■第2話■
舞と再会した翌日の土曜日……
「お……ゃん、起…!お兄ちゃん!」
「う、うん?……ん?…えっ!?天?何でっ?」
「そーだよー♪おはよっ」
彼女は河内天、颯の同い年……双子……ではなく義理だからだ
時計を見ると5時30分を指している
「おはよ……って、こんな早くにどーしたの?」
「今日から私もここに住むんだよ!」
「……………えっ?学校どーするの?」
「お兄ちゃんと同じとこいくけど?」
「なんだってぇ!?だって天は私立行ったじゃん」
「だって附属の大学に行きたい学部無くなっちゃったんだもん、どーせ大学受験するならお兄ちゃんと同じとこがいいからさ。……というかお母さんから連絡きてないの?」
♪♪♪♪~
颯の携帯がなり……天が取る
「ちょっ、おい!「もしもし?あっお母さん……そう、私だよ?………うん着いたよ……ちゃんと言っt……あぁそうなの………わかったぁ、うんじゃあね!」……」
天は電話を切り、颯に返して……
「そういうことでっ!」
「いやどういうことさっ!?」
「なんか忘れてたもといびっくりさせたかったらしいよ、あと今日私の荷物が来るって」
「そうですか……はぁ」
「やっぱり迷惑だったよね…ごめんね、うんやっぱり私出ていくよ」
そう行って天は玄関に歩いて行こうとする
「いや……そういうわけじゃなく!母さんに対してのため息だから!てか出て行こうとするなって!そっちのほうが困るから!」
颯は思わず天を後ろから抱きしめて止める
「………」
天からの返答はない……
「あの……天?」
颯はそっと天の顔を見る
「えへへぇ…そっかぁ…お兄ちゃんは私がいないと困るかぁ……えへ、えへへぇ」
「天?どうした?何つぶやいてるの?」
「へっ!?……な、なんでもないなんでもない!「ピンポーン」あっ!私の荷物かな?」
天が玄関に走っていく
「はーい!……あれっ!?」
「ちょっと入るねぇ!」
玄関から一人の女性が走ってくる
「颯~!!久しぶり~!!」
そしてその女性は……
「うわっ……ぐぇっ!!」
颯に抱き着いた
「お母さん?なんで?」
天がやや飽きれ顔で尋ねる
「だってぇー久しぶりに颯に会いたかったんだもーん」
そう、いきなり入って颯に抱き着いた女性は2人の母親の河内陽子である
彼女は天とは血の繋がりがあるが颯とはない……つまりこちらも義理ということだ
「お母さんっ!そろそろお兄ちゃんから離れる!」
天が膨れっ面で言う
「あらあら、相変わらず天は颯にお熱ねぇ」
天はそう言われ、たちまち顔を赤くする
「天?顔赤いよ?大丈夫?」
颯が天の顔を覗き込む
「だ、だだ、大丈夫だからっ!全っ然元気よ!…ハハ…ハハハハ」
「じゃあ荷物も届けたし、私は行くわね」
陽子は立ち上がり、帰ろうとする
「母さんもう帰るの?せっかくだから朝ご飯食べて行けば?」
「そうだよ、お母さん。颯のご飯食べたーいって言ってたじゃない」
「うーん、朝ご飯食べて来ちゃったし、仕事があるのよ」
「そっか、じゃあ気をつけてね。母さん」
「はーい、2人とも仲良くするのよ」
そう言って陽子は出て行った
「………じゃあ、荷物の整理しちゃおっか、天」
「うん♪」
夕方……
「「終わったあ!」」
元空き部屋は女の子らしいかわいい部屋になった
「ありがとうお兄ちゃん!」
「どう致しまして……さて夕飯にしようか」
「わーい!」
天にはリビングで待ってもらい、颯はキッチンに向かい冷蔵庫を開く
「何がいいかな……そうだ、ちょうどよかった」
数十分後……
「出来たよー!!」
「はーい!……おっこれはっ!」
「そう、天の好きなハヤシライスだよー」
「やったねっ!…いただきまーす!!」
「召し上がれ、そしていただきます」
2人は同時に食べ初める
「さっすが!颯はやっぱ料理うまいね!」
「どもども」
「うむうむ、褒めてつかわーす!」
「ははーっ、ありがたき幸せー」
「「……ぷっ、はははは!」」
2人は笑い合う
「こうやって笑って夕飯食べるのも久しぶりだなぁ」
颯が感慨深げに呟く
「そうなの?」
「まぁ一人暮らしだからねぇ」
「あら、一人暮らし“だった”でしょ?今日からは私が居るもん」
「そう……だな、うん。改めてよろしくね、天!」
「うん♪」
その日、颯の家では遅くまで笑い声が絶えなかった…