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53,ウロボロス

 空気が音を立てた。

 靄が晴れ、ピラミッドの頂点があった場所から何かが跳ねた。

 そのままドゴンと地面を揺らしながらすぐそこに落ちてきたそいつは、光の輪を背にした大蛇。

 今まで相対してきた中でもトップクラス、息をするのも忘れてしまいそうなくらいの存在感と圧迫感を纏いながらゆっくりと頭を持ち上げ俺を見下ろしてくる。

 視線が合うとテレパシーのように頭の中に言葉が響いてきた。


『……お前か。我はヤヌスの眷属、ウロボロスと呼ぶがいい。まずは、封印を解い』


 その途中、背後に神機兵の影が現れる。

 ウロボロスの登場に驚いて完全に神機兵のことを忘れていた。

 こちらに首を向けながら話していたウロボロスに神機兵がこれまでで最大級の波を放つ。放散型でない一転集中のような波が直撃し、爆発する。


「ウロボロス!!」


 ウロボロスの体が壁になってくれて中に居た俺は爆風で巻き上がった砂をかぶっただけで済んだ。

 だが、直撃したウロボロスは無事では済まないはずだ。


『好き勝手してくれたようだな。逝ね、モーテスの土人形が』


 声がしたとたん強風が吹き荒れ、目を一瞬だけつむってしまう。

 次に目を開けた時にそこにあったのは、振るわれた尾と、宙を舞う神機兵と姿。

 ウロボロスは何事もなかったかのようにもう一度、尾を返して神機兵を地面に叩きつける。地面が砂であるにも関わらず尾を上げた後に現れた神機兵の姿は完全にスクラップと化していた。


『さて、話の続きだ。どうやってここに来たかわ知らんが、目的を聞こうか。内容によっては手を貸してやってもいい』


 首の向きすら変えていない、何もなかったかのような平然とした口調からはウロボロスが持つ性質ポテンシャルがどれほどものなのか十分に把握できる。

 そのことに竦んでしまい返事ができないでいた俺にゆっくりと、だが避けることを許さないように尾が動かない両腕に近付けられる。

 患部に触れられた痛みが走った気がするが早いか、次の瞬間には指先の感覚が戻ってきていた。


「あれ、動く?」

『封印を解いてもらった礼だ、遠慮はするでない』

「あ、はい。それで俺が封印を解きに来た理由は力が欲しいからです」

『ふむ。契約というで間違いないか』

「はい、そういう事だと思います」

『そういう事? まさか、契約は誰かに言われてきたのか』

「一応。契約して来いって言われて、気づいたらここに来ていたんで」


 話を進めるウロボロスに少し緊張しながらも受け答えはしていたのだが、急に黙り込んでしまう。

 何か気に入らないことを言ってしまったのだろうか?


『まあ良い、我の結界を破壊できれば契約を履行してやろう』


 それだけ言うと開けた場所に移動して自身を覆うように半透明の障壁を魔法のように出現させる。そのままウロボロスは結界の内側でとぐろを巻くと目を閉じて眠ってしまった。

 その行為の魂胆には絶対に結界を破られない自信があるのだろう。


 鎌を拾い上げたついでに残り時間を確認してみると、まだ時間は十分にある。

 まあ腕も治ったことだしやってみるか。気を引き締め直し、ウロボロスの創り出した障壁目がけて鎌を振り下ろした。



来月いっぱい更新はお休みさせて貰います。

次回は12月1日の更新予定です。

止めるわけじゃないよ!

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