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転生のホムンクルス-最強勇者は魔法が存在する現代日本に転生しました-  作者: エア


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1/89

プロローグ

 世界が、崩れ落ちていた。


 燃え落ちる天空城の断片が、赤い彗星のように降り注ぐ。

 炎の残光が、瓦礫の上に立つ二人の影を照らしていた。


 一人は、全身を黒い霧に包まれた男。

 その背後に揺らめくのは、千年の怨念を凝縮した禍々しい魔力――

 “魔王ザイエル=オルグ”。


 もう一人は、黄金の剣を手にした若き勇者。

 ボロボロのマントを風になびかせ、なおも立つ。

 “アレックス・ホーク”――英雄と呼ばれた男。


 彼の周囲には、倒れた仲間たちが横たわっていた。

 聖女シルフィ、剣士カイル、竜騎士レアナ……みなすでに戦えない。

 勇者は最後の灯として、剣を握り直した。


「……終わらせる。俺の手で」


 声は低く、だが確かな決意に満ちていた。

 胸の奥で心臓が、燃えるように脈を打つ。

 それは恐怖ではない。――責任だ。


 魔王は笑った。

「終わらせる、だと? 人の身で神に抗う愚かさを、まだ悟らぬか」


「神? 違うな」

 アレクは血を吐きながら笑う。

「お前はただの“呪いの塊”だ。誰かの絶望を喰って、生き永らえてるだけの亡霊だ」


 魔王の瞳が、紫に光る。

「ならば、その絶望の中で朽ちるがいい――!」


 刹那、空間が歪んだ。

 黒い魔方陣が城全体を覆い、圧倒的な魔力の奔流が爆ぜる。

 雷鳴とともに、大地がひび割れた。


 アレクは即座に剣を構えた。

 黄金の光が剣身を包み、無数の聖句が宙を舞う。

「――《勇者のコード・オブ・ライト》!」


 光と闇がぶつかり合う。

 天を裂く轟音。空気が焼け、風が悲鳴を上げた。

 彼は魔王の胸を狙って突き進む――。


 だが、その瞬間だった。


「……遅い」


 耳元で、誰かが囁いた気がした。

 気づいた時には、魔王の指先が彼の額に触れていた。


「《魂喰の呪詛ソウル・リープ》」


 目に見えぬ鎖が、アレクの全身に絡みつく。

 骨が軋み、内側から血が沸騰するような痛みが走った。


「ぐっ、ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 魂が、引きずり出されていく。

 視界の端で、黄金の剣が崩れ落ちた。

 心臓が潰れそうな圧迫感。

 意識が黒く染まり――そして、世界が反転した。


 魔王の声が、耳の奥に響く。


「お前の肉体は、美しい器だ。――これほどの力、我がものにせぬ手はない」


「やめろ……!」

 アレクは叫んだ。

 だが、声は喉の奥で霧散する。

 自分の体が、誰かに握りつぶされるような感覚。

 足の感覚が消え、腕が、自分のものでなくなっていく。


 魔王の影が笑った。


「さあ、英雄。お前の“肉”は私が受け取る。お前の“魂”は――闇に堕ちよ」


 刹那、全てが音を失った。


 ──視界が、闇に飲み込まれた。

プロローグで、ダメ出しを受けたので、直しました。

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― 新着の感想 ―
冒頭から魔王と対峙する描写の迫力がえぐいですね!! 興味を惹かれる導入が素晴らしいですっ…… 続きも読ませて頂きますね。
冒頭の魔王戦の描写が熱く、アレックス・ホークの「誰かが終わらせなきゃいけない」という決意がすごく胸に響きます。激戦の末に散っていく勇者の姿がしっかり描かれているからこそ、最後に突如現れる「錬成陣」「少…
プロローグと1話目読ませて頂きました。わたしの大好きな感じの作品です。美味しい作品をありがとうございます。代償系大好きです。続きもじっくり読ませて頂きますね。執筆頑張ってください!
2025/09/24 18:23 退会済み
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