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転移魔法と初めての冒険

 称号 転移(トランディション)マスター

 効果 使用魔力の減少、転移能力魔法以外の使用の不可、無詠唱

 魔力属性 光、闇属性


 名前 情報転移(イントランスファー)

 魔法ランク 中級魔法

 効果 発動者が知りたい情報を知っている人から奪う

 使用魔力量 1000/m


 名前 人体転移(ヒュートランサー)

 魔法ランク 中級魔法

 効果 指定した場所へ人体のみを転移させる。感覚などの魂は転移しない

 使用魔力量 2000/m


 名前 交換転移(アポート)

 魔法ランク 中級魔法

 効果 大きさが同じものである場合のみ交換する

 使用魔力量 10,000


 名前 改造転移(リモードトランサー)

 魔法ランク 中級魔法

 効果 指定した生物の記憶を変更する(人をのぞく)

 使用魔力量 18,000

 1日使用制限 3回


 名前 空間(スペーション)転移(トランサー)

 魔法ランク 上位魔法

 効果 思い浮かべる情景を2次元に再現する

 使用魔力量 20,000


 名前 奪取転移(トランスキャプチャー)

 魔法ランク 上位魔法

 効果 半径500m以内にある物又は生命体を自分のもとに引き寄せる(過去に自分が所有したものに限る)

 使用魔力量 50,000

 1日使用制限 5回

____________________________

 と、魔法鑑定の紙には映っていた。正直いって使い道がぜんぜんわからない。おじさんもシンラーさんも良く分からなかったみたいだ。


「んー……まぁあんまりヤバい魔法ではなさそうだから大丈夫じゃあないかな」

「そうね」

「って言うか俺、転移能力魔法ってやつ以外の魔法使えないのかよ」

「えーー!マジ?──(この人ハズレかも)」

「おい!なんか言ったか?」

「え、な、な、なんのこと?」


 (シンラーさんにハズレと言われてしまった......)会って間もないが、やっぱり悲しい。本当は攻撃魔法とか使って見たかったのに……少し涙ぐんでしまった。


「水晶7つ分だから──70万フランです」

「はー?70万フラン?そんなに高いの?」

「はい。一個10万フランなんです。最近は水晶が出回りにくいんですよ」

「うー……わかったわ70万フランね。はいどうぞ」

「まいど。これが承認手形だ。ギルドに持っていきな」

「はい。ありがとうございました」


 俺は承認手形をもらい店を出た。


「なんかごめんね。70万フランだっけ?結構な大金なんでしょ?」

「ん?あー。大丈夫よ。その分あなたに働いてもらうから」

「はいはい、分かってますって!で、そのフランっていうのがこの国の通貨なの?」

「えぇ、そうよ。この国の名前がフランソフィアだからそこからきてるの。フランは最小通貨単位で、100万フランで、1カッパーフラン、100カッパーフランで、1シルバーフラン、10シルバーフランで、1ゴールドフランなのよ」

「へぇー、そうなんだ」

「お、着いたわ。ここが自由冒険者組合、ギルドよ!」


 話している間に目的地であるギルドについた。ギルドの中はそれほど広くないがたくさんの人たちがいる。大衆食堂もあるみたいだ。(また今度来てみようかな)俺とシンラーさんは冒険者カード発券窓口に行った。


「こんにちは。今日は自由冒険者組合リーセントアルツ支店にお越しいただきありがとうございます。本日は冒険者カードの発行ですか?」

「はいそうです。こっちの人の承認手形です。どうぞ」

「はい。お受け取りしました。ツルシアス・スカルチアさんと。少々お待ちください──はい、できました。これが冒険者カードです」

「ありがとうございます」

「武器屋は左にございます。行ってらっしゃいませ」


「ねぇツルシ、早速だけどクエストをしない?」

「いいけどできれば簡単なやつにしてね」

「分かってるわよ」



 シンラーさんはクエストの紙と……黒髪の長髪童顔の女の子を連れてきた。


「シンラーさん、その子は?」

「私がこの紙を取ったらこの子がよってきて依頼人の一人だ、って言うから連れてきたの」

「ですから、さっきから成人してるって言ってるじゃないですか!あ、初めまして、クレイア・フェリーです。今回は依頼にご協力ありがとうございます。私はここの領主、アルトラーゼ辺境伯様の護衛騎士の一人です。依頼内容は隣国ベルスターレリア公国への護衛です。最近は人手不足で騎士も足りていなくて、日雇い冒険者も少ないんですよ。報酬額は4000フランですがお願いできますか?」

