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エピソード5 秘密 <NaoKo Part>







女の子:「嘘つき、そんな人居ないもん!」

女の子:「先生、朝比奈さんが豊田さんを泣かせました」






男の子:「先生、朝比奈さんが目を開けたまま寝てます」

先生:「朝比奈さん、あなた 一体誰とお話しているの?」





黒蝗:「変な奴」

男の子:「あいつと口をきいた奴 絶交な」




父兄:「子供を怖がらせるような事を言わせないでください」

父兄:「うちの子、お陰で夜眠れなくなって困ってるんです」




女の子:「直子ちゃんと遊んじゃイケナイってお母さんが」

父兄:「あの子と遊ぶと病気が感染うつるわよ」



先生:「いい加減にしなさい。そんな人は何処にも居ないのよ」

先生:「何で嘘ばかりつくの、なにが面白いの」



男の子:「お前 罰ゲーム、朝比奈とキス」

男の子:「絶対いやだ! あいつに触る位なら死んだほうがマシ!」



女の子:「アンタなんか、幽霊と遊んでれば良いじゃない」

黒蝗:「あいつ、悪魔の手先なんだぜ」



男の子:「鼠の死骸なんか机に入れてんなよ」

男の子:「どうせ黒魔術に使うんだろ」


男の子:「先生、朝比奈さんの席がゲロ臭いです」

男の子:「先生、朝比奈さんおしっこ漏らした臭いがします」


父兄:「学校で変な宗教を流行らせるのは止めさせて下さい」

父兄:「一体どういう育てられ方したのよ」


先生:「先生、朝比奈さんの事が分からない」

先生:「うちの学校では手に負えません」


親戚:「あんな生まれ方したから」

親戚:「涼子さんの祟りよ」


親戚:「直美が正をたぶらかしたに決まってるじゃない」

黒蝗:「可哀想に、涼子さん、本当は自殺だって…」


女子:「あの子、頭おかしいのよ」

女子:「気味が悪い」


女子:「家が金持ちだからっていい気になってんのよ」

女子:「ちやほやされて育ったんじゃないの?」


女子:「あの子、動物とりまくってるんだってよ」

黒蝗:「あの子の母親、本当は山犬だって噂、聞いた?」


男子:「あいつ馬鹿だし、やらせてくれんじゃない」

男子:「しらねえのか、B組の斉藤、あいつとやったら、家族ごと消されたって話」


親戚:「あの子、気持ち悪いくらい直美に似てきたわね」

親戚:「母親と同じよ、あの顔で男を漁ってんのよ」


女子:「変なクスリやってんじゃない」

黒蝗:「可哀想に、顔がきれいな分、脳みそ腐ってんのよ」


女子:「朝比奈って誰よ」

女子:「なんかやばい系らしいわよ、関わんない方が良いって」







私は顔が綺麗な分 心がけがれていなければならなかった、


私は家が裕福な分 頭がこわれていなければならなかった、


私は何時も興味と 妬みと 恐怖の対象だった、


周りの人々は私を 自分とは違うものに分類し、遠ざけようとした、



気味が悪い子、可哀想な子、狂ってる子、


一緒に居ると感染する、

一緒に居ると酷い目に遭わされる、

一緒に居ると消される、




私は疎まれ、無視され、忘れ去られた、

私は否応いやおう無く 陰の中にまわされた、

人間との関わりが希薄な事が、私の影をより一層 濃いモノへと醸成じょうせいしていった、




そしてとうとう パパも 私の元を離れた、


不吉の象徴である「黒蝗くろいいなご」が嘲笑あざわらう 夜の書斎でパパは 冷たく私に宣告した 、


パパ:「すまない、お前を残して行かなければならない。 許しておくれ。」

黒蝗:「もう、お前の面倒を見るのは飽き飽きなんだよ」




唯一 最後の希望は、血の繋がりのある兄、


生まれてからこれまで一度も会った事の無い 兄さん、お兄ちゃん、


お兄ちゃんなら、きっと私と一緒に居てくれる、

お兄ちゃんなら、きっと私に優しくしてくれる、



ようやく手に入れた、私の拠所よりどころ


その人に触れるたび、その人の残像を感じるだけで、私は安らぎに包まれる事が出来た、


束の間、私は 生まれて来た事の幸せを 感じる事が出来た、







そして、その人の口から 聞きなれた言葉が流れ出してくる、



直人:「気味の悪い…」


黒蝗:「お前は気味が悪い…」


黒蝗:「お前とは一緒に居られない…」


黒蝗:「お前なんか嫌いだ…」


黒蝗:「お前なんか居なくなれば良いのに…」


黒蝗:「お前なんか知らない…」


黒蝗:「…」




この人に見捨てられたら、


もう私は 普通には生きていけない、

本当に狂ってしまうに違いない、

本当に闇に身を委ねて 自らけがされる事を望んでしまうに違いない、








気がついたら、私は大声で叫んでいた…



直子:「何でも言うこと聞きますから!」


直子:「お願いします、…私を 捨てないでください!!」



絶対に、手放したくない…


直子:「何でもしますから…」






直人:「森口!」

仁美:「ごめんなさい、私…」


女の人が、…逃げていく、

お兄ちゃんが、私を振り払って女の人を追いかけようとする、

私は、死にもの狂いでお兄ちゃんにしがみつく…



直子:「嫌ぁ! 行かないで、…お願い一人ぼっちにしないで!」

直子:「怖いの!!」

直子:「お兄ちゃん、…私と一緒にいてくれるって言ったじゃない!」




お兄ちゃんが、

…ゆっくりと私の元へ 降りて来てくれる。



直人:「もう、…心配しなくて良いよ。」


