14,村の分裂
あらすじ:ディーゼルにての説明回
そして出撃・・・
「アーヤーメーちゃーん、起きて~皆もう集まってるよ~!」
村に戻ってきたらタケ姉がドアをたたいていていることに驚く。
いまの時間を確認、そこでなぜそんなに焦っているのかが分かった。
「タケ姉ごめん! 今起きたところだから、先に行って!」
「分かったけど、急いでね~」
焦る気持ちの中、とりあえず、どこに行っていたのか聞かれなかったことに安心です。
昨日いろんなことを聞いてたからバレるかもしれないと思っていたのに……タケ姉が少しおバカな人でよかった。
準備を終えてすぐに家を飛び出す。
皆が集まっている場所はいつもの集会所、ちょうど世界樹の真下にあります。
走って数分の距離はあっという間、到着と同時に村の会合が始まりました。
「うむ、全員そろったかの。それでは終わるとするか」
「「「「始めます」」」」
「冗談じゃよ、まあ今度こそ始めるぞ。まずはこの中であのバカ共に会った者は前に」
このボケ、いえボケ長老の言葉に私を含め三人が立ち上がって前にでる。
周りとは一段だけ高いところにある長老席の隣に並びました。
「他にはもうおらんかの? ならば皆の者、ここにおる三人からすでに聞いておるかもしれんが、バカ共が仲間を集めておる。儂はそれを止めるつもりはない。各々がそれぞれの考えを保てばよい。じゃがな、あのバカ共のように森を守るため人間を倒す事が正しいと思っとる者がおるかもしれんがそれは違うぞ。命を奪うという行為は元来あってはならん。其れだけは忘れんでおいてくれ、儂が言いたいのことはそれだけじゃ」
長い言葉を言うことに疲れたのか、それとも熱くなったのか息が少し荒くなっています。
息が整うと今度は横に並んでいる私たちの方を見てきました。
「それでのう、三人にはどう思っているかを話して欲しいのだが良いかの?」
並んだ順でいくと私は二番目、急いで何を言うか考えます。
隣のリンドウさんは考えがすでにまとまっていたのか話し始めました。
「トリカブトは確かに禁忌を犯してこの村を追放された。だが、俺はその時から考えていた、本当に奴の考えが間違ってるのかってな。俺は奴との話と長老に言われたことで決心した。村を出る、そしてトリカブト達と共に動く」
それだけ言うとリンドウさんは段を降りて、
ここから出て行った。
集会所にいた皆が騒がしくなるなか、長老だけが落ち着いたまま私の方を見ます。
「それではアヤメ、お前はどう考えておるのだ?」
まだ考えがまとまっていない。
けれど、騒がしくなっていた場も次に話す私に視線を向けて、催促しているかのように思えてしまいます。
「わ、私は人間を待ちたいです。確かに人間は森を壊しています。でもそれ以外の人が、彼らの中にいることを忘れないで下さい! だから私は戦いません。この村をでるつもりはありません。それが私の答えです」
焦って少し噛んでしまいましたが自分の想いはなんとか言い切れました。
まだ混乱している人も多く、話が終わるやいなや周りの仲間と話し始めています。その中でタケ姉だけが隅の方で小さく拍手をしているのが見えました。
それに安心してホッとする。
「うむ、このように考え方は人それぞれ。最後にボタン、おぬしはどうだ?」
最後の一人、ボタンに聞きます。
彼は相変わらず自信のあるような表情で、待っていましたか、とでも言うように腕組みを止める。
自信過剰で目立ちがり屋、しつこくつきまとわれていたりもする。だから私は彼のことがあまり好きではないし村の中でも浮いている。そんな彼が何を言うのか少し気になっていた。
「俺様の居場所はここじゃないと前から思っていたんだ。だから、俺は村を出る。さらば!」
相変わらずの、頭が大丈夫か疑いそうなセリフだけ言うと去って行く。
さすがにこれには村の皆も唖然として静かになる。
「まあ三人の想いは皆聴いたな。後は自分で決めるのじゃ。それではこれで終わるとするかのお、何か言いたいことのある者はおるか?」
長老がまとめに入ったところで日々野から言われていたことを思い出す。
あの神緑人戯のことだ。
「あの、一つ言いたいことがあるんです。明後日森に人間達の討伐隊がくるらしんです。だから争いを減らすために出来るだけ、人間と会いそうな範囲に入らないよう気を付けてもらいたいんです!」
「誰が言ったことなんだよそれ」
「信憑性ってやつがなあ」
いくつかの野次が飛ぶ。他の人も今の言葉について不思議そうにしている。
説明が足りないのは分かっているが日々野のことは言えない。
どうしようか悩んでいた時、
「分かったよ~、ちょっとでも~危険は避けたいもんね~」
「そうじゃのう、とりあえずそういうことだ。それではこれで解散とします」
タケ姉が声を出してくれました。それにつられて長老が終了の挨拶をして皆ぞろぞろ家に帰って行きます。
どれ位の人が話を信じてくれたか、後は今の話し合いでトリカブトについて行こうとした人がいたことにも心配です。
「アヤメちゃ~ん、大丈夫だった? 泣いたりしてない? よく頑張ったね~」
「タケ姉、恥ずかしいから止めて!」
出て行く人が多いのにタケ姉は逆方向へ向かってきたかと思うと抱きついてきた。
更には赤ちゃん扱いするような言葉もかけてくる。
何人かが振り返って笑っているのを見ると恥ずかしさも増してくる。
「タケ姉分かったから一旦外に出よう。私の家にいて良いから」
「オッケ~、それなら行きましょ~」
なんとか家まで連れてくることには成功しました。
どうして家に連れてきたかはタケ姉がどっちなのかを聞くためです。
「アヤメちゃん、そんな心配そうな顔しないで。私は戦いまくりたいわけじゃなくて~、心が燃えるような戦いが好きなの。だからトリカブト達みたいな事はきら~いなんだよ」
心を読んだのか、聞こうとしてたことを先に答えられる。
そんなに顔に出やすいのかな?
