二十話 装備強化、獣王出陣1
マレインさんが出ていき、俺達は予定の整理をしようかと思ったが……。
装備って、なんかやってたっけ?
今更超重要なことに気づいた。
「装備関係ならドワーフに頼むべきかな」
ヨイトの意見に皆賛成した。問題は……。
「どこでやってもらうか、だな」
ファルンがそう言うと思い悩む。当ては、あるかもしれない。
「おらの工房へようこそ。おら、ドワーフのモーゴ。よろしくな~」
握手を求めるモーゴさん。俺は震える右手でなんとか握手を交わした。
結論、俺の意見は通った。だけど、何故か俺一人が行くことになった。
今回は武器の調節をして欲しいだけだからだそうだ。
「ゆっくりしてってくれ~」
「は、はい」
武器を大きな机に置いて、椅子に座る。
水が飲みたい。そう思ったら水が出て来た。コップに注がれた状態で。
「…………」
「おめぇ面白いな! おら気に入ったぞー」
そう言いながらニコニコして武器を触るモーゴさん。ガチャガチャと音が響く中、俺は水を一気飲みした。
「時間かかるから出てっていいぞー。六時間くらいしたら戻って来てくれー」
「六時間…………わかりました」
工房を出る。行く当てがない。そういえば、会ってない人が一人いることを思い出した。
「俺に会いに来てくれたか。丁度いい、俺もどんな奴か知りたいと思ってたところだ」
俺は今、ゴーメットさんに会うためレウシア大国にいる。
だが、ゴーメットさんの方から話しかけてくれた。これでとりあえず全員と会ったことになる。縁が出来た。
まず、レイルについて知っているか聞くことにする。
「レイルって、知ってます?」
「レイル……俺の娘だが」
「…………娘?」
レイルはゴーメットさんの娘。じゃあ、ゴーメットさんはレイルのお父さんってことになる。
ヨイトは逆。なんか、面白い。
「ふっ」
「どうした」
「ヨイトっていうエルフがいて……俺の仲間ですけど、代表のシェルさんはお母さんなんです」
「そうか。偶然だな」
どうやらマレインさんが言っていたことは本当だ。互いのことは詳しく知らないみたいだ。
「立ち話もなんだ、ここに座れ」
切り株に座る。六時間暇つぶしの難問はクリアできるかもしれない。
「お前は確かヨイヤミと言ったか。闇の名を持つ男……」
思い出すようにゴーメットさんは伝承を聞かせてくれた。
「闇。世界を滅ぼす存在として生まれた、存在してはいけないモノ。闇の脅威は百年前に去った。だが、影響は今も残り続けている」
「なんか、あります? 影響って」
「大いにある。レイルがここを飛び出して行ったのがそうだ」
レイルが、出て行った?
「レイルを産んだ直後、マーン……俺の妻が息を引き取った。レイルがそれを知った時が七歳。口を聞かずに五年……。レイルはどんな様子だ?」
「元気ですよ。毎日楽しんでます」
「そうか。……レイルは俺の話をしたのか?」
「いえ。全部初耳です」
ゴーメットさんは目を伏せると、ぽつりとこぼす。
「マーン……元気だぞ、レイルは」
「あの……伝承とマーンさんは」
ゴーメットさんは改めて俺を見ると、口を開く。
「マーンが死んだのは、闇のせいだからだ」
ゴーメットさんがそう言った瞬間、俺は何かの気配を感じ立ち上がる。
ゴーメットさんが「どうした?」と言ったが、俺は森の奥にいる塊を捉えていた。
「ゴーメットさん、またゆっくり聞かせてください」
「…………この気配、モンスターで間違いないな」
そう言ったゴーメットさんも立ち上がり、近くにいた亀の人に住民の避難を頼んだ。
「戦斧、バーン!」
空間から炎が吹き上がり、人が持てない大きさをした炎を纏う斧が出現する。
「行くぞ、ヨイヤミ」
「わかりました」
俺も剣を出現させて戦闘態勢を取る。ゴーメットさんと息を合わせるように、そのまま森へ走った。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします。
皆様の応援が励みになるのでよろしくお願いします。




