二十三話 襲撃、その後
ハイネストに戻った俺は、破壊された建物を見て驚きを隠せなかった。
何があったのか。どうしてこんなことになっているのか。全くわからない。
「ヨイヤミくん!」
駆け寄って来たラッカルさん。俺は困惑しながらラッカルさんに尋ねる。
「何が、どうなってるんですか」
「私も知りたいよ! なんでこうなったのか……」
言葉に出来ないほどひどい状況。
ギルド本部に被害はないものの、把握できないくらいの影響が残っている。
「……詳しいことは他の人に聞いてくれる? 仕事、しなきゃ」
ラッカルさんは焦った様子でギルド本部へ入っていく。
俺は黙ってラッカルさんを見送った。状況を整理したい。一旦帰ろう。
「ただいまー。レイルー?」
レイルを呼んでみる。返事がない。まだ気持ちの整理がついていないのかな?
「レイル―。返事くらいしないとわからないよー」
二階へ上がる。と――
「…………血?」
血が廊下に広がっていた。
まさか……!
「レイル!」
ノックせずにレイルの部屋を開ける。
レイルが血だまりに沈んでいた。
「レイル、レイル!」
体を揺する。ぐったりしているから、こんにゃくのようにグニャグニャ動く。
「に、げ…………」
レイルのか細い声が聞こえた。耳を近づけて聞こうとしたその時。
目の前にロボットが現れた。
ローブを着ていて詳しい姿はわからないけど、ロボットだということだけはわかった。
「…………」
ロボットは俺の陰から治療器具を取り出すと、レイルを治療し始める。
あっという間にレイルの治療を終えてベッドに寝かせた。
ロボットは俺の顔をまじまじと見つめる。顔に何かついているかと思って触る。
特に何もついていない。
顔を上げると、ロボットの姿は消えていた。
「ん、ん…………」
「レイル…………! 起きた?」
意識が戻ったレイルの第一声は、俺の心に響いた。
「セクハラ」
「これ緩めて欲しい…………」
「あ、うん」
レイルの言う通りに右腕の包帯を緩める。
「お前、今日変」
「何が」
「私につきっきりなんてありえないから」
確かにそうだ。俺、なんか今日変だ。
「レイル。何があったの?」
「…………」
レイルは黙っていたけど、俺の手を優しく握って話し始める。
「お父さんって聞いたとき、私のこと覚えててくれたんだって。嬉しかった。でも、今更だから変な感じで。それで部屋にいたら、急に苦しくなって…………」
部屋に居ただけなのに苦しくなった、か。
「誰かにやられたとか」
「一人で座ってたぴょん。でも、腕に傷が出来たり喉がすごく苦しくなったりとかしたぴょん」
訳がわからない。理解出来ないことが俺達の周りで起こっている。
俺はレイルにいい子にしているように伝えると、もう一度外へ出た。