お兄ちゃんが、私の頭を優しく撫ぜてくれる。



直人:「僕が、何時だって 直子と一緒にいるよ。」


お兄ちゃんが、優しく私の肩を包み込んでくれる。



直人:「だから、もう怖がらなくて良いよ。」


お兄ちゃんの 心臓の音が聞こえる。

安心が、身体の隅々にまで行き渡って行く…




礼子:「…なんか、ごめんなさい、」


管理人が部屋の扉を閉める。




6畳一間の閉鎖空間に、私とお兄ちゃんが二人きり取り残される。

…いや、私は、ようやく一人きりから解放されたのだ。













私達は そうして抱き合ったまま、…一体どれ位の時間を過ごしたのだろう。

私は、このまま死ぬ迄こうしていても構わないって、…本気で思ってた。


やがて、お兄ちゃんが 私の身体を抱き起こすまで…



直人:「落ち着いた?」


私は小さく頷いて、

それから恥ずかしくなって お兄ちゃんから目を逸らす…



直子:「ごめんなさい。」


そう言えば、誰かに…見られた? お兄ちゃん、困ったかな?



直子:「怒ってる? しょうがない子だって思ってる?」

直人:「そんな事 無いよ。 それに、もしそんな風に思ったとしても、僕は直子を見捨てたりしないよ。」



直子:「本当?」

直人:「本当だよ、どんな事があっても、僕は直子を一人ぼっちにはさせない。」


私は、お兄ちゃんに全身を預ける。

両腕を背中に届かせて、温かな身体をぎゅっと抱きしめる。



直人:「直子、そんなにくっ付くと、恥ずかしいよ。」

直子:「直子、平気だもん。」


直人:「お前、意味 判って言ってるのか?」


お兄ちゃんが、力ずくで私の両腕を引き剥がす…



直人:「とにかく、ちょっと離れて…、お兄ちゃんだって男なんだから、…変な気分になっちゃうだろ。」


直子:「お兄ちゃんになら、何されたって平気だもん。」



お兄ちゃんが いきなり私の脳天に空手チョップする!

直子:「痛て!」



直人:「流石さすがに怒るよ! そんな台詞、…滅多に口にするもんじゃない。」


お兄ちゃん、大きな溜息…



直人:「ほんと、人の気も知らないで…。」


私は、お兄ちゃんの膝枕に寝転がる。



直子:「お兄ちゃん、大好き。」

直人:「はいはい…、」


今なら、勢いに任せて言っちゃえるかも知れない…



直子:「ねえ、お兄ちゃん、」

直人:「何?」


直子:「絶対に怒らないって言って。」

直人:「…? 何かな?」


直子:「お願い、言って!」

直人:「内容によると思うけど、…まあ、分かったよ、今日は怒らない。」



私は、スカートの裾をめくり上げて、パンツを見せる、



直人:「えっ……」


お兄ちゃんは、其処に信じられないものを見て、絶句する、

昨日から履いたまんまの、お兄ちゃんのパンツ…



直人:「なんで…、僕のパンツ履いてんの!?」

直子:「怒っちゃ、駄目、」


お兄ちゃんは、顔を真っ赤にして怒ってる? 恥ずかしがってる?



直子:「あのね、私、お兄ちゃんとくっ付いてると、霊が見えなくなるって言ったでしょ。」


直人:「ああ、」



直子:「お兄ちゃんの匂いが付いた物を身に着けても同じ効果があるの。」

直子:「多分、先生が言ってたブレスレッドの代わりって、…これの事。」



直人:「匂いが付いた物…って、もしかして、それ。」

直子:「えへへ、お兄ちゃんが一回履いた奴…、」


何だか、急に

…お兄ちゃんの膝枕の寝心地が悪くなる???



直子:「怒った?」

直人:「怒んないけど…、恥ずかしいよ。」



直子:「あとね…、」

直人:「未だ有るの?」



直子:「絶対に嫌いにならないって、誓って!」

直人:「…もう、此処迄くりゃ 何言われたって平気だよ、嫌いになったりしない。」



直子:「あのね、」


流石に私も、躊躇ちゅうちょする… でも、 言っちゃいたい…



直子:「お兄ちゃんの…」


直子:「おちん…」


直子:「…ちんの 毛、も 凄い 効果抜群なんだ、」


直子:「掃除の時にお風呂場で拾ってね、それで気付いたん…だけど。」



直子:「えへへ …言っちゃったぁ、」




お兄ちゃん、何か聞き間違いしたに違いない…という顔で私を凝視する。


…見つめられて、私もちょっと照れる。



直子:「だからね、…今度から抜けたら、捨てないで私に頂戴!」


私は、目一杯 可愛らしくオネダリする…


お兄ちゃん、…完全に…ひいてる?



直子:「直子の事、嫌いになった? 直子、変な子?」


お兄ちゃん、変な顔のまま硬直している…?

私、座りなおして お兄ちゃんに抱きつく。



直子:「嫌いになっちゃ、やだ。」


上目遣いで…



直子:「…お願い、」



お兄ちゃんが、いきなり私を抱きしめて…


…私に、妹にキスをする。



…私はうっとりと、目を閉じる。






3分経過…



直人:「ごめん!!」


正気に返ったお兄ちゃんが 部屋を飛び出して行く。




私は 放心状態のまま、…甘い余韻に酔いしれる。


しびれたままの舌で口蓋こうがいもてあそびながら、

…かつて経験した事の無い 眩しい光の渦に包まれていた。



登場人物のおさらい

朝比奈直子:主人公

春日夜直人:お兄ちゃん、稀に救世主メシア

その他は、どうでも良いや(…直子曰く、)


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