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TRJ〜教師の本当の仕事  作者: おみき
第3章 理想に近づくために
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ライバル

いっそ全て壊して仕舞おうとした時、ようやく自分の周りには何もなかったことを思い出す。

「用意はいいか?」

「さっさとやれよ、相変わらずチキンな野郎だ。」


いよいよ、俺達は「鬼」を初めて見る事になる。この口の悪い、いや悪いのは口だけじゃないが、主任憑鬼祓いに憑く、「鬼」をいまから現出させる。幸い、俺の言霊はこちらの意志で現出もその逆もコントロールできる…筈だが、何しろ初めての相手だ、うまくいくとも限らない。最悪の場合、2人ともやられる可能性もある。


「行くぜ!」

(くど)い!行け!」

「照らせ、現せ、破城の燈…在」


眩い閃光とともに、そこには、想像以上の「鬼」が。

禍々しい、凶々しいそのオーラ。1等級以上??確かに間違ってはいない、しかし1等級と比べるには蟻と象を比べるよりも、はっきりと違う。本能的に俺は言霊を解除した…筈だが、解除できない。相手のチカラなのか、なんなのか、もうやるしかない。主任憑鬼祓いは当然意識を失っている状態だ。……やってやるよ。


竦む脚、しかし動けないわけじゃない。それにこの感じ、この感じ………………まさか、まさか、まさか、まさか、あの時の…全く同じとは言わない。個体は違うんだろう。しかし、やっと見つけたぞ。見つけたぞ、見つけたぞ、見つけたぞ、見つけたぞぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!。

「うぉォォ!」

「参ぜよ、重ねよ、忘却の武士…圧」

超重力が「鬼」を圧殺すべくチカラを凝縮する。


「ふははっ…」


……笑った?このクソ鬼が…


「媚びよ、平伏せ、虚空の塔…壊」


ぐぅぅ、身体も、何もかもがバラバラになりそうだぜ、死の一歩手前だ。しかし、勝ったぜ、ギリギリだけどな。

「媚びよ、…」

「よせよ、一発で俺を仕留められなかったなら、終わりだ。惜しかったな。」

行くぜ?

「媚びよ、平伏せ、虚空の塔…壊」

「アガがガガガが…アガがガガガがががががががががががあ」

ふう、やれやれ今ならできるな。

「解除」すると鬼は、主任憑鬼祓いの中に戻っていく。


やれやれ、危なかったぜ。全く‥‥『ゴツッ!!!』

俺は拳骨で、ヤツの顔面に一発入れた、うん。八つ当たりだ。


「グァっ!?な、なんだ、まるで殴られたような衝撃だぜ⁉︎……おい、勝ったのか?」


「ああ、勝ったのかな?けど殺し切れず、お前の中に戻したよ。」


「そうか。勝ったか。…にしても、顔面がやたらと痛むんだが?」


「そうか?後遺症じゃないかな、うん。とにかくお前に憑いてる「鬼」は見たぜ。あんなのが際限なくでたらお前の言う通り終わりだな。」


まだ鼻をさすりながら主任憑鬼祓いは、続ける。

「とにかく、部長補佐官殿に今後の計画について相談に行くか。現状は概ね把握できたからな。」


行くか。



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