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「生活」を知る

文化祭終わって疲れてます

でもそれとこれとは別ですよねすいません

…そもそも読んで下さってる方いらっしゃるのかな…なんて寂しいことを考えてます…(苦笑)

ではまぁ、とりあえず本編どうぞ!

「よっ、しょ…っと」

大きなかごに入った洗濯物。

洗濯機って本当に便利だな。服と洗剤を入れてスイッチ押せば良いだけなんだから。

パンパンと服をはたいて物干し竿にかけていく。最初の頃はこの作業も服を破って大変だった。

そろそろ、ぼくがここに来てから1ヶ月経つ。

何とか洗濯と畑の管理はできるようになった。とは言え肥料巻きはサシャにやってもらっているし、虫がいないか確認するのだって未だに10個に1個の割合で野菜が無駄になってしまう。洗濯なんてスイッチを押すだけなのだ、そう考えると自分の不器用さに悲しくなる。

「ユラ、ただいまー!洗濯してくれたー?」

玄関からサシャの声。今日はいつもより帰りが早い。

「うん、いま干してるよ」

「そ、ありがと」

サシャは荷物を床に下ろしながら笑顔を向けてきた。…?

「何かあったの?」

「…んー、ユラはあざといね」

苦笑して黙りこむサシャ。これは本人には言ってないけど、サシャって心身的に辛くなると、パッチリした二重まぶたが一重になるんだ。

「今日ほら、帰りが早かったでしょ。実はさ。

…今日はね、私の幼馴染みが消えた日…なんだよね。お墓参りいこうかな、って…」

言いながら、サシャの顔はどんどん暗くなる。

サシャの、昔消えてしまった幼馴染みがサシャにとってどんなに大事な存在だったか、最近やっと理解し(わかっ)てきた。それは多分、ぼくが感情を理解す()る度に、ぼくの中でサシャの存在が大きくなるからだ。

自分の中で大きくなった存在が消えるとどうなるか。体験したことないからよくはわからないけど、恐らく、大きな穴が穿たれてしまうんじゃなかろうか。

「…ぼくも、いっていい?」

「え?」

「お墓参り、だっけ。えっとほら、ぼくサシャにお世話になってるし…」

サシャはポカンと口を開けていたけど、やがて目尻に涙を浮かべながら笑った。

「…お世話になってる、ですって?ユラの口からそんな言葉を聞くなんてね」

いいよ、と優しい顔をするサシャ。何で、泣くのかな。涙は悲しいときのものじゃないのかな。

「じゃあ洗濯物干したら、行こうか」

「うん。あ」

ビリッ

「…ユラくん。君は、実はお墓参り行きたくないのかな。」

「うわああああ!ごめんなさいごめんなさいっ」




サシャの髪が夕日に照らされ、キラキラひかる。

あの、日没を眺めた日もこんな空だった。

目の前には、名前が掘られた腰くらいの高さの石。そこにひざまづいて、サシャは手を合わせていた。

促され、ぼくもそっと手を合わせる。

この人はどんな人だったのかな。サシャと同じ、好奇心旺盛で明るい人?それとも反対にクールで無口な人だったのだろうか。

目を閉じると、風に揺らされる草の音だけがやけに聞こえた。

脳裏に浮かぶのは草原に寄り添う二人の子供。

空を眺めている男の子に、女の子が何やらささやいた。男の子は首をかしげたけど、女の子はそのまま怒ったように、恥ずかしがるように、走り去っていってしまう。あ…

待って、とぼくは手を伸ばそうとしたけれど、男の子はそのまま顔も動かさず座り込んだままだった。

じっと夕日を眺め続けている。

目に焼き付けるように。何かを待ちわびるように。

何かを、振り切るように。

「…ラ。ユラ?」

はっと目を開くと、サシャの怪訝そうな顔が目の前にあった。

「わっ」

「? 寝てるかと思ったじゃない。いつまでそうしてるのよ」

「あ、うん。ごめん。」

サシャは「まったくだわ」と少し笑いながら溜め息をついた。

そして何となく視線をやった墓石を、正確には墓石に掘られた名前を無言で眺め-

「…ごめんね、ユラ」

そう、呟いた。

でもそれは誰にたいしての謝罪だったのか、ぼくにはわからない。

だって、墓石に掘られていたのは、


『ユラリス』


サシャはきっと、彼のことをユラと呼んでいたのだろう。でもぼくはいまもこれからも、サシャの中で彼になることはない。不可能だし、なったところで一番違和感を感じるのは他ならないサシャ自身だろう。

そもそも、彼女は心の底でそれを望んでいない気がした。

ぼくはユラ。ユラリスじゃない。望んでいなかったから、それなのに意味もない期待をしてしまったからこそ、サシャはぼくに「ユラリス」ではなく「ユラ」なんて名前をつけたんだろうな。

「…帰ろっか。」

「…うん」

ぼくの呼び掛けに、サシャは素直に応じた。

その草原をあとにして、二人寄り添って歩く。

ねえ、とサシャが囁きかけてきた。ぼくは、なあに、と聞き返しながらふと思い立った。

サシャの手を握る。

驚く彼女をよそに、ぼくは後悔するくらいならこの手を繋いだままでいようと思った。




お墓参りの帰り、ぼくらは商店街に来ていた。

洗濯物を干す時に服を破ってしまったので、一着シャツを買いに来たのだ。

「うん、これでいいよね」

サシャが僕に合いそうなのを選んでくれた。それを購入し店を出る。

人混みのなかを二人で歩きながら、ぼくはただなんとなくふと振り返った。

そして足を止める。

「ユラ?どうしたの?」

サシャも振り返った。戸惑い、首をかしげている。

ぼくの視線の先にいたのは、一人の少年。


ぼくは直感した。

この人はきっと、ヒトじゃない。



新キャラです

ここからも少し盛り上げていきたいです

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