22,昼休み
教室に戻った後のことを結論だけ言うと、話は通じ、いくつか質問をされた位だった。
文目が何か言ったのか、女子の大半が俺を擁護する意思を示したため、男子も強くでられず俺の捕獲作戦は終了となったというわけだ。
その後の授業は何もなく過ぎていき今は昼休み、教室で昼ご飯を食べるていると周りが騒がしそうなので、再び屋上に行って食べることにした。
別に一人悲しく食べるわけでない、去年同じクラスだったゴリ男と一緒だ。いないのは先に屋上にいるだけ。大事なことなので二度言っておくが、普段だと屋上には星月先輩や霧立さんもいるので一人というわけでない。
ちなみにこの学園の時間割りは始めに二時間授業を受けた後、中休み、授業が二時間、昼休み、最後に授業を二時間したあと下校となっている。案外、休み時間が長いのが特徴だ。
その分、今日のように始業式の日なども一日授業けど。
「しかし、日々野もゲルトナーの隊員だと遂にバレてしまったか。これからは人気者じゃないのか」
「そんなことあるかよ。十三番隊って知ったら誰も関わってこなくなる方が可能性大だろ」
ゴリ男は防衛班だから尊敬されているところがある。学生でありながら働いているようなものだからな。
星月先輩が一三番隊に所属していることを学園の人に知られているせいで、もし所属部隊まで知られれば問題児のレッテルを貼られてしまい、波風立たない学園生活とは完全におさらばだ。
落ち込む俺にゴリ男は追い打ちをかけてくる。
「気づいてないかもしれないが、お前も結構問題児として知られてるぞ」
「は? つまらない冗談はやめろよゴリ男」
「いや本当だ。例えば妹さん事であったり、有名なのだと去年の不良グループを成敗したのはお前だと言われている」
「冗談だろ! あのチンピラを倒したのは俺だけじゃないはずだぞ。後、義妹だ」
あのことを知られていたとは……。
去年の夏頃、確かにここらで名のある不良集団を倒したのは事実。
しかしあの時、星月先輩とゴリ男、あと風紀委員と一緒に行って戦ったはずだ。
「まあ、良いじゃないか。それより早く飯くってしまおうぜ。しばらくしたら人が集まってくるだろうしな」
「後で詳しく聞かせて貰うけどな」
誰がそんなデマを流したのか気になったが、もう暫くするとお昼ご飯を終えた人たちが集まってくる。
その中に、また文目のことを聞きに来る奴でもいれば面倒だ。
そう思い、持ってきていた弁当をかきこむ。白米と昨日の夜ご飯の残りだが高校生にしては上出来だと自負している。
食べきるのが少し遅かったようだ。数人が屋上入ってくる音がしてそちらを向いた。
「日々野、ここにいたの。教室にいなかったから探したんだから」
「文目、探してたってなにか用? あと委員長も一緒か」
「えーと、食堂に案内してもらって食べ物を買ったんだけど、皆が集まってきて少し困ったから逃げてきたの。授業変更がどうとか、変わった生き物とか、放課後お茶しないとか言われてね」
「私はクラス委員として案内してただけだから、別に用はないわ」
そう言う文目は袋いっぱいのパンを手に提げていた。委員長の方もお弁当箱を後ろ手に持っている。
ここがよく分かったなと思ったが、たぶんこの腕輪で察知でもしたのだろう。
「なら一緒に食べるか。ここだと誰か来ても騒ごうとしないだろうし」
「やった、まあ初めからそうするつもりだったけどね。もう今日はずっと緊張してたし授業は難しいし、とっても疲れたわ」
「お疲れさま、まだ授業残ってるけどな」
その緊張は図り得ないだろう。
何度も言っているが、もし文目の正体がばれれば大変なことになるから周りに気を付けなければならない。
ただそれ以外にもたくさんの人と話したこともあるだろう。
「おい、おい日々野」
「ゴリ男どうかしたか」
馴れ馴れしく肩を組んでヒソヒソと耳打つ。
いつものような豪快さがないのが気持ち悪い。
「どうかしたじゃねえだろ! あの可愛い子は一体誰なんだ。お前みたいな無愛想な奴があんな仲よさげに話してる訳を教えろ!」
「ああ、まだ紹介してなかったか」
さっきから黙っているとは思っていたが、そういうことだったか。
そういえば、まだゴリ男は文目と会ったことがなかったな。文目自身この街に来て話した人といえば、ゲルトナーにいる医療班の人と十三番隊の俺たち、後は家のご近所さんくらい。
「文目」
「何?」
「こいつはゴリ男。いちいう防衛班の人で隣のクラスにいる知り合い」
「日々野にも友だちいたんだね。よろしく!」
「他にも友達いるからな。それでこの子は花道文目。この前の神緑人戯の時に助けて知り合って俺と同じクラスにいる」
「ハハハ、日々野君知り合いとは酷いじゃないか。花道さんよろしく。本名はゴリ男じゃないよ」
両方の簡単な紹介だけしておいた。ゴリ男の方は急に紳士的なしゃべり方をしてキモいが、一時的なものだろう。冗談じゃなければ、俺が責任もってもとの口調に戻してやる。
委員長は去年同じクラスだったし文目とも仲が良さそうだからいいだろう。
「少し聞きたいんだけど日野君、文目ちゃんとはほんとの所どうなの」
「委員長、ほんとの所ってどう言うことか詳しく頼む」
「朝、文目ちゃんが日野君とつき合っているみたいなことを言ってクラスをザワつかせたのよ。で、それはどういうこと?」
「黙秘権の行使を主張します」
「お前にその権利は今ない! 洗いざらい吐いて貰おうじゃないか!」
ゴリ男の紳士モードが一瞬でなくなる。
こいつの対処はどうでもいいが委員長にはなんと言おうか。
「その話、俺も聞かせて貰おうか!」
ドアを蹴り破りながら一人の男が現れる。これ以上誰が来るんだと思ったら星月先輩だった。
「日々野に恋人だと! あの腕輪の人かどうか聞かせて貰うぜ、知り合いも気になってるからなあ!」
「日々野、大人しく全部言え。そしたら命だけは助けてやろう」
「もちろん、文目ちゃんも一緒だからね」
ゴシップの何がそんなに良いんだ!
あっという間に距離を縮め星月先輩も加わり、三方向から迫られて逃げられない。
もう諦めるしかないのか……。
「文目、どうしよう」
「もうつき合ってることにした方が良いのかもね……」
文目も諦めかけているようだった。
今回自分でも途中で書くのをやめようと思ったほど稚拙です。
次から頑張ります。
次回
そろそろ戦いのシーンが書きたいです……。




