■プロローグ■
「若葉園のみんな、桜園のみんなと仲良くしてね」
園児たちからハーイと元気な返事が返り、みんなそれぞれ遊び始める
今日は若葉園の園舎が改修工事のため、若葉園の園児たちは近くの桜園に来ているのだ
あるグループでは鬼ごっこをやろうとしている
そのグループ中の男の子が園庭の端っこで女の子が一人でいるのを見つけ、声をかける
「あっちで一緒に鬼ごっこする?」
しかし女の子が答える前にグループのリーダーらしき男の子がいう
「そんなやつほっといて早くやろうぜ」
それを聞いた女の子は悲しい顔をして俯いてしまう
どうやら女の子は仲間外れにされているようだ
「ゴメン僕やっぱり鬼ごっこやらなーい。ねぇ君、僕とあっちでボールで遊ぼう」
男の子は女の子の手を引いていった
「どうして私なんかと?」
女の子は男の子に尋ねる
「うーん、ただ君と一緒に遊びたかったからかな。そーだ僕、河内颯っていうんだ、よろしくね」
「私は北川舞だよ」
そこまでいった所で声がかかる
「颯くん、あっちであの子たちとボールで遊ぼう!」
「あっ!信一くん、舞ちゃんも一緒にいい?」
「うんいいよ」
「ほら、舞ちゃん行こう!」
「うん!」
しばらくしてお別れの時間がやってきた
初めは1人だった舞も颯たちのおかげで友達が出来たようだ
「颯くん、信一くんばいばーい」
「「ばいばーい」」
2人と遊んでいた子たちから声がかかり2人が答える
しかし舞は颯にくっついてはなれない
「颯くん、行っちゃやだ!」
「舞ちゃん、また会えるよ」
「でも…」
「じゃあ指切りしよう、また絶対会うって」
「うん!、約束だよ!」
2人は指切りをして別れた