予想以上
…やろうと思えば、その日のうちにやれる。つまらないが、暇つぶしにはなるか。
…さて、ここは古東組織委員会。2つの巨大なビルの第2庁舎、42階にある。
「…待っていた。」
そこには、統括、いや古東組織委員会総務部長が、さも当然かのように、佇んでいた。
「…部長。お疲れ様です。…待っていたとおっしゃいましたか。」
「ああ、そうだ。お前が来るべき、かつ手がかりがあるとすればここしかないだろう。」
「俺もお前に話がある…」と野太い声。…指導部長までがそこにいた。
「お二人を今、動かしているのはどなたですか?」俺は単刀直入に尋ねる。
「ふん…いつかも言ったはずだが?」と総務部長。
「本庁は指導部も、もちろん総務部も、自分達の意志で施策を講じる事はない。断じて…ですか?」
「そうだ。それを踏まえてなお、問うのか?」
「はい…指導部、総務部だけでなく組織委員会本庁は、誰の意思で動いているのですか?」俺は再び問う。
「分かっているだろう?組織委員会、そして組織委員会本庁のトップが誰であるかを。」
「はい…組織委員長、および総憑鬼祓長…です。」
「正解だった…と言っておこう。」
「??...それはどういった事でしょうか…?」
「そう、ややこしくするな。」と指導部長が話に入る。
「つまり、我々、指導部、総務部をはじめ元トップの2人とそれに付いて行った愚か者30名程の元憑鬼祓いども以外が、今の古東組織委員会だ。」
「つまりトップが離反した?…ということですか?」
「離反なら、むしろそれは我々の方かもしれんがな。」
「だが、我々は、この国の安寧の為に、新しき指導者の下に、新たな古東組織委員会を立ち上げたのだ。」
…嫌な予感しかしない。




