三十四話 ノーマルエンド?
「壊れないおもちゃが二つ……。あははっ、死なないでね」
低い声での宣告。子供らしさは微塵も感じない。
「いくよ」
アドンの姿が消える。
その瞬間、俺の頭によぎったのはアドンに殺される未来。
柊人に掴みかかろうとするアドンの手を払う。
手刀を繰り出してアドンの腹を斬る。
「いったい……」
そう言うとアドンはうずくまる。
瞬間移動で距離を取り、体制を立て直す。
「やるね、おにーさんたち」
「…………」
「おい」
柊人が一歩前に出る。
「目的はなんだ? 何がしたい」
「僕は遊びたいだけ。みんなつまらないから、壊れないおもちゃを探してるんだ」
俺は二歩前に出る。
「そんな理由で……。いくら子供でも、こればかりは許せない!」
「…………おにーさん。そう言えるの、余裕あるからでしょ」
俺は柊人の方に振り向いた。
柊人の姿が消えていることに気づく。
「油断しすぎ」
突然、体が吹き飛ぶ。
木々をなぎ倒して家に突っ込む。
起き上がろうとする俺に追い打ちをかけるよう体を地面に埋め込ませた。
「っ……」
「出れないでしょ。もっと面白いことするよ!」
いつの間にか近づいていたアドンが両手を上に掲げる。
赤、青、緑と、色が変わる大きな球体が出来上がる。
「そーれっ!」
レシーブをするかのように空に放つ。
球体は空で弾け、辺り一面が三色の光に包まれた。
目を覚ますと、俺はなぜかベッドで寝ていた。
窓越しで景色を見る。ハイネストは元通りに戻っていた。
「…………?」
不思議だ。
俺はそう思った。けど、特に気にならなかった。
今日も一日がんばろう。




