インフルエンス・アップデート
我々は確固とした存在である。彼が手であれ、彼女が足であれ。そこの者が頭であったとしても、我々は確固とした存在だ。
確固としつつも、穴が境界線を破壊しているのだ。生命体は、進化、変貌、最適化。生命体の流れとして、異形である我々でさえ、その目的に抗う事を非とはしない。
目を見開いて頭のなかをアップデート、鼻で空気を吸って頭のなかをアップデート、口内に放って頭のなかをアップデート、耳を澄まして頭のなかをアップデート、手を伸ばし触れて頭のなかをアップデート。
知性のままに、本能に任せ、人間として、情報を求める。確固という、その存在に、その仕組みに、情報を継ぎ足しては最適化、新たな情報で古い情報を踏み潰しては、最新化。
私は確固。進化、変貌、最適化。吸収、変容、最新化。本来の私に情報継ぎ足し、進化、変貌、最適化。本来の私を情報が潰し、吸収、変容、最新化。
人は2ヶ月、3ヶ月で入れ替わるとも、二年、三年で入れ替わるとも、六年で入れ替わるとも言われている。つまり、その時点での私は私ではないのだ。私の姿をした歪な私。
「過去の私はもう死んだ、今の私も時期に死ぬ。未来の私はいつ死ぬか」
進化、変貌、最適化。今の私は何だろう。吸収、変容、最新化。今の私はどうだろう
刻み込まれたプログラム。アップデートされれば別物に、今の私は死んでいく。新装されたプログラム、動き出した新たな技能、新たな私が始まった。技能拡張最適化。知識吸収最新化。
我々は変化する複雑なプログラム。虫や魚といった、単調なプログラムしか持ち得ないために、その行動に沿ったことしか出来ない者とは違う。我々は我々自らを改竄し、最適化、最新化。脳も機械も同じ電気信号で動いてる。
「お願いだ。私を、否定してくれ」