「えーー?4000フラン?いいわねー、ツルシもいいでしょ?」

「うんいいよ」

「ありがとうございます。明日8時に辺境伯様のお屋敷の前で待ち合わせましょう」


(俺の初めての依頼は護衛任務か。ワクワクするな~)

 空はすっかり夕焼けしていたのでギルド内にある大衆食堂で食べることにした。見たことあるような食べ物で味も美味しかった。カレーと言うらしい。


「シンラーさん、質問していいかな?」

「なに~?」


 カレーを美味しそうに頬張る彼女の美しい姿をよそに俺は疑問に思っていたことを聞くことにした。


「シンラーさんって召喚士っていう役職みたいだけど、どのくらいの身分の人なの?」

(他にも質問したいことはあるけど、シンラーさんの身分を知らないと、こうやって普通に話しかけて良いのか分からないからな)

「うーん……」


シンラーさんは少し考えた


「王族かな」

「へぇー王族なのか……って王族!?」


 いけない、大声を出してしまった。普通そういうのって隠さなければいけないのに。


「しー!声がでかい!」

「あ、ごめん」

「ここは人が多いし、続きは宿に帰ってから話すとしましょう」

「うん……」


 俺はとても驚いてしまった。なにせ、俺の前で気安く話をしている人は王族なのだから。


 俺とシンラーさんは周りの視線も気になったので足早に宿に帰った。少し残っていたカレーが勿体ないがシンラーさんが足早に食堂を出てしまったので俺も着いていかざるをえなかった。


「ごめんね、ツルシ。黙っていたけど私の本当の名前は、シンラーヴェル・アイシス・フランソフィア、このフランソフィア王国の第三王女よ。」

「第三王女?」

「えぇ、兄が二人、姉が二人で妹が一人だから私は到底王女継承権は、ないけどね」

「ふーん、じゃあシンラーさんは王族ではあるけどそんなに関係があるとは言えないのか」

「まぁ、そんなところね」

「でもどうして召喚士になったの?」

「この国の決まりで女性は皇位継承権がないから18で、宮中から追い出されるのよ。どうせ追い出されるんだし、先に、いろいろなことを身に付けておいた方が良いんじゃないかと思ったの。それで、王立魔法学院に入ったんだけど……私って魔法の才能がそんなにあるわけでもないみたいだったの。でもどうしても冒険者になってみたくて、いっぱい勉強したわ。そしたら召喚士ならなれるようになったわ。私……いえ、なんでもないわ。でもいざ召喚してみると攻撃魔法を使えない人族だったけど」

「そうだったんだ……なんか最後嫌みに聞こえるけど?」

「あぁでも悪い人じゃなさそうだったから良かったわ」

「ふーん?」

「本当よ!さぁ明日は初めての冒険よ!あなたも楽しみにしてるでしょ」

「まぁそうだけど」

「じゃあ早いところ寝ましょうか」

「うん……っていうか今気づいたんだけどこの部屋、ベッド一つしかなくない?」

「あ、召喚で人族が出ると思わなかったから……それに他の部屋は満室みたいだし……」

「……」

「二人で一緒に寝るしかないわね……」

「あ、あぁそうするしかないね」

(二人で一緒に寝る!?年頃の二人が?ましてやシンラーさんは今も皇族なんでしょ。そんな人と一緒に寝たら俺問題にならないか。もちろん何かするわけでもないが)


 シンラーさんは顔を赤くしていた。多分、俺もだけど。


「な、何か変なことするんじゃないわよ」

「わ、分かってるよ!」


(やっぱり、まぁまぁ離れているとはいえ、同じ年頃の男女が同じベッドで寝るなんて……)

