紐を辿って
思いの外、ユダは側にいる。貴方の側でほくそ笑んでいる。
「ふむ、なるほどね…」報告を聞き終えた上司は、もの想いにふけるように答えた。
「校長先生、いかがいたしますか?私としては、一副校長が判断できる内容ではないと考える一方で、このままでいいのか迷っております。」
「ああ、私もさ。力は戻ったが、私も組織委員会の下にいる者なのさ。しかしながら、報告内容はよく分かったよ。私から相王子組織委員会に報告し指示を待つとしよう。副校長、キミもずいぶん疲れただろう。本来の副校長業務に当たりながら少し休んでくれたまえよ。」
「はっ。了解致しました。そのように。」
…校長先生もお疲れのようだ、この半年いろいろあり過ぎた。確かにまずは日常の生活に戻るとしようか。主任憑鬼祓い、主任教諭、体育教諭、養護教諭も今は、それぞれの職場に戻っている。俺も、倣うとしよう。
ただ…これはあくまでも消去法だが古東組織委員会……そこになにがあるかわからんが、手掛かりはそこにしかない。
いまだ顔を出さない大物が残っている。何故か?これは本気でわからん。しかし、辺境の一副校長には何もできないのも事実だ。
さて、久しぶりに学校業務に勤しむとしよう。




