445 親父に相談だ
弟を宮部家への人質とする事を了承してもらう為、親父の居る和邇城へ急ぎ戻る。
本当は人質になんて出したくはないんだが、仕方がない…やっぱり心配だし、止めるか?
でも、宮部継潤だからなぁ。
史実で人質になった豊臣秀次を直ぐに帰してるし、人質を出してたとしても無事に帰ってくると思うんだよね。
安全な上に成功率も高そうだから、やっぱりチャレンジしておきたいよな。
親父も戦国の人間だし、利があれば許可してくれるだろう。
父上!弟を僕に下さい!…じゃなかった。
「宮部善祥坊が味方となれば、小谷城と目と鼻の先に拠点を持つ事が出来ます。しかし、宮部善祥坊を調略するには時が足りませぬ。弟の何れかを善祥坊に預けようと思いますが、父上は御許しいただけましょうか?」
「…確かに宮部家を味方に出来れば、小谷城攻めにも有利となろう。良かろう、許す」
親父は少し悩むが、俺の意見に同意してくれる。
「坊をと思うておりますが、如何か?」
次男の於勝ちゃんは後継だし、奇妙(織田信忠)様の御付きだから当然却下だし、許可が出たとしても後の事に責任が持てないので却下。
なので、三弟の於乱ちゃんか、四弟の於坊ちゃんのどちらかなんだけど…於坊ちゃんかなぁ。
五弟の於力ちゃんも居るけど、流石に幼すぎるかな。
森兄弟で最も影が薄い(予定)ので、活躍の場をあげたいんだけどね。
もう少し遅ければ、俺の子が生まれるんだけど、男か女かも分からんし、継潤も乳飲み子を渡されても困るだろうしな。
…そういえば、もうすぐ子供が生まれるんだったよ。
やっべぇ~、殿に調略を命じられなければ、そのまま赤穂へ帰るところだったよ。
今の時代、それで責められる事はないけど、夫婦円満の為にも、この戦が終わったら岐阜に顔を出そう。
いや、これは今は関係ない話だな。
「いや、坊はまだ四つだ。早かろう。乱も五つだが、誰に似たのか年の割りに利発な子に育った。乱の方が良かろう」
於乱ちゃんか…勿体無くない?
出世間違いなしで於勝のスペアどころか見劣りしない於乱ちゃんより、どうなるか分からない於坊ちゃんの方が…
まあ、絶対無下にはされないだろうし、直ぐに取り返すから良いか。
「宜しいので?」
「お主の事だ、よくよく考えての事であろう?」
「はい…」
そ、そうだよ!
よくよく考えての事さ!
「宮部家の事はそれで良いとして、その後は如何致す積もりだ?そのまま東野家へ参るのか?」
「小谷城攻めが始まるまでは、国人衆への声掛けを行おうと思いますが、その後は東野にて撤退してくる朝倉軍へ追い討ちをと考えております」
流石に撤退する敵の前に立ち塞がったりしたら、被害が大きいからな。
追撃なり横撃なりで敵の数を減らす方針で。
「あまりやり過ぎるなよ」
「小谷城攻めには参加しませぬ故、やり過ぎるという事はありますまい」
心配なんかしなくても、もう裏方に回るんだから、これ以上の活躍なんてしようもないよ。
さて、上洛前にヘッドハンティングに失敗した奴等に再度使いを送ってみますか。
数人くらいなら寝返ってくれる…かもしれんし。
片桐家なんかは無理かもしれんな。
石田家は…今どうなってるんだろう?




