プロローグ1
「宿題、やれよ」
そう言って徐に四次元ポケットから銃を取り出す野添ェ門。
彼は22世紀から来たヒト型ロボット、全くルックスが憎たらしい…。
「いいかぁ、受験ってのはなあ、高1のときから勝負は始まってんだよ。今基礎を疎かにしてるやつは高3になってから苦労すんだ」銃口を俺の後頭部に突きつけながら野添ェ門は言う。
「ロボットのくせにセンコーみたいなこと言ってんじゃねぇよ」
自己紹介が遅れたな…
俺の名前は野比のび多…
あのドラえもんの「のび太」とは一切関係ないのだが、俺が自分の本名にいわれのないコンプレックスを持っているのは言うまでもない。
俺は理解できないんだ何故俺の実の孫、ノビ介が野添ェ門を俺の元へよこしたのか…
なんでも家の親が俺を甘やかしすぎるのを見かねてのことらしいのだが…
確かに家の親は親ばかだ。だが俺はそれでもちゃんと自分のやるべきことはやってる。
勉強も部活も、それなりにちゃんとこなして、高校受験では第一志望の私立高校に合格した。地方住みだから地元の公立校へ通う奴らからは坊っちゃん呼ばわりされるが、学校じゃ人気者の方だし、友達はたくさんいるし…彼女もできた。
今のところ後世に恨まれるようなことなんか何一つしてないはずだ。なのに何故?
高校に上がる前の春休み
地元の友達と毎日遊び呆けているところへ、野添ェ門はやってきた。
ガタガタ、ガタガタ、ガタガタ
勉強机が音を立てて揺れ、地震かと思ったが揺れているのは机だけ。やがて引き出しのひとつがゆっくり開いたかと思うと、中から背が低く、目付きの悪い、俺と大して歳はかわらないくらいのデブな男が顔を出した。それが野添ェ門。
驚いた。机の引き出し何てとても人間が入れる大きさではない。しかも出てきたのがドラえもんのようなポップなキャラクターかと思いきやただのデブとは…。
「おい、てめえが野比のび多か?」初対面なのにこのふてぶてしい態度に腹が立った。
「…そうだ。おめぇは誰だ!!勝手に人の部屋に入り込みやがって…。どうやってそっから出てきた!?」
「まぁ、落ち着け。今からおめぇの孫が丁寧に説明する」
「俺の孫だぁ?ふざけんなよてめえ、俺はまだ16だ…」
俺が言うのが早いか、野添ェ門が出てきた後から俺と同い年くらいの、しかも俺と瓜二つの少年が顔を出した。
なんだこいつらは…。
そのとき俺はまだ、これから起こる野添ェ門とのアブノーマルな日々を知る由もなかった…。




