6話 港町スピネル(2)
作戦会議を始めようとした途端、二人のお腹が同時になる。
「うっ...。」
「ハハハ。とりあえず飯にするか。腹が減っては戦はできぬというしな。」
と言いながら宿屋の厨房を借りれるか交渉する。
「厨房借りれたし、材料はお前ら二人に任せるわ。」
「了解した。」
二人に食材は任せて作戦会議の準備をしつつ、二人の帰りを待つ。
「ただいま~!」
「お、おかえり~。どうだった?」
「こんな感じだよん!」
二人して買ってきたせいで、量がすごいことになっているが相変わらずニンジンと肉と小麦とバターと牛乳だけはきっちりと買ってくるライラ。
「お前ら...二人して別々に買ってくるこたねぇだろ...。んまぁいいや。」
「ん...?ニンジンと肉と小麦とバターと牛乳って...ライラ。お前か。」
「あ、ばれた~?えへへ。アビスがあの時作ってくれたシチューがおいしくてつい。」
「うぇ!?アビスって料理作れるの!?」
フェリスが驚いた。
「ん?あぁ。メシくらいは作れるぞ?さっきライラが言った通りだしな。」
と言いつつ、材料の確認に戻るアビス。
「お?この世界にも豆腐みたいなのはあるのか。」
「これ魚で作った練り物なの!味は淡泊だから!」
「この練り物の名前は何だよ...。それわからねぇと割ときちいぞ。」
と言いながら一応味見をしてみる。
(これ...こっちで言うはんぺんだな。)と思う。
「これ結構好きなんだよねぇ!」
「オレの得意料理のもう一つを見せてやろう。」
「おお!楽しみだ!」
「オレの包丁捌きを見れるのはレアだぜ?」
と言いながら華麗な包丁捌きを見せるアビス。
「おおおお~!」
ライラが近づいて見てくる。
「ん?フェリスはいいのか?」
「そうだよ~。フェリスもこっち来て見なよ!」
「わ、私は別にいいのっ!興味ないし!」
「んまぁそう言うなって。こっち来いよ。」
アビスがそう言うと、恥ずかしがりながらこちらへやってくる。
「じゃ...じゃあ少しだけ...。」
そう言いながら覗き込む。
「わぁ...いい匂い。」
「もう少し待ってな~。」
と言いながら唐突に思い出したかのように聞く。
「そういえばお前ら辛い物大丈夫か?今作ってるやつ割と辛いやつだったんだけど...。」
「ん、大丈夫だよ~。」
「私はちょっと苦手なんだよね...。」
「フェリスは食えるけどライラはダメなのか。んまぁライラにはシチューあるしな。」
そう言いながら手際よく料理を出していく。
「ほい出来上がり。食べようぜ~。」
「いただきまーす!」
3人で取り分けて食べるが、シチューだけは相変わらずの速度で消える。
「ライラ...いやもう何も言わん。好きなだけ食え。」
「子供だね...。」
「いいじゃん!好きなんだもん!アビスが作ったシチュー!」
と言いながらフェリスとアビスは、魚の練り物と炒めた肉を食べる。
「お、いい感じにできててよかったわ。うまい。」
「ほんとだ!すごくおいしいよこれ!アビス!もっと食べていい!?」
「ん?構わんけど。」
「わーい!」
「人に子供だねって言っておきながらフェリスも意外と子供なんだね...。」
「うっ...うるさい!」
「はいはい。喧嘩せずにメシは食え。この後作戦会議なんだから。」
「はーい。」
そう言いながら二人は食を進めた。




