2話 田舎町バロニア
旅に出てはや三日、アビスは行く先など知らずにライラについていく。
「なぁライラ、行先はどこだ?」
「まぁまぁ大丈夫だよ!私についてくれば!」
「どっから出てくんだよその根拠...」
「私はね、ある人物に合わなくちゃいけないの。」
「ある人物?王都にいないやつなのか。」
「そうそう!その向かってる場所にいるんだよ。だからそっちに向かってるの!」
「なるほどなぁ。」
ようやく、それらしき町が見えてきた。
そこは小さな一つの田舎町。ライラの出身らしい。
「ふぅ。やーっとついた!意外とかかったなぁ。」
バロニア。田舎町ではあるが、食料と武具がそこそこあり、優しい人たちが多いのが特徴。
「田舎町か。」
「そ!私の出身なの!本格的に旅に出る前に顔出しておかないとね。」
町中を見てる途中、話かけてくる村人。
「ライラックー!久しぶりじゃん!王都にいたんじゃないのか?」
「それがちょっと訳ありでね。こいつと一緒に旅に出ることにしたんだ。それで出る前にここに寄ろうと思ってね。」
「なるほどね!ゆっくりしてきな!兄ちゃん!」
「あ、あぁ。ありがとう。」
気やすく話しかけてきたので、ちょっと動揺するアビス。
家から出ない生活を送っていたせいで、会話するのが難しい。
町人から優しく話しかけてくれるだけまだ助かってると思うアビス。
「あ、そうだアビスー。ちょっとうちに来てくれない?」
「ん、別にいいけどなんか用事か?」
「いや、ただうちに寄って荷物の整理してから行きたくて。」
「なるほどな。んじゃぁついでに買い物も頼むわ。オレが飯を作ってやろう。」
「りょーかい!適当にあるもん買ってくるね~。」
ライラと別れてから、武具屋を探した。
「どこだ...武具屋。見つからんぞ...。仕方ない、聞いてみるか。」
町人に武具屋の場所を聞くと、ライラの家のほうに指を刺した。
「ありがとうございます!助かりましたー!」
お礼すると町人は「頑張れよー!」と言ってくれた。
(何を頑張るのだろうか。)と思いながらアビスは手を振った。
「さて、この辺だったと思うが...。」
武具屋を探してると、ライラとたまたま合流した。
「あれ?アビスどうしたの?こんなとこまで。」
「あぁ、武具屋を探しててな。町人はライラの家の近くだって言ってたからこの辺なのかなと。」
「あー...了解した。んじゃぁ買い物もう少しで終わるからそれ付き合ってくれる?」
「ん、はいよ。」
買い物を済ませるとライラは自宅へ足を運ぶ。
「あれ?ここライラの家だよな?武具屋は?」
「ここだよ?」
「は?お前の家武具屋だったの?」
「うん。言ってなかったっけ。」
「いや初耳だわもっと早く言ってくれ...。」
とりあえずお望みの物をいただくアビス。
「本当にこんなんでいいのか?」
「あぁ、こいつがあれば基本戦えるようにはなる」
アビスがもらったものとはメリケンである。
「もともと身体は鍛えていたから何とかなるだろ。これだけじゃ心許ないけど、ライラもいるしな。」
「んまぁ私はある程度強いしな、あんたはほかに魔法も使えるようになれればなぁ...。」
「オレにそんな要素がどこにある!?」
「練習すれば誰でもできるだろ。」
「適当すぎないか!?」
「練習すれば誰でもできる」に一瞬考えたアビス。
しかし、どうせ自分の事だからすぐ挫折するだろう。そう考えていた。