「心を読んでるわけじゃなくて~、アヤメちゃんは顔に出やすいのよ~」
顔に出やすいの範囲を超えてると思います。
タケ姉とは長い付き合いになるけどそんなこと初めて聞きました。
「私もアヤメちゃんにききたいことがあったのよ。昨日私にいろいろ尋ねてきたけど、誰か彼氏でも出来たの?」
まさかあの話を持ってくるとは思っていませんでした。
それも戦いの時にみる真面目な態度でです。
昨日聞いていた事は、印象を良くするにはどうしたら良いかとか、人間の食べ物はどんな物なのかとかです。
別に日々野のことを気にしたわけじゃなく人間に正体がばれないようにするためを思って聞いただけ、恋愛感情とかはないつもりです。
確かに、可愛いといわれたときドキドキしたりふと相手のことを考えたりしますが違うはず……。
そうです、彼はいわゆる好敵手だとか相棒の類です!
「彼氏じゃありません! たぶん好敵手です!
昨日聞いたことはなんとなく聞いてみただけ!」
「なら好きな人は?」
「好きという気持ちが分からないんだけど……」
「好きって言うのは、相手のことを考えたり胸がドキドキすることよ!」
「それが好敵手なんじゃないの?」
そう言うとタケ姉はガクリと下を向いてしまいました。
何かいけないことを言ったのか自分の言葉を思い出していく。
「これじゃあ、相手がかわいそうなくらいだわ……」
何かボソボソと言ったけど聞こえなかった。
今一度自分の言葉を思い出したけれど何がおかしいのか分かりません。
「まあ、いいわ。それじゃ~お姉ちゃん、帰るね~」
いつもの喋り方に戻って少しふらつきながら帰って行きました。
最後まで何がおかしいのか分かりませんでした。
「やっぱしお前は来たかリンドウ。村を出される前から考え方が似てるとは思ってたんだよ」
村を出てしばらく、トリカブトに言われていたところに来ると他に数人ほどがいた。
真ん中に立ってリーダーのようにしているがその通りなんだろう。
「言っておくが、俺は人を殺すためにここに来たわけじゃない。あくまで、自らの考えがお前と一致しただけだ。もし互いの目的が異なる事があれば、俺はぬけさしてもらうぞ。」
「キサマ、ナニサマノツモリダ!」
トリカブトが集めたうちの一人が怒り、立ち上がるがそれを止めながらトリカブトが言う。
「分かってるって、お前がそう奴だって事は。だけど安心しろ、俺は決めた道を曲げるじゃないって事は知ってるだろ」
「ふ、そうだったな。暫く会ってなかったもんで忘れていた」
昔のように話が出来る。それに性格も変わっていないようだ。
相変わらずふざけた口調だが、その心は誰よりも心が通った奴だと知っている。
「それじゃあ、これくらいの人数でいいかな? ならさっそく明後日の昼頃、宣戦布告なら反撃布告をするぞー。あ、リンドウ、悪いんだけどボケ長老たちに伝えてきてクンね? 一番真面目そうだから、長老も見逃すでしょ?」
「村から出てきてその日に戻るか、明日でもいいか?」
「いちおう反撃布告までに伝えてくれたらいいから。そこら辺はお任せで~」
適当な決め方だがまあいいだろう。肯定を示す頷きでその場はまとまった。
これからどうなるのか、それは俺たちが決めようじゃないか。
植物人の名前について
人間だと漢字で、植物人だとカタカナで呼ぶことにしています。
(ミスがあるかもしれませんが……)
なので今回初登場の長老は、ボケ=木瓜、なのでお気をつけを。嫌われてるとかじゃないんで。
後、日々野もいつかそうなるかも知れません。
ただの草花だと漢字です。
次回
夢落ちから始まり遂に神降臨、あとあのポッチャリも! そして始まる神緑人戯! 読んでみてね。




