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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
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474 うん?あれ?

 真ん丸な我が子との感動(?)の対面を終え、久々にのんびりとした休日を過ごす。

 ここに来る直前にも休んでいたと言われそうだが、あれは休んでいたんじゃ無い。

 サボっていたんだ。


「殿、京の大殿から書状に御座います」


 山内次郎右衛門(康豊)に殿からの書状を渡される。

 また扱き使われるのかぁ。

 志賀の陣を防ぐという今生最大の目的は達成したので、後はもうのんびりと余生を送りたいんですけど…

 仕方無く殿からの書状を確める。

 何々?要約すると、褒美をやるから京に集合しろって事だった。

 いや、褒美より遊んで暮らせる権利を下さい…って、無理だよね。

 多分仕事をしなかったら、殿に首を切られ…斬られちゃうからなぁ。

 史実の右衛門大夫(佐久間信盛)殿の様にはなりたくはないし、仕方無いから怒られない程度の働きを心掛けよう。



 評定が始まると次々に領地が割り当てられていく。

 先ずは西国の話。

 坂井右近将監(政尚)久蔵(尚恒)親子には、但馬国の内、出石郡と朝来郡を除いた6郡を与えられた。

 だいたい10万石くらいだろうか。

 京から離れてしまうが、いきなり10万石貰えるなら良いだろう。

 尾張国や伊勢国にも領地はあるしね。

 残った2郡の内、出石郡は山名祐豊の領有が認められている。

 史実通り、堺の今井宗久の仲介で殿に直談判をし、大樹にも取り入って出石郡の領有が認められた様だ。

 ペコペコと頭を下げる守護の姿に、大樹は大いに気を良くしていた事だろう。

 残る朝来郡は俺にという話だが、生野銀山とその周辺には今井宗久と長谷川宗仁が代官として入るので、全く旨味はない。

 国人衆の統率と共に、宗久等のフォローをしなければならないのでマイナスかな?

 但馬国攻略中に反乱を起こした播磨国宍粟郡の宇野家は、嫡男の蔵人が後を継いだが、赤松家にガッチリ手綱を握られたうえに、領地は半分となった。

 残る半分は赤松家と俺とで折半だ。

 備前国にある摂津池田家の飛び地だが、これは俺の物になった。

 初めは大樹に献上して媚を売ろうとしたらしいが、大樹は備前国なんかに興味はなく、幕臣達も地方へ飛ばされるのを嫌って受け取る者が居なかったようだ。

 家を追われた池田勝正も畿内から離れたくない様で、満場一致というよりは皆が興味薄で俺の領地で良いんじゃない?となったみたいだ。

 こっちは他勢力が入り込む方が面倒だから、有り難く貰っておこう。

 序でに宇喜多家と浦上家に攻め込まれていた松田家は辛うじて生き残っている。

 まあ、浦上家に滅ぼさない様に頼んでいたからなんだが。

 領土的には気にする程も無い程弱体化している松田家だが、日蓮宗とガッチリ一体化しているので、使い道はあるだろう。


 続いて摂津国だが、大樹が勝手に手打ちにしたので色々混乱しているらしいが、俺の知った事ではない。

 別所家が兵庫津へ攻め込み湊を占拠しているのを、池田家が返せと言って揉めているらしいが、俺には関係ない。


 最後に近江国だが、親父が滋賀郡南部に栗太郡の大部分、蜂屋兵庫頭(頼隆)殿が滋賀郡北部、右衛門大夫殿が野洲郡、権六殿が蒲生郡神崎郡の西部と元々守っていた城の周囲を与えられている。

 まあ、この4人は妥当だろうな。

 ただ中川八郎右衛門(重政)殿だけ神崎郡東部の異動になってるのは分からないが。

 城を守れなかったと言っても、朝倉軍の大軍が相手では仕方無いと思うんだけど、どうだろう?


 その神崎郡の北にある愛知郡には六角義治が入っている。

 また面倒臭い事になってるなぁ。

 きっと活躍を無視する事が出来なかったんだな。

 中川八郎右衛門殿の異動は義治対策かな?

 愛知郡の北の犬上郡には、殿の馬廻りを中心に小領を得ている奴が大勢居るのもそのせいか。

 その中に京極高吉も混じっているのは情けかな?


 佐和山城の守将であった磯野員昌は琵琶湖対岸の高島郡へ異動だ。

 史実でも似た様な事になっているので不思議じゃない。

 その後、織田信澄を養子に入れられて、そのまま信澄に家督を奪われて出奔するのかもしれない。

 高島と言えば朽木家も多少勢力を伸ばしている。

 相変わらず山の中なのは変わらないけど。

 高島郡の北部にも何人か人が入っているがその中に堀久太郎の名もある。

 どうやら海津の湊を貰った様だ。


 あと藤吉郎が、坂田郡の横山城から今浜までの範囲を与えられている。

 石高的には2万石くらいかな?

 志賀の陣までに出世して欲しかったのだが?

 今更出世してもらっても遅いんですけど?


「さて、兵部少輔。お主には浅井伊香両郡を与える」


 わぁい!俺が近江国で一番大きい領地を貰ったぜ!

 正直もう要らないけど。


「はっ!」


 殿の言葉に内心を隠し、喜んだ表情で返事する。

 しかしこの江北の2郡だけで、それまでの領地のほぼ倍の石高があるとは…

 あれだけ広いのに…


「しかし、領地は配下の者に任せ、西国の安定に専念せよ。来春行われる朝倉家討伐にも加わらずとも良い」


 まあ、これは手柄を立てるなと言っているのは分かるが。

 越前国になんて行きたくないから、大喜びで承知するけど!


「はっ。承知致しました」


「それと、お主には『長』の一字を与える。これより森兵部少輔長隆と名乗れ」


 こ、これが偏諱ってヤツか…

 しかし、俺の名前から『可』の文字が消えたな。

 もう長可は、於勝ちゃんが名乗っているしな。


「有り難う御座いまする。頂いた名に恥じぬ働きで御返し致しまする」


 まあ、断れないので受けるしかないんですけど。

 しかし、長隆か…うん?あれ?長隆?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >「それと、お主には『長』の一字を与える。これより森兵部少輔長隆と名乗れ」 >しかし、長隆か…うん?あれ?長隆? >小笠原軍は完膚なきまでに粉砕され、長時の弟や息子達も皆、討ち取る事…
[気になる点] 西国の安定か。 取り敢えず、彦五郎の播磨以外での取り立てと宇喜多大和守の所払かの?
[良い点] 無事のリザルトおめでとう御座いまする ちょっぱやで内蔵介殿との万石の約束も果たせそうで何よりですな ……あれ?もしかして鵜八殿は移籍しない方が出世してたかも? まさか、大殿が忘れてるわけ…
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