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転生のホムンクルス-最強勇者は魔法が存在する現代日本に転生しました-  作者: エア


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第11話『女子トークは秘密の時間』

 休日の午後。

 ミカガミ・レンは、お気に入りのカフェでココアを飲みながら落ち着かない様子で席に座っていた。

 今日は特別な約束があった――アレクのクラスメイトであるカスガイ・ミユと、初めて顔を合わせるのだ。


 きっかけは数日前。

 アレクが学校から帰ってくるなり、やたらとテンション高く報告したのだ。


「ミユは、ノート見せてくれるし、勇気もあるし、すげぇ良い奴なんだ!」


「へぇ~、すごいじゃん。……でもアレク君がそんなに褒めるなんて珍しい」

「だろ? 今度紹介する!」


 そして翌日。小学校の校門で待っていたレンの前に、アレクが連れてきたのがミユだった。


「は、初めまして……カスガイ・ミユです。アレク君には、いつもお世話に……」

「えっ!? お世話されてるのはむしろ私の方だから!」

 レンが慌てて笑う。

「え、あ、そうなんですか……?」

「そうそう、俺とレンは……まぁ、ちょっとした関係だな!」

 アレクが胸を張る。

「ちょっとした関係って?」

 ミユは首を傾げた。

「えーっと……姉弟みたいな関係ってことね!」

 レンは焦りながら、その場を誤魔化した。

「そうなんだ……でも、ちょっと素敵な関係だね」


 それが、二人の最初の出会いだった。


 そして今日。

 カフェのテーブルを挟んで向き合う二人。


「改めて、来てくれてありがとう、ミユちゃん」

「いえ……私の方こそ、誘っていただけて嬉しいです」


 私服姿のミユは、学校とは少し雰囲気が違い、大人びて見えた。

 レンはココアを啜りながら、意を決して口を開く。


「アレク君、学校ではどう? クラスにちゃんと馴染んでる?」


「うーん……馴染んでる、のかな。給食で変なこと言ったり、授業で寝ちゃったりするけど……」

 ミユは少し考えて、ふわりと笑った。

「でも、誰かを守る時の顔は……本物だよ。呪具カードの時なんて、本当に勇者みたいだった」


「勇者……」

 レンの胸がちくりと痛む。

 創造主として、彼を「研究の成果」として見守ってきた。

 けれども同時に、創造主としての情や、一人の女の子としての想いも入り混じっている。


「……やっぱり、ミユちゃんもアレク君のこと……特別に思ってる?」

「えっ!? そ、そんな……! ただの友達……たぶん……!」

 顔を真っ赤にして慌てるミユに、レンは思わず吹き出した。

「ふふっ、ごめんね。でもちょっと安心した。私だけじゃなくて、アレク君をちゃんと見てくれる子がいるって」


 カフェを出て並んで歩く二人。

 休日の街並みは賑やかで、人々の笑い声に満ちていた。


「おーい! ミユー!」

 元気な声が響き、二人が振り向くと、そこにカズマとユウタがいた。両手にはゲームセンターの景品袋や駄菓子。どうやら遊びに来ていたらしい。


「カズマ君、ユウタ君?」

 ミユが目を丸くする。


「カズマ君、ユウタ君?」

 ミユが目を丸くする。


「お、ミユも一緒か。へへっ、今日は街を探検だ!」

「ぼ、僕は……ただ付き合わされただけ……」ユウタが苦笑いを浮かべた。


 レンは二人を見つめ、首をかしげる。

「えっと……二人はアレク君のクラスメイト、で合ってる?」


「おう! 俺はアンドウ・カズマ! アレクとは最近“ライバル兼仲間”みたいな感じだな!」

 元気よく名乗りを上げる。


「ぼ、僕はイノウエ・ユウタです。カズマと同じクラスで……アレク君にはよく助けられてて……」

 控えめに頭を下げるユウタ。


「そうなんだね。私はミカガミ・レン。アレク君の……まぁ、ちょっと特別な立場の人、かな?」

 レンは微笑み、軽く会釈する。


 こうして互いに自己紹介を済ませ、四人はぎこちなくも同じ場に立った――。


 そんな和やかな空気を裂くように、レンの背筋に寒気が走る。


「……あれ?」

 ミユが足を止め、指差した。


 視線の先、駅前の露店に黒いローブの男が立っていた。

 無言のまま、机に並べられたのは――またしても《呪具カード》。


「おぉ! あれ、カッコよくね?」

 カズマが露店に駆け寄ろうとする。


「カズマ、ダメ!」

 ミユが慌てて腕を掴んだ。


「な、なんだよ?」

「それ……危ないんだ。前にもあったでしょ、カードが暴走して……」


 ユウタの顔からも血の気が引いた。

「そ、そんな……また?」


 ローブの男は何も言わず、不気味に口元だけを歪めていた。


「レンさん、下がって!」

 ミユが彼女の前に立ち、カズマとユウタも自然と横に並ぶ。


 レンは唇を噛みしめた。

「まさか……もう学校だけじゃなく、街にまで……」


 休日の賑わいの中で、不穏な影が忍び寄っていた。

 子供たちとレンの前に、新たな脅威が迫ろうとしていた――。

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