首相官邸
自分が選んだ道が最善
「…どうやら、終わったようですね。」
内閣統括大臣は、いつもと変わりない佇まいでそこに居た…首相官邸。
「はい。先生はご無事のようです。」と若い男の教諭。
「あ〜でも、危なかったわよね、あそこで黒の系統の達人がいなければ、副校長先生は生きてはいなかったでしょうから。感謝、感謝よね。」と相変わらずの女教諭。
「そして、主任憑鬼祓い殿は、こちらの計画にお気付きのようでしたので、お気の毒ではありますが好都合というもの…それにしても組織委員会も、先生を己の側に引き留めるどころか自分達で始末をするところだったとは…」
「仕方がありません。彼が前回と同じように怒りに精神を支配された状態の時、ある程度以上の攻撃を受ける事で自爆するよう彼の身体に仕掛けたのは私の独断でしたからね。ましてや黒の系統を使用した二重詠唱だけが彼を通常状態に戻す唯一の方法だとは、他の者は知る由もありません。もちろん主任憑鬼祓い殿がそれを知った上での攻撃だったかと言えば、もしかしたらそうかも知れません。しかし、いずれにせよ、彼は無事でまだ私と共にこの国を1から創り上げるのには変わりありません。」
「しかし、先生はこちら側に戻られるでしょうか?」
「さあ、どうでしょうかね。自分が選んだ道が最善だと、彼に私は伝えてきましたから。彼に任せますよ。さて、それはそうと、進めていかなければならない事を粛々とやらなければなりませんから。」
「はっ、了解いたしました。」