 年頃の高校生にとっては少し緊張するな。いかんいかんそんなことは断じて考えていない。そもそも高校生って……まぁ寝るとしよう。




「ふぁーあ、おはようシンラーさん」

「ふん!」


 朝起きるとシンラーさんはなぜか機嫌を悪くしていた。(俺、なんか悪いことしたかなぁ?)今日の朝食は昨日と同じスープ、もちろん味も昨日と同じで……ってめちゃくちゃ辛かった。


「シンラーさん、何でこんなに辛くしたのー?」 

「自分で考えなさい!バカッ!」

「ふぇっ?」


 殴られた。(そんなに痛くなくても何もしてないのに殴られるのは嫌いだなぁ。)


「何で殴るんだよ!」


 怒ったらシンラーさんは頬を赤く染めて言った。


「昨日、私をあんなにさせたからよ!」

「えー!そんなことに怒ってたの?」

「そんなことって何よ!」


 シンラーさんは泣きそうになって黙りこんでしまった。


「悪かったよ」


 とだけ言ってみたらシンラーさんは泣いてしまった。


____________________________

 結局朝はさんざんだった。(今日は初めての依頼だったのに……)悔やんでも仕方がない……って悔やむことなのか?シンラーさんを連れて待ち合わせの場所に向かった。


「ツルシ?」

「何だよ?」

「武器とかまだ買ってないわよ」

「あ、そうだった、確かあっちだったよね」


 気分を損ねてしまったのか良くわからないが少し拗ねてしまったようだ。本当に女心ってよくわからないよ。


「へい、らっしゃい!」


 武器屋にはいかにも強そうなスキンヘッドのおじさんがいた。商品は剣の他に短剣や刀、魔法の杖があった。


「どれを買えばいいのかな?」

「あなたが使うものなんだからあなたが選んで良いわよ」

「じゃあこれでいい?」


 俺は目がいった、近くにあるそこまで長くない平凡そうな剣を手に取った。少し汚れているが、鋭いのが素人にも分かる。


「えぇいいわよ……って」

「「えーー!」」

「え?」


 いきなりシンラーさんとおじさんが大声を出した。そこまで驚くような逸品だったのだろうか。


「そ、それ何だと思っているの?それ超魔法金剛石よ?そんな希少鉱石いくらすると思ってるの?」

「っていうことはこれ、ダ、ダイヤモンド?」


 知ってしまった俺は不意に手を離してしまった。そこにおじさんが突っ込んできてギリギリ……キャッチ!ナイス!


「でもこれ買えるぐらいのお金あるでしょ?王じ…うぅ、苦しいよー」

「あんた、買ってあげるからばらすのだけはやめて!」

「分かった、分かったから首ーー はぁ死にかけたぞ!」

「こ、これいくらで、でしょうか?」

「い、1シルバーフランです」

「1シルバーフラン!?」


 ここぞとばかりに俺はシンラーさんの耳元で


「王女様」


 と(ささや)いた。


「か、買います!」


「あぁ、まいど」


 といった感じで俺は他人の金でダイヤモンドの剣を手に入れた。とても嬉しかったが、シンラーさんが涙目で抱きついてくる。


「ツルシー、あなたたくさん働かないとコロスからね。うゎーーん」


 案の定泣いてしまった。



「こちらです! 二人とも」

「あ、はい」

「グスン」


 さすがに人前に来たらシンラーさんは泣き止んだ。


「よ、よろしくお願いひます」


 「何かあったのですか?」と言わんばかりの表情でこちらに訴えてくる少女に対して俺は、「気にしないで」と言わんばかりのアイコンタクトを送った。クライアさんはこちらの意図を理解したのか、頷いた。結局案内された馬車の中でシンラーさんはぐったりしてしまった。(何もないといいけどなぁ)とは思いつつもすぐにフラグ回収するとは思ってもいなかった。

投稿日が空いてしまい誠に申し訳ございませんでした。自分勝手ながらこれからも読んでいただけると幸いです。作者は土下座のみなら承ります。

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