4話 マーズガル領の罠
アビス達が旅へ出てすぐ、王都パシフィスの関係者らしき人がライラに話しかけてきた。
「あなたがライラックさんですね?」
「ん、こいつに何か用か?」
アビスが言う。
「私はライラックだが...。」
「私は王都パシフィスから来たトライヴ・パシフィスだ。」
その瞬間、アビスよりも先に動いたのはライラだった。
「お前か...。私の親を殺ったのは...!」
切りかかろうとしたが、あっけなく吹っ飛ばされてしまう
「何の話だね。キミと私は初対面のはずだ。」
「嘘をつくなァ!私の目の前で貴様は親を殺した!私は復讐するために貴様のとこへ行こうとしたんだァ!!!」
アビスが言う。
「おいライラ!落ち着け!お前はここで死にたいのか!?吹っ飛ばされたので実力差は明白だったろ!」
アビスが叫ぶと、ライラが落ち着きを取り戻したが、相変わらず殺意だけは感じる。
「ライラ、こいつには何かある。王都へは行かないほうがいい。」
抑えられながらもライラは言う。
「嫌だ!こいつは私から親を奪った奴なんだ!行かなくちゃいけないの!」
「落ち着けって!お前が居ないとオレにはどうすることも出来ないんだぞ!!」
確かにそうだ。アビスはライラが居ないと場所もわからない、一人で戦えもしない。
アビスは必死にライラを抑える。
「離してよアビス!!!」
あまりにも暴れるので離してしまうアビス。
(頼むから切りかかるなよ...。)
「トライヴ!私はあんたを殺すまで恨み続ける!」
トライヴが言う。
「だから私はライラックの親を殺してなどいない。王都アスタロトの貧民街に住んでる盗賊が居たが突然と姿を消した、という情報を聞いたから尋ねたんだが...。」
「なるほどな。」
アビスが納得した。
「どうりで怪しいと思ったぜ。ライラ、これは罠だ。お前を王都パシフィスへ向かわせ、トライヴと話した後に、兵士たちに殺させる...。といったところかな?トライヴ・パシフィスさんよォ。」
「ご名答。そこのお兄さんはよくわかっているようだね。」
「その通り。私はライラックを王都へ向かわせ私と話をした後、兵士に殺させる予定だったんだが、あまりに来るのが遅くて心配して私自身が出向いたのだよ。」
「やはりそうか。だとしたらそいつぁ残念だ。悪いがこいつはオレと旅してる仲間なんだ。手ェ出したらオレがてめぇを殺る。」
「おや、もうこんな時間か。長居しすぎたようだ。これにて失礼。ライラック、キミのことを待ってるよ。ククククク。」
トライヴは飛び、一瞬で消えた。
「ふぅ。ライラ、頼むから無茶はしないでくれ。今はお前だけが頼りなんだからな。」
「ごめん、アビス...。抑えてくれてありがとう。あのままだったら私は死にに行ってた...。」
アビスがライラの頭を撫でながら言う。
「過ぎたことは気にすんな!こうしてライラは生きてんだ。それでいいじゃねぇか。だろ?」
「うん...。」
「んで、とりあえず王都へは行くのか?」
「王都へは行く。ここからじゃ戻るのにも大変だし。」
「ん、了解した。ほんじゃ、再出発しますかね!」
ライラの暴走を抑えたアビス。この時からアビスに若干の違和感があり、嫌な予感がよぎる。




