三十話 空と天
雨が降ると空が泣いているように思う。
晴れの時は弾けるような笑顔。
じゃあ曇りは? わからない。世界はどちらにも傾かないのだから。
「空を泣かせるのはお前か……?」
俺は今、そんなことを言うおじいさんの隣に座っている。
なぜこうなったかというと……。
「俺、柊人達と会って来るよ」
柊人達に会いたくなった俺はレイルにそう話した。
レイルは勝手にしろと言うと、俺を蹴飛ばして家から追い出した。
「ってて……相変わらず乱暴だなぁ」
どこにいるかわからないから探すしかない。何とかするか。
「どこだよここ」
迷った。
エルフの里でもないし、共和国でもない。
俺は辺りをぐるりと見渡す。ちょうどいい大きさの洞窟がある。中に入ろう。
洞窟の中に入る。先客がいた。
灰色のローブを被ったおじいさんだ。
「隣、いいですか?」
おじいさんは俺が隣に座れるようにしてくれた。
隣に座り一息つく。
「ふぅ……」
ぽつりぽつりと雨音が聞こえたと思うと、雨が降って来た。
「雨…………」
最悪。防ぐもの持ってない。どうするか……。
俺がどうしようか迷っていると、おじいさんが俺に向かってこんなことを言った。
「空を泣かせるのはお前か……?」
「いや、俺はそんなこと出来ませんって」
「そうか」
おじいさんはそれだけ言って黙った。
流石に一人にしておくわけにはいかない。雨が止むまで洞窟にいることにしよう。
どれくらい時間が経った? 逆に雨が強まってるんだが。
おじいさんは大丈夫かな。隣に目をやると、おじいさんは消えていた。
「…………マジか」
野宿するしかないか。そう思った矢先、男女の声が近づいてくるのがわかった。
「洞窟あるよ!」
「入ろう!」
入って来たのはなんと勇者パーティー。
偶然にしては出来過ぎな感じだけど、まあいいか。
「ヨイヤミ!?」
「……久しぶり」
柊人の驚きを冷静に対処する。
野宿決定だな、これ。




