昼休み、
仁美:「直人、ちょっと弛んでるんじゃない?」
午前の授業中 あからさまに睡眠していた僕を 委員長が激しく叱責する。
直人:「やあ、 昨日はどうも…」
昨日の今日だから、やっぱり気まずい、
仁美も よく話しかけて来られるよな…
仁美:「バイト続けるんでしょ。」
直人:「ああ、是非、」
仁美は、ちょっとほっとした表情で僕の机の上に腰掛ける。
少し早目の夏スカートに包まれた太腿から、防虫剤?の匂い?
仁美:「じゃあ、ちゃんと来なさいよね、今日から。」
直人:「仁美、」
名前を呼ばれて、テレながらも満更でもない表情…
仁美:「何よ…」
直人:「触って良い?」
仁美:「…」
僕、溜息
仁美:「駄目に決まってるでしょ、」
仁美は真っ赤な顔しながらそっぽ向く。
仁美:「…こんなとこじゃ…」
僕は無意識の内に、仁美の膝頭を指でくりくり捏ね繰っている。
仁美:「くすぐったいってば!」
仁美、他の人に聞かれない様に小声で怒鳴る、
僕、行き場の無い欲求不満を仁美の膝頭で不完全燃焼させる、
仁美:「見境なし私にまで手を出すとは、哀れな程 溜まってるみたいだけど、貴方たち一体どういう関係なのよ。」
仁美:「本当の兄妹じゃないんでしょ、」
仁美、何だか 少し拗ねた風?
直人:「従妹なんだ、」
…ぼそっと答える。
仁美:「彼女の事好きなの?」
直人:「まだよく分からない。 好きって 一体何なんだろうな…。」
直人:「でも、…直子には僕が必要なんだ。 虫除けエキスとしてだけど。」
直人:「僕は兄としてあいつを護ってやらなくちゃいけない。」
直人:「なのにあいつは、男の事情なんてお構い無しに直ぐイチャイチャしてくる。」
直人:「そのくせ、僕が少しでもエッチな事をしようとすると、…怒るんだ。」
仁美、苦虫を噛み潰したみたいな顔…
仁美:「あんた、私に何を相談してるわけ? 惚気ならお断りするわよ。」
直人:「忘れてくれ、寝不足で頭が働いて無いんだ。」
僕は机の上に頭を撃沈させる。
つむじの天辺を仁美の太腿に押し付けて ぐりぐりする。
仁美:「保健室で寝てくる?」
直人:「仁美も一緒に寝てくれる。」
仁美:「…」
僕、溜息
仁美:「駄目に決まってるでしょ、」
仁美は真っ赤な顔しながらそっぽ向く。
仁美:「…学校じゃ…」
僕は無意識の内に、スカートの中に指を潜り込ませそうになる。
仁美はクレーンゲームのように僕の手を摘み上げて机の上に落下させる。
仁美:「それで、貴方の行き場の無い性欲を 私にどうにかして欲しいと お願いしている訳ね。」
…見透かされて 途端に恥ずかしくなる。
直人:「ごめん。 全部忘れて、今日の僕はどうかしてるんだ。」
仁美:「しょうがないわね、…いいわよ。」
僕は、自分の耳を疑う、とうとう幻聴が聞こえだしたのか…と、仁美を見上げる。
直人:「いや、ちょっとした 冗談だってば…」
仁美:「今更引っ込めないでよ、 結構 勇気振り絞ったのに…。」
仁美、真っ赤になって怒ってる? 照れてる??
直人:「ありがとな、僕、仁美に甘えてるんだ。」
僕は再び、机の上に頭を撃沈させる。
何故か再び、スカートの中に手をつっこもうとしている。 自分の意思とは関係なしに…多分、
仁美はクレーンゲームのように僕の手を摘み上げて机の上に落下させる。
仁美:「全く、困った僕ちゃんね…」
仁美:「でも、それって、…まだ可能性あるって事だよね。」
直人:「ん?」
僕は、再び、仁美を見上げる。
仁美:「だって、…私、直人のこと 好きかも知れない。」
トランジスタ・グラマーなボディから 大人になりかけた女の色香が匂い立っている。 地味目な顔は 縁の濃い眼鏡と左右に束ねたお下げの所為、でも 大人しそうな雰囲気に隠された 潤んだ瞳と潤った唇には 男子のハートを一撃で射止めるのに十分すぎる威力が秘められていた。
…僕は、臆面も無く赤面する。
面と向かって、女子から好きなんて言われたのは、 …実は初めてではない。
でも、多分 以前の僕は金持ちの息子だったから興味を持たれたのであって、僕自身に魅力があったとは思えない。
僕自身が仲が良いと信じていた 田中幸子 だって、…貧乏になった途端にナシノツブテだ。
こんな何も無い、しかも かなり変わり者の妹までいる 僕の事を 「好き(かも知れない)」 なんて言ってくれるなんて、…ちょっと、感動する。
直人:「お前は、ドンだけ懐が深いんだよ…」
仁美:「泣かないでよ…、大げさなんだから。」
気が付くと、辺りが 何だか騒がしくなっている。
…廊下に人だかり? まるでネズミがメインマスコットを勤める一大テーマパークの超人気アトラクション待ち列みたい…
男子:「誰を探しているのかな?」
女子:「貴方の髪、凄く綺麗! 触っても良い?」
男子:「君、一年生? 何組?」
女子:「ねねね、写メ撮っても良い?」
女子:「可愛~い、ねえ、お姉さんに抱っこさせて?」
男子:「君、名前なんて言うの?」
女子:「ねえ、もう部活入った? うち軽音なんだけど、興味ないかな?」
男子:「今日の放課後クラビングパーティやるんだけど、来ない?」
やがて人垣が割れて、一人の少女が姿を現す…
小学生と見紛うばかりの小さな身体、華奢で中性的な肢体、傷一つ無い端正な小顔は透き通る様に白い、長い睫に大きくて深い瞳、潤った唇、そして艶やかな髪は腰まで届く豊かなウエーブ。
直子:「あっ、お兄ちゃん!」
一斉に! 質量を持った視線が 僕に、突き刺さる。
直子:「お弁当、持って来たよ!」
まるで造り物の様に一点の欠陥も無い妖しい美貌の少女が 僕に向かって可愛らしく手を振った。
登場人物のおさらい
春日夜直人:主人公
朝比奈直子:妹、しばしば小悪魔
森口仁美:トランジスタ・グラマーな眼鏡っ子で委員長、直人に告白!




