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討ち死になんて勘弁な  作者: 悠夜
31/554

 30 宴会

 いつも正月は、新年の挨拶をしたあと親父が清須にいってしまうので、出入りの商人などの挨拶を受けないといけない。

 まだ元服前なのに・・・


 だが今年は、親父とともに清須へ行くことになった。

 お酒の事とか、お酒の事とか、お酒の事とかの話をするのに俺がいた方が話が早いという事らしい。

 まあ、屋敷にいるだけで何もする事はないらしいが。

 領地を貰ったのだから顔を出せ、とか言われたら嫌だな。


 そんな事よりも清須にいる間、下方貞清に槍の稽古をつけてもらえる機会を作ってくれたそうだ。

 やはり腕をあげる為には、格上の相手とやるのが一番だ。

 小豆坂の七本槍の一人で、権六様よりも槍働きで活躍している下方貞清に、稽古をつけてもらえる。

 強くなるのが楽しくなってきたので、どんどん格上と闘っていきたい。


 あとの事は爺ちゃんにまかせ、お供に増田仁左衛門、兼松又四郎、山田八郎右衛門、戸田三郎四郎、安食弥太郎を連れて親父と一緒に愛馬・能丸に乗って清須へと向かう。


 蓮台と戸田の領地を行ったり来たりするので、熱田の戦いで乗った馬を譲って貰った。

 何の変哲もない極々普通の馬だが、おとなしくて操りやすいのが利点かな。

 能丸と名付けて可愛がっている。

 名前の意味は、皆は()(良)き馬だと思っているが、英語のノーマルからだ。



 清須に着いても、俺が殿に会う事もなかったので、正月三日は特にする事はない。

 親父も宴会で遅いだろうし。


 と思っていたが、何故かうちの屋敷で宴会が行われている。


 主だった参加者は、親父の親友の柴田権六勝家、親父の側室の義兄である佐久間半羽介信盛、その弟である左京亮信直、勝家の義兄の佐久間久右衛門盛次、姻戚関係のある塙九郎左衛門直政、前田与十郎長定、稽古を頼んでいる下方左近貞清、蟹江城の城主である滝川彦右衛門一益、前野将右衛門長康の兄である小坂孫九郎宗吉、弟の前野小兵衛尉勝長、勝長の義兄弟にあたる佐々内蔵助成政。

 前に宴会した時にもいた、服部小平太一忠、弟の小藤太弘宗、毛利新介良勝、湯浅甚介直宗、加藤又八郎順政も参加している。

 正直逃げたい。


「いやー、某も小太郎のような立派な跡継ぎが欲しいものだな」


 とか言いながら、親父に絡んでいる佐久間半羽介様。

 あんたの子供は…頑張れ!

 というか、あんた自身が追放されないように頑張れ!

 


「滝川様、今後とも宜しくお願い致します」


 まずは蟹江城城主の滝川彦右衛門様に酒を注ぎに行く。


「おお、これは小太郎殿、忝ない。蟹江の背後に小太郎殿が控えておると思えば、なんとも心強いことだ」


 子供にお世辞とは、中々な人だな…いや、兵隊寄越せの催促だろうか?


「滝川様は北伊勢より尾張への堅固な防壁故、尾張の守りをお任せして、某は心置きなく戸田のことに思いを凝らせまする」


 戸田での米作りに集中するんだから、面倒事を持ってくるなよ。


「戸田の地は蟹江のすぐ隣。何かあれば宜しく願いたい」


 蟹江城が抜かれると戸田もヒドイ事になるからな。こちらの方こそ宜しくお願いします!


 話し終わって周りを見渡すと、なんか客が増えとる!

 酒か!酒のせいか!

 挨拶に来た人が、どんどん部屋にやってくる。

 派閥は、どうした!派閥は!



 今の織田家で有力者は誰だろう?

 筆頭家老の林佐渡守秀貞様は、筆頭家老でありながら、殿の弟である織田信勝に付いて発言力が落ちている。

 次席家老の佐久間半羽介様が、今一番力があるか。

 親父の側室の姉が嫁いでいるので、森家と仲は悪くないはず。

 柴田権六様は、信勝の家老だったが見切りをつけ、浮野の戦い前に鞍替えしている。

 まだ干されているっぽいけどこれから出世間違いなし。親父の親友。

 滝川彦右衛門様は、蟹江城城主として、伊勢方面の守りの要となった。俺の領地のお隣さん。

 村井吉兵衛貞勝殿は、森家の親戚である塙家の娘と大殿の間に生まれた子である於勝丸様を養育しているが、ウチとはあまり接点はないな。

 於勝丸様は、ウチの於勝ちゃんと名前が被っているしな。

 池田勝三郎恒興殿は、殿の元小姓にして、乳兄弟にして、義兄弟。滝川彦右衛門様の親戚だ。


 あとは誰だ?蜂屋頼隆、河尻秀隆、丹羽長秀、島田秀満、簗田政綱、斎藤利治、岩室重休、坂井政尚などは繋がりが薄いな。

 いや、坂井政尚は親父と仲が悪いという事で、逆に濃い関係なのか?

 まあ、今後の課題か。


 あっ、内藤勝介……まだいるよね。

 殿が先代様より那古野城を与えられた時に付けられた四家老の一人。なにしてるんだろ?


 そして我等が美濃衆の旗頭(?)、鷺山殿(濃姫、帰蝶)。

 美濃攻めの大義名分という以上に縁の深い方だ。

 我が母である営は、鷺山殿に侍女として仕え、尾張へとやって来た。


 大殿と鷺山殿の仲は、別段悪くはなさそうでよかった。

 奇妙丸様の養子入りがなれば、そのままスムーズに次代へとスライドできそうでなによりだ。


 本能寺の変では、逃げてくださいね、奇妙様!

蟹江城を織田家が奪った年がわからなかったので、桶狭間前にしておきました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 林も佐久間信信も追放されなきゃ織田家中で余りにも強すぎるねん 森家も小太郎君が頑張りすぎて同じ目に合わんよう閥は程々にしないとね
[気になる点] 物語を読んでいるというより、名簿を見ている気分 なんの面白みもない
[気になる点]  此処まで読んできましたが、特にエピソードも無いのに名前だけ出てきて、よしみを通じてます的な話しばかり、印象に残らない、一々名前出す意味があるのでしょうか。  人脈作りは大事だとは思い…
